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TOPページ > 海外競馬情報 > 時代の流れに合わせた新しい鞭使用ルールがスタート(イギリス)【開催・運営】
海外競馬情報
2011年11月04日  - No.21 - 2

時代の流れに合わせた新しい鞭使用ルールがスタート(イギリス)【開催・運営】


 BHA(英国競馬統轄機構)がレース中の鞭使用回数を明確に制限し、それに違反した騎手から進上金と騎乗手当を没収する厳しいルールを9月27日に発表したことで、鞭の濫用に対して罰則を厳格適用するゼロ・トレランス主義の新時代が幕を開けた。

 広範囲に及ぶ鞭使用ルール見直し検討は2010年11月に開始されていたが、ジェイソン・マグワイア(Jason Maguire)騎手がグランドナショナル優勝後に鞭使用ルールで騎乗停止処分を受けて新聞の大見出しとなったことで結論が急がれていた。そして、騎手たちは鞭使用ルールを頻繁に犯しており、厳格な罰則の導入が効果的な抑止力となるだろうと結論付けられた。

 新しく定められたレース中の鞭使用回数のルールは10月10日から導入され、仮にマグワイア騎手の騎乗を例にとれば、進上金3万5,000ポンド(約455万円)の没収と27日間の騎乗停止処分が科されることになる。

 また、6月のロイヤルアスコット開催でリワイルディング(Rewilding)に騎乗したフランキー・デットーリ(Frankie Dettori)騎手は同様に9日間ではなく37日間の騎乗停止処分と進上金の没収を科されていただろう。

 大部分の騎手はこの変更、とりわけ鞭の使用可能回数が明確になったことをおおむね歓迎しており、デットーリ騎手もマグワイア騎手も支持している。

 デットーリ騎手は、「過去に鞭使用ルールに違反してしまったことは名誉なことではありませんが、私は馬を傷つけたことは一度もありません。新しい鞭使用ルールは理解しやすく、騎手全員がこのルールの範囲で騎乗するでしょう」と語った。

 またマグワイア騎手は、「これは私たちが時代の流れに合わせて前進している印です。今や人々はルールがどのようなものであるか認識しています。厳しい罰則が存在することで、少なくともこれらのルールは確実に守られるでしょう。私の騎乗には影響しませんし、鞭使用法の変更が騎手に大きな影響を与えることはないと思います」と語った。

 騎手協会(Professional Jockey’s Association: PJA)のCEOであるケヴィン・ダーレー(Kevin Darley)氏は、「抜本的な変更がなされましたが、それらは競馬の利益を最優先になされたものです」と語った。

 そして次のように続けた。「競馬の公正と鞭問題に対する大衆の考え方の改善に一役買うことを願っています。騎手たちが前向きにこれに対処することを望んでいます。BHAも、騎手がルールを遵守する限り鞭は騎手たちに認められた商売道具であると考えています」。

 今年のグランドナショナルでの出来事とデットーリ騎手の鞭使用ルール違反が大きな話題になったことが、鞭使用を全面的に禁止するキャンペーンに火を付けた。王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty to Animals:RSPCA)は安全目的での鞭使用の継続を支持しているが、騎手が逆手(フォアハンド)での鞭使用を禁じられることを望んだ。一方鞭使用ルールに違反した際の勝馬の失格も検討された。

 しかし鞭使用ルールの見直し検討の結果は、厳格な管理が効果的に実施されるならば、鞭使用は騎手と馬の安全にとって引き続き適切かつ必要であると結論付けた。そして、鞭は馬をレースに集中させ、最大限の能力を出させるために使われるべきであると述べた。

 新しい罰則は、平地競走での鞭使用回数をレース全体で7回、障害競走での鞭使用回数をレース全体で8回、そして最終1ハロンおよび最終障害飛越後で5回のみに制限される。

 もはや警告は告げられることはなくなり、鞭使用回数を守らなかったこと自体に対する罰則は5日間の騎乗停止処分に引き上げられる。鞭使用に関わる理由で騎乗停止処分を3日間以上科された騎手は、騎乗手当と進上金を没収される一方、2回目の違反では罰則が2倍になる。

 罰則の累計はなくなり、また最上級クラスのレースに合わせて騎乗停止日を延期することはできなくなる。

 BHAの馬科学・福祉担当理事であるティム・モリス(Tim Morris)博士は9月27日、BBCの朝のニュースを含む多くのメディアからインタビューを受けて鞭使用ルールの変更について説明し、「騎手たちは簡潔で明確なルールを要求し、今般それを手に入れました。使用回数は7回もしくは8回までです。それを超えると罰則は非常に厳しくなり、違反を重ねた場合には、罰則は算術級数的ではなく、幾何級数的に2倍、3倍、4倍となります」と語った。

 そして、「1回目の違反を犯しただけで、非常に厳しい罰則を受け、もし過ちを繰り返せば、非常に深刻な問題となります」と付け足した。

 鞭使用の問題は競馬にとって微妙な問題であり見直しの結果がすべての問題の解決策とはならないとBHAは分かっている、とモリス博士は付け足した。しかし同氏は、馬の福祉は優先事項であり大衆の考え方に沿って改善するために見直しを続ける必要があると述べた。

 そしてこう付言した。「これは、無条件反射的の形だけを整えようとする対応ではありません。徹底的に考慮された見直しであり、これが出発点です。私はこれが魔法の杖で問題をすべて解決するとは見ていませんが、5ヵ月で70ページにわたる見直しを行ったことで、きちんとした仕事を成し遂げられたと思います」。

 鞭使用ルールの変更のタイミングは10月15日のチャンピオンズデーを念頭に入れたものであり、このルール変更に慣れていない海外からの騎手に対しての情状酌量はないとモリス博士は強調した。

 

事例1:騎乗停止処分が5日間から27日間へ

 4月9日のグランドナショナルでバラブリグス(Ballabriggs)に騎乗したジェイソン・マグワイア騎手

違反事例:最終追込みで馬に17回鞭を入れ、鞭の過度使用でルールに違反

当時の罰則:5日間の騎乗停止処分

新ルールでの罰則:27日間の騎乗停止処分。ルール違反自体に対する5日間に加え、最終障害飛越後において定められている鞭使用回数6回を超えた回数ごとに2日間ずつの計22日間(11回×2日)。進上金(平均6.7%)3万5,854ポンド(約466万1,020円)と騎乗手当148.95ポンド(約1万9,364円)の没収。

 

事例2:騎乗停止処分が9日間から37日間へ

 6月15日のプリンスオブウェールズSでリワイルディングに騎乗したフランキー・デットーリ騎手

違反事例:最終2ハロンで馬に24回鞭を入れ、鞭の過度使用でルールに違反

当時の罰則:9日間の騎乗停止処分

新ルールでの罰則:37日間の騎乗停止処分。ルール違反自体に対する5日間に加え、レース全体において定められている鞭使用回数8回を超えた回数ごとに2日間ずつの計32日間(16回×2日)。進上金(平均6.7%)1万5,214ポンド(約197万7,820円)と騎乗手当109.10ポンド(約1万4,183円)の没収。 


By Jon Lees
(1ポンド=約130円)

[Racing Post 2011年9月28日「New whip era as racing ‘moves with the times’」]


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