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海外競馬情報
2010年06月25日  - No.12 - 1

フレキシ馬券の導入に良好な反応(イギリス)【開催・運営】


 トート社(Tote)は5月12日、新しいフレキシ馬券の発売を開始した。当面競馬場での発売に限定されるものの、この試みが成功を収めれば、近い将来インターネットとベッティングショップにおいて購入できることになっている。

 トート社の役員たちは5月12日夜、5競馬場での購入状況を計算していたが、同社のスポークスマンであるジョージ・プリマローロ(George Primarolo)氏は、試行の結果が期待値を上回ったことを示唆し、「考えていたより多く売上げました」と語った。

 現時点でフレキシ馬券は、トートエグザクタ(toteexacta 馬単)、トートトライフェクタ(totetrifecta 3連単)そしてトートス ウィンガー(toteswinger ワイド)に限られるが、賭事客は、自分に見合った支払金額の範囲内で望む馬に何頭でも賭けることが出来る。

 最低発売金額は2ポンド(約280円)に設定されるが、競馬場来場者は今や1つの組合せの賭けに対して1ペンス(約1.4円)単位で賭事を楽しむことが できる。1つの組合せに対するパーセンテージは馬券に表示され、的中すれば顧客は1つの組合せに対して1ポンド(約140円)を支払った場合の払戻金を、 このパーセンテージ分だけ受け取ることができる。

 例えば3連単馬券で5頭を選び1〜3着までの組合せを60通り作った場合、1通りにつき1ポンド(約140円)とすると、購入総額は60ポンド(約 8,400円)となる。一方フレキシ形式で5ポンド(約700円)の3連単馬券は、60通りの組合せを作った場合各組合せに対する賭金は8.33ペンス (約11.7円)に相当し、的中すると本来の払戻金の8.33%に相当する金額を受け取る。

 トート社のCEOであるデヴィッド・クレイヴン(David Craven)氏は、「私たちはフレキシ馬券の発売を開始することにわくわくしており、これが初心者やベテランの賭事客のあいだで人気を博すことに自信を持っています」と述べた。

 同氏は次のように続けた。「これは、トート社の賭事の利用しやすさと使いやすさにおいて飛躍的転換を意味します。フレキシ馬券は、私たちのIT基盤への 大きな投資の結果であり、我が社のシステムを国際的な賭事運営者との間で調和させようとする努力を示しています。このことは将来フレキシ馬券のコミングリ ング(国際共同投票プール)を容易にし、一連の馬券の売上げを上げる原動力となるでしょう」。

 「フレキシ馬券を場外馬券売場にも拡大することが意図されており、他のタイプの馬券にもフレキシ形式を適用する可能性があります」。

 ヨーク競馬場のトート社で馬券を購入した賭事客は5月12日、良好な反応を示した。リーズからやって来たイアン・ブラウン(Ian Brown)氏は、「私はフレキシ馬券を気に入りました。これまでのマルチ馬券は少し高すぎましたが、少なくともこの