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TOPページ > 海外競馬情報 > 馬主協会会長、賦課金収入減少で競馬界は危機にあると警告(イギリス)【開催・運営】
海外競馬情報
2010年06月25日  - No.12 - 3

馬主協会会長、賦課金収入減少で競馬界は危機にあると警告(イギリス)【開催・運営】


 馬主協会(Racehorse Owners’ Association: ROA)のポール・ディクソン(Paul Dixon)会長は5月21日、競馬界は賦課金収入のさらなる減少により“危機にある”と警告した。2009-10年賦課金収入の最終的な数字は確認され ていないが、現在のところ8,000万ポンド(約112億円)を下回ると予測されている。

 この数字は、開催日数とレース数が約25%増加したこの7年間において最低である。因みに、開催日数とレース数は、2002年には1,158日、7,691レースであったのに対し、2009年には1,426日、9,628レースとなっている。

 競馬賭事賦課公社(Levy Board: 賦課公社)はほんの6週間前、当初9,110万ポンド(約127億5,400万円)とされていた賦課金収入予測を8,740万ポンド(約122億 3,600万円)に修正すると発表した。そのニュースと同時に、2010年の残り日程向けの支出額を460万ポンド(約6億4,400万円)削減すること も発表された。当初6,300万ポンド(約88億2,000万円)を超えるとされていた賦課公社の賞金への拠出額は、その後5,700万ポンド(約79億 8,000万円)となり、その後さらに5,420万ポンド(約75億8,800万円)にまで引き下げられた。その際に、賦課公社の会長であるダグラス・ アースキンクラム(Douglas Erskine-Crum)氏は、「2010年の賞金額がこれ以上削減されることはありません」と述べていた。

 準備金を現金化する手段はすでに取られており、今回非公式に確認された賦課金収入の減少見込みは、2011年予算に影響を及ぼすだろう。

 ディクソン会長は、「私たちは危機にあります。私たちが知っている競馬はそのまま継続できません。私たちはいろいろ手を尽くし、賦課金収入を増加させる ことを期待して開催日数を増やしましたが、それが裏目に出ました。開催日数は増やし続けることはできません。私たちは人々に、所有馬がレースに勝っても 1ヵ月の調教料より少ない1,000ポンド(約14万円)そこそこの賞金しか受け取ることのできない状況で、競走馬の購買や維持を頼むことはできません。 それはもはやジョークです」と語った。

 同会長は、自身がメンバーである賦課公社の迅速な対応を要求するとともに、賦課最低額に関する状況を特に取り上げてコメントした。

 2009年4月1日から2010年3月31日を対象とする2009-10年賦課金計画の下、ベッティングショップは英国競馬に対する賭けからの粗利益の うち9万ポンド(約1,260万円)までは賦課金を免除されていた。また現行の2010-11年賦課金計画の下では、賦課最低額は8万8,740ポンド (約1,242万3,600円)である。

 ディクソン氏は、「賦課最低額は時代遅れになっています。小さな独立したブックメーカーを保護するために賦課最低額は導入されましたが、大手ブックメー カー3社は自分たちの目的に合うようにこの特権を操作しました。賦課最低額の規定から恩恵を受けていたベッティングショップの60%が、現在は大手ブック メーカー3社に属しています。一般の人は、ブックメーカーが粗利益の10%を賦課金として納めていると考えているかもしれませんが、彼らは賦課最低額を利 用して賦課金を納めていません。賦課公社はこれについて何か措置を取るべきです」と語った。

