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TOPページ > 海外競馬情報 > G1競走における3歳馬へのアローワンスを廃止すべきとの提案(イギリス)【その他】
海外競馬情報
2011年07月22日  - No.14 - 3

G1競走における3歳馬へのアローワンスを廃止すべきとの提案(イギリス)【その他】


 英ダービーを制したあと、引退して種牡馬入りする。これこそが私たちの意識にしっかり染み込んだ商業的に成功する公式なので、英ダービーでたまたま勝った馬がその傾向に逆らって4歳になっても現役を続けるという普通ではない状況になれば、競馬ファンにとっては友人を皆招待し宴会の準備をするうれしい理由となる。

 過去20年間の英ダービー勝馬の中で、ワークフォース(Workforce)は4歳で種牡馬入りせず現役を続けた5頭目の馬である。同馬以前の4頭のうち3頭は、競走生活の続行が失敗に終わった。

 ハイライズ(High-Rise)は4歳シーズンにおいて4戦したものの勝利はなく、5歳シーズンでは3戦しドバイの準重賞で優勝したのみである。ノースライト(North Light)は古馬になってから唯一走ったブリガディアジェラールSで敗退し、サーパーシー(Sir Percy)は英ダービーを制した翌年に3戦すべてに敗れた。ハイシャパラル(High Chaparral)だけが英ダービー勝利後に4歳でアイリッシュチャンピオンSを制し、BCターフ(G1)で2着となり、古馬になっても評価を高めた。

 この商業的に成功する公式は安易に確立されたものである。英ダービーは、20年前より輝きがなくなっていると考えるかどうかに拘らず、依然として世界でも最も有名かつ権威あるレースの1つである。

 英ダービーは、今もなおフェデリコ・テシオ(Federico Tesio イタリアの伝説的馬産家、馬主、調教師)の多くの弟子たちにより、サラブレッドが持つべき特性、すなわちスピード、スタミナ、気品、均整のとれた馬格および気性についての本質的認定の場であると認識されている。英ダービーで優勝すれば、同世代の中で評価が上がり、一流生産者の関心や欧州最高の繁殖牝馬を惹きつけることになる。

 しかしながら、関心を惹きつけられる期間は短くなる可能性がある。競走馬生産の成功は科学と経験のしっかりした基礎に依存している一方、流行と感覚の変化によっても支配される。他の条件が同じであっても、昨年のダービー馬が今年のダービー馬と同じようにブリーダーを惹きつけるわけではないということは理解できる。レーシングポスト紙に話したジョン・ウォレン(John Warren)氏の言葉を引用すれば、「馬がどのような能力をもっていたかを人々に覚えておいてもらわなければならない」。

 サーパーシーの初めの種付料は8,000ポンド(約112万円)であったが、もし同馬が3歳シーズンの終わりに種牡馬入りしていたら、さらに言えば英ダービー勝馬の仲間入りを果たした直後に引退していたら、種付料はきっとより高額となっていただろう。ノースライトとハイライズについても同じことが言える。

 4歳シーズンも現役続行することでダービー馬の評価が下降する可能性は顕著である。また、4歳時にレースに出走させること、つまり種牡馬入りしないことにより失われるものもある。

 例えば、シーザスターズ(Sea The Stars)の種付料は8万5,000ポンド(約1,190万円)に設定された。同馬は供用1年目に130頭の牝馬を迎えることが予定されていた。そして、すべてが予定通りであれば、1,100万ポンド(約15億4,000万円)以上の収入がもたらされたことになる。このようにシーザスターズは種牡馬として並外れた可能性を持っているが、9戦8勝した輝かしい競走生活(英2000ギニー、英ダービー、エクリプスS、インターナショナルS、アイリッシュチャンピオンSおよび凱旋門賞の勝利を含む)において同馬が収得した賞金は、450万ポンド(約6億3,000万円)弱である。

 障害競走の平地競走に対する大きな利点の1つは、障害競走のスター馬は繁殖生活に入ることは稀であり毎年競馬場に戻ってくるという事実である、と長い間言われてきた。もし平地競走においても状況が同じであるならば、今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSには、ワークフォース、ソーユーシンク(So You Think)、シーザスターズ、ディラントーマス(Dylan Thomas)、ニューアプローチ(New Approach)、レイルリンク(Rail Link)、ハービンジャー(Harbinger)、テオフィロ(Teofilo)およびザルカヴァ(Zarkava)が出走することがあり得る。

 このようなラインナップはまったく非現実的であるが、シーザスターズが凱旋門賞優勝後にブリーダーズカップに挑戦することを競馬ファンが期待していたが実現しなかったことはやはり残念である。4歳で競走生活を続けることは、現実的なこととは考えられていない。

 物事の感じ方は時間の流れによってのみ変化するが、競馬を楽しむ観点からこの状況を改善するための措置をとる余地はなおあり得る。古馬との混合G1競走における3歳馬へのアローワンス(負担重量軽減)の廃止は、その手初めとなるだろう。3歳馬は、キングジョージ6世&クイーンエリザベスSにおいては古馬よりも12ポンド(約5.4 kg)軽く、サセックスS、インターナショナルSおよび凱旋門賞においては古馬よりも8ポンド(約3.6 kg)軽い。

 アローワンス廃止の措置は、これらのレースに出走する3歳馬を減少させる可能性がある(そして確かに3歳馬のキングジョージに挑戦する気を削ぐわけにはいかないだろう)が、このことによりすべての出走馬は公平な条件で競走できるようになる。そして並外れた3歳馬だけがキングジョージや凱旋門賞を勝つことになる。負担重量の相違なしに古馬を打ち負かすことのできる英ダービー勝馬は、本当にわくわくするような種牡馬となるだろう。

 このような措置は、G1競走で3歳馬と戦うときに古馬を勝利しやすくするという裏の面があるので、馬主が古馬を現役に留まらせることをより魅力的にさせる。

 もしかすると先に挙げたキングジョージ6世&クイーンエリザベスSのラインナップは、結局はそれほど非現実的なものとはならないだろう。

By Donn McClean
(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2011年5月30日「Abolish the weight allowance in all-aged Group 1s」]


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