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TOPページ > 海外競馬情報 > 競馬開催日のデータ手数料を巡る論争が加速(イギリス)【開催・運営】
海外競馬情報
2011年03月11日  - No.5 - 3

競馬開催日のデータ手数料を巡る論争が加速(イギリス)【開催・運営】


 BHA(英国競馬統轄機構)は、これまでメディアに無料で提供されていた競馬開催日のデータに手数料を課すという競馬場メディアグループ(Racecourse Media Group: RMG)の試みは競馬報道を妨げることになるとして、遺憾の意を表明した。

 チャンネル4の競馬評論家ジョン・マクリリック(John McCririck)氏もまた、今回の措置は、RMGがメディア権を管理しているレーシングUK社(Racing UK:RUK)およびターフTV社(Turf TV)と提携している30の競馬場すべてが、着順や着差の公式な確定情報を場内プレスルーム全体に配信することを拒否することを意味するとして、この措置を激しく攻撃した。

 競馬開催日の情報は、手数料を賦課するためにRMGが選定した提携会社である通信協会(Press Association: PA)に独占的に伝えられることになり、これにより、レーシングポスト紙を含む他社がRUKの提携競馬場でのライブ情報を報道しようとする活動は妨げられることになる。

 レーシングポスト紙について言えば、競馬場から発せられるデータはその競馬場の所有であると主張するRMGは、これまでずっとメディアには無料で与えられていた競馬開催日の一連の詳細情報の提供に3万ポンド(約420万円)の手数料を要求してきている。詳細情報には、馬場状態、騎手変更、超過重量、着差の完全リスト、勝ちタイム、発走直前のオッズに加えて、競馬場の天候までが含まれる。

 競馬変革プロジェクト(Racing For Change: RFC)が競馬の魅力を広めようとしている動きを台無しにするように思われる今回の方策に対して、多くの競馬場が注文を付けたにも拘らず、これまで場内において無料で利用可能だった情報に手数料を課そうとする決定は、1月中旬に開催されたRMGの理事会において承認された。しかし今のところアットザレーシズ社(At The Races)と提携する31場の競馬場では、その方策は実施されていない。

 BHAのスポークスマンであるポール・ストラザース(Paul Struthers)氏は、「私たちは商業的な事柄を扱うことに対して関与も権限もありませんが、レーシングポスト紙とRMGの間でなされている商業的な争いによって全国紙における競馬関連の正確な記事が妨げられる可能性があるということは残念です」と語った。

 マクリリック氏は次のように語った。「競馬報道が減少している現状において、大衆に情報を発進することを否定しようとする動きは言語道断です。情報の利用可能性が広まっているインターネットの時代にこの種のことを囲い込もうとすること、そしてあらゆる宣伝チャンスをありがたく思わなければならないときに、競馬のデータに手数料を課すことは、全く非生産的なことです」。

「RFCが競馬の販売促進に努めているときに、このような措置を取るのは馬鹿げています。今はニュースの発信がオープンに行われる時代であり、情報に手数料を課すことは自己破滅的です。まるでビザンチン帝国のようなもので、ほかに誰がこのようなことをするでしょうか?サッカー界が、ゴールを決めた選手やゴールが決まった時刻を教えることはできないと言い始めるでしょうか?」

 これらに対して、RMGのCEOであるリチャード・フィッツジラルド(Richard FitzGerald)氏は次のように述べた。「“公式の”競馬開催日のデータの所有権は競馬場にあり、競馬場を発信源としています」。

「“公式の”競馬開催日のデータの利用は、30競馬場を代表してPAが免許を付与します。商業的に情報を利用するすべての業者を公平に取り扱うために、透明性のある出馬表がありますし、公式の競馬開催日の情報を利用する大多数の業者は免許を付与されています」と語った。

 そして次のように付言した。「私たちは、競馬場でデータを収集し、それを免許を有していない業者に販売することを目論んだり、報道目的でない活動のために利用するごく少数の組織をどう扱うかについて重点的に取り組んでいます」。

「このような組織の多くと話し合いを続けてきており、決勝審判員の報告様式に関連するBHAのルールの変更は1月1日に発効しました。新聞メディアに関しては、私たちは競馬場に取材に来ている人々に積極的に協力しており、彼らの要求を満たすと考えられる多くの情報源を通じて、彼らは競馬開催日のデータにアクセスすることができます」。

 しかしこの主張に対しては、競馬記者・カメラマン協会(Horserace Writers’ and Photographers’ Association: HMPA)のウィル・ヘイラー(Will Hayler)会長から疑問が呈されている。HMPAの競馬場取材者は、RUKの提携競馬場が確定情報を幅広く利用できるようにすることを拒否したことにより、仕事が困難になったと主張する。

 ヘイラー会長は、「RMGが競馬開催日の情報を入手しにくくするこの決定を下す前の段階で、HMPAの誰も相談を受けなかったことにがっかりしています」と語った。

 そして次のように付け加えた。「私はデータの所有権に関して専門家を気取ることはできませんので、RMGの主張の正しさの程度がわかりませんが、彼らは、データ手数料の賦課という重大な問題を大した問題でしかないと考えているように思えます。なぜなら、彼らは競馬メディアにデータを無料で提供するつもりであると言いますが、私たちがデータを得られるような仕組みは何も導入しませんでした」。

 レーシングポスト紙の編集者であるブルース・ミリングトン(Bruce Millington)氏は、「私たちは英国のすべての競馬開催に記者を送っており、これまで200年以上無料で利用可能であった情報に対して突如として手数料を支払うよう要求されたというのは、少々馬鹿げたことだと思います」と語った。

そして次のように付言した。「もし“新聞社が行っている包括的な競馬記事の提供などどうでもよいから、とにかくデータ手数料の導入を受け入れなさい”などと表立って言えるメディア関連の組織が存在し得るとしたら、それは競馬の世界においてだけでしょう」。

「レーシングポスト紙が情報提供サービスの縮小を余儀なくされるとしたら、それは誰の利益のためなのでしょうか?それが競馬の利益ではないことは確かだと思います」。
 

 

2002年にBHBが導入しようとした出馬表の新聞掲載手数料の大幅増額

  当時英国競馬を運営していたBHB(英国競馬公社 訳注:後に競馬監理機構と統合しBHAとなる)が出馬表の新聞掲載手数料を大幅に増加させる決定を一方的に行った2002年11月に、BHBと新聞社の間に戦争が勃発した。

  新聞社からの収入を年間120万ポンド(約1億6,800万円)にまで増加させることを目指したこの提案によって、既存の1紙当たり年間3,500ポンド(約49万円)の均一料金は廃止され、ザ・サン紙(The Sun)のようなタブロイド紙は年間約35万ポンド(約4,900万円)を支払うことになるスライド制に置きかえられることが予定されていた。

  この案は、BHAのピーター・サヴィル(Peter Savill)会長とナイジェル・スミス(Nigel Smith)商業担当理事の発案によるものであり、彼らは当時、「新しい商業界における考え方を採り入れた」と述べていた。そして、新聞社は出馬表の新聞掲載により利益を得ていると主張し、自身らの措置を正当化した。

  この案は、新聞社すべてから憤りの反応を買い、数社の新聞社はレース名からスポンサーの名前を落としたり、出馬表の一部を完全に紙面から消すことにより報復措置を取った。10日にわたる苦い対立を経て、BHBは最終的に引き下がり、現行の免許協定を続けることで新聞社と合意に至った。                           

David Carr 

By Graham Green
(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2011年1月21日「Row escalates over race-day data charges」]


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