 賦課金収入は、ラドブロークス社(Ladbrokes)とウィリアムヒル社(William Hills)がそのインターネット事業の海外移転を決定したことから、年間約400万ポンド(約5億6,000万円)減少すると予測されているが、ディク ソン氏は次のように主張した。「この減少額はもっと大きいものになるでしょう。賦課公社は、この問題および海外競馬への賭事売上げから賦課金を支払わせる ことについて検討しなければならなりません。競馬界は、2011-12年賦課金計画について1億3,000万ポンド(約182億円)から1億5,000万 ポンド(約210億円)を必要としているという強い主張を行いました。もし賭事産業が1,500日の競馬開催を望むのであるなら、必要な負担をしなければ なりません。現在打撃を受けているのは、自身の馬を競馬場で出走させるために負担をしている競馬関係者なのです」。

 

過去10年間の賦課金収入
2000-01年度 6,030万ポンド (約84億4,200万円)
2001-02年度 7,290万ポンド (約102億600万円)
2002-03年度 7,990万ポンド (約111億8,600万円)
2003-04年度 1億1,070万ポンド (約154億9,800万円)
2004-05年度 1億560万ポンド (約147億8,400万円)
2005-06年度 9,930万ポンド (約139億200万円)
2006-07年度 9,920万ポンド (約138億8,800万円)
2007-08年度 1億1,530万ポンド (約161億4,200万円)
2008-09年度 9,160万ポンド (約128億2,400万円)
2009-10年度(予測) 7,900万ポンド (約110億6,000万円)

 

By David Ashforth

BHAのCEOも、賦課金収入の減少による危機に懸念表明

 BHA(英国競馬統轄機構)のCEOニック・カワード(Nic Coward)氏は5月22日、ROAのディクソン会長が8,000万ポンド(約112億円)以下まで下がると予測される賦課金収入の減少を“危機的事 態”として取り上げ、将来の資金調達に関して懸念を表明したのに対して、同じ意見を述べた。

 ディクソン会長は、2009-10年度の賦課金収入はこの8年間で最低レベルに落ち、わずか6週間前に発表された修正予測よりも700万ポンド(約9億8,000万円)下回ることが判明したことを受けて、競馬界は危機にあると述べた。

 この状況について、カワード氏は次のように賭事産業を非難した。「賭事産業は賦課金支払いを最も少なくするために、あらゆる手段を講じるでしょう。私た ちはここ数年ずっと、多くの分野で何も行動を起こさないことがどういう結果をもたらすか警告するとともに、明確な解決策も提案してきました。それは、賦課 の定義に合致するベッティング・エクスチェンジとその利用客、海外賭事業者、賦課最低額、海外競馬対象賭事の扱いなどであり、これらすべてがまだ着手され ていません」。

 「私たちは今や危機的事態に至っており、新政府と賦課公社からの緊急の対策が求められています。競馬界は2011-12年賦課金計画の中で、賦課金からの拠出必要額は1億3,000万〜1億5,000万ポンド(約182億〜210億円)であると説明しています」。

 賦課公社のアースキンクラム会長は、2009-10年度の賦課金計画において相当な下落があることは認めたが、さらなる賞金削減を行うかどうかの決定はなされていないと述べた。4月に支出削減を発表したときには、同会長は手立てを講じる必要はないだろうと述べていた。

 同会長は、「まだ最終的な数字が出ていませんが、大幅な減少があったように思われます。私たちはこれをどうするかの案をひねり出していきます。最終的な 数字は6月上旬まで出ません。私たちは2009-10年度の賦課公社の監査会計が諮られる役員会を6月8日に行い、その段階で5月31日までの 2009-10年賦課金計画の実績を知ることになるでしょう」と述べた。

 また、ディクソン会長が競馬界は危機にあると表現したことは正しいかと聞かれて、アースキンクラム会長は、「ディクソン氏は、率直な物言いをします。私 は最終的な数字が出されて監査され、役員会においてどう対処するか決定されるまで、いかなるコメントも慎む所存です」と述べた。

 

By Jon Lees
(1ポンド=約140円)


[Racing Post 2010年5月22日「Dixon: racing ‘in a crisis’ after levy fall」]
[Racing Post 5月23日「BHA chief adds voice to ‘crisis’ fear over levy」]


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