TOPページ > 海外競馬情報 > サラトガ競馬場の改築計画が発表される(アメリカ)【開催・運営】
海外競馬情報
2011年10月21日  - No.20 - 1

サラトガ競馬場の改築計画が発表される(アメリカ)【開催・運営】


 NYRA(ニューヨーク競馬委員会)は9月1日、サラトガ競馬場の歴史的特性を保つ一方で施設とファンがいっそう楽しむことができることを目指した21の主な改築計画のメニューを発表した。

 改築計画のメニューには、歴史ある競馬場の厩舎地区と正面部分の大規模な改善、機能性向上そして修復が含まれている。あらゆる部分にわたって提案された改築計画は、初期の改築に5年から10年をかけることが計画されており、優先事項と実現性を評価するために地域住民からの意見とフィードバックを受け入れるだろう。

 NYRAの理事長兼CEOであるチャールズ・ヘイワード(Charles Hayward)氏は声明において、「NYRAはサラトガ競馬場をこの先何年も成長・繁栄させるための主要改築戦略を実行する一方で、この歴史的建造物である同競馬場を保護することにも力を注いでいます。予定されている計画のメニューは、ファン、競馬関係者および地域住民を含む同競馬場の関係者の要望を組み込むために、人々から意見を引き出すことを目指しています」と語った。

 計画メニューは9月1日午後6時30分に行われるサラトガスプリングス市役所の地域フォーラムの際に初めて地域住民に発表される。完成予想図は9月2日に市役所に展示される。この展示は9月3日にはサラトガ競馬場に移され、2011年サラトガ開催の最終日である9月5日のレイバー・デーまで勝負服展示室の近くの一般閲覧室で見ることができる。

 ヘイワーズ氏は次のように語った。「私たちが実行を予定している計画は、独断で決定されることはありません。私たちは、サラトガ競馬場が特別な競馬場となっているのは、地域と深く密着し地域に受け入れられているからであると認識しています。NYRAのメンバーは全員、ファンにサラトガ競馬場を楽しんでもらい同競馬場の将来を確かなものにするために不可欠で理にかなった改築を行うつもりですので、人々から意見を聞くことを本当に楽しみにしています。公開討論で話し合われなかった改築計画は、喫緊に改善が必要とされている厩舎地区の寮と施設のみです」。

 主要改築計画の財源はアケダクト競馬場への4,500台のスロットマシンと500台の電子テーブルゲームの設置により創出された収入から拠出されている。法律によれば、NYRAは主要改築計画のためにスロットマシンの収入の4%を利用するだろう。スロットマシン運営者ジェンティング・ニューヨーク社(Genting New York)により提供された数字を基にすれば、その額は年間2,760万ドル(約24億8,400万円)と推測される。

 サラトガ競馬場は機能性向上と強化を一番必要とする競馬場であるとされていた。競馬場の設計は、計画に従った改築を実行すれば、多くの柔軟性をもたらし、収入を増加させるための重要な効果ももたらす。1956年のジョッキークラブプラン(Jockey Club Plan)以来、サラトガ競馬場の改築への包括的な戦略は持ち上がらなかったが、同競馬場では1965年のグランドスタンドの拡張、1980年代後半の回転木馬の建設そして2000年の新しい入場門と騎手の寮施設を含む一連の変更がなされてきた。

 厩舎地区と競馬場の正面部分の広範囲にわたる歴史的分析と調査は、最近においてサラトガスプリングス保護財団により完了されている。同財団は、NYRAならびにNYRAがサラトガ、ベルモントパークおよびアケダクトの各競馬場の主要改築の方向性をアドバイスするために指名していたロンドン拠点のコンサルタント業者ターンベリーコンサルティングUS社(Turnberry Consulting US)の支援を得ている。サラトガの計画案もこれらの研究および分析の成果としてNYRAが発表したものである。

 この計画の詳細はNYRAのホームページで閲覧することができる(www.nyra.com)。

By Blood-Horse Staff
(1ドル=約90円)

[bloodhorse.com 2011年9月1日「NYRA Announces Improvements for Saratoga」]


上に戻る