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TOPページ > 海外競馬情報 > 人工馬場、不況の影響緩和に一役(アメリカ)【その他】
海外競馬情報
2010年04月09日  - No.7 - 6

人工馬場、不況の影響緩和に一役(アメリカ)【その他】


 賭事客は、人工馬場が敷設されている競馬場でお金を投じつつある。

 ダート馬場から人工馬場に転換した北米の8競馬場でのパリミューチュエル賭事収入に関する本誌の調査によれば、人工馬場導入以降、馬券総売上げが 1.28%上昇している。この調査は、これらの競馬場が人工馬場敷設後に年間競馬開催日数を増やしたことから、1日平均の馬券売上げも記載しており、1日 当たりでは2.67%減の540万3,478ドル(約5億4,034万7,800円)となった。

 馬券売上げのわずかな上昇は大したことのないように思われるが、米国全体で見れば2009年の馬券売上げは前年比9.9%減で、2006年と比較すると 16.68%減となる。つまり人工馬場は、これらの数字と比べるとずっと健闘しており、2009年の1日平均馬券売上げは、前年比7.46%減にとどまっ た。

 本誌は調査において、単純に過去の数字を比較するのではなく、たとえばある競馬場が3年間人工馬場で競馬を施行した場合、その競馬場が最後にダート馬場で競馬を施行した3年間と比較した。

 調査した8競馬場は、アーリントンパーク、デルマー、ゴールデンゲートフィールズ、ハリウッドパーク、キーンランド、サンタアニタパーク、ターフウェイ パークおよびウッドバイン競馬場である。ペンシルヴァニア州のプレスクアイルダウンズ競馬場もまた人工馬場を使用しているが、ダート馬場で競馬を施行した ことがないため調査には含めなかった。同競馬場は本馬場をタペタフッティングズ社製の馬場とし、2007年にオープンした。

 調査対象の8競馬場はすべて、人工馬場が敷設される前にはダート馬場で競走を施行していた。カリフォルニア州では、いくつかの競馬場がカリフォルニア州競馬委員会(California Horse Racing Board)の命令に従い人工馬場に転換した。

 デルマー競馬場は2007年の開催の前にポリトラック馬場、ゴールデンゲートフィールズ競馬場は2007年中にタペタ馬場、ハリウッドパーク競馬場は 2006年秋開催の前にクッショントラック馬場、サンタアニタ競馬場は2007年のオークツリー開催の前にクッショントラック馬場(後にプロライド馬場) に転換した。なお、サンタアニタ競馬場はダート馬場に戻すことがあり得ると推測されている。

 カリフォルニア州外では、アーリントンパーク競馬場が2007年シーズンの前にポリトラック馬場に転換した。ターフウェイパーク競馬場は2005年にポ リトラック馬場に転換し、人工馬場で競馬を施行してパリミューチュエル賭事を提供した北米初の競馬場となった。そして、ターフウェイパーク競馬場の50% を所有するキーンランド競馬場とウッドバイン競馬場は、いずれも2006年にポリトラック馬場に転換した。

 キーンランド競馬場の職員は、人工馬場への偏見が減ったことで出走頭数が増え、そのことが同競馬場の馬券売上げの増加に繋がったと確信している。キーン ランド競馬場のニック・ニコルソン(Nick Nicholson)場長は、以前の予後不良事故減少の統計と同様に、馬券売上げの面では人工馬場に有利な結果となっていると述べた。

 ニコルソン場長は、「これも数字が物語っている一例です」と語った。

 キーンランド競馬場は安全性の改善という決定に基づいて人工馬場敷設を行ったと同場長は述べた。また、同競馬場は人工馬場の競走に関して、できるだけ多 くの勝馬予想に関する情報を提供することに専念していると付言した。キーンランド競馬場のウェブサイトは、馬場の維持法に関する最新情報やトラカス・シス テム(Trakus 訳注:場内大型映像装置やテレビ画面で全出走馬のスタートからゴールまでの位置取りをリアルタイムで見られるようにするシステム)に よる情報を含む詳細な情報を提供している。

 ニコルソン場長は、「多くの競馬賭事客が人工馬場への偏った判断をしたがることは分かっていますが、私たちの競馬場は彼らの目論見を挫いたと思います。 しかし、これらの数字は、新しい馬場に順応している賭事客がいることを示しており、彼らは人工馬場での競走でよく的中させているようです」と語った。

 馬券売上げの統計には、8競馬場それぞれにおいて施行された芝競走も含まれている。

 2008年と2009年のサンタアニタ競馬場のオークツリー開催の統計には、4日間にわたるブリーダーズカップの馬券売上げは含まれていない。このこと により、ブリーダーズカップイベントがなく、ダート馬場で競馬を施行していた数年との比較がより正確に出来るようになった。しかし一方で、人工馬場になっ てからの馬券売上げは、4日間の開催日を失うことにより悪影響を受けた。

 1日平均馬券売上げで高い増加率を享受した競馬場は、ハリウッドパーク競馬場とキーンランド競馬場である。ゴールデンゲート競馬場は馬券総売上げで24.33%の上昇を記録したが、競馬開催日の増加がこの急増に寄与している。

 サンタアニタ競馬場は、クッショントラック馬場でもプロライド馬場でも水はけ問題に悩まされたため、売上げは低迷した。サンタアニタ競馬場の馬券総売上 げは14.47%減少し、1日売上げも9.16%減少した。オークツリー開催に限れば、馬券総売上げは3.25%減少し、1日平均も4.4%減少した。

 

8競馬場を対象とした統計
馬券総売上げ 人工馬場敷設前:$12,291,816,259(約1兆2,291億8,163万円)
  人工馬場敷設後:$12,449,612,563(約1兆2,449億6,126万円)
  増減:+1.28%
 
1日平均馬券売上げ 人工馬場敷設前:$5,551,859(約5億5519万円)
  人工馬場敷設後:$5,403,478(約5億4035万円)
  増減:−2.67%
 
競馬開催日数 人工馬場敷設前:2,214日
  人工馬場敷設後:2,304日
 
備考:これらのデータはダート馬場から人工馬場に転換した競馬場からのものである。
    完全にダート馬場、完全に人工馬場で競走が行われた時期の比較である(芝競走も含む)。

By Frank Angst
(1ドル=約100円)


[Thoroughbred Times 2010年2月20日「Cushion to recession’s blow」]


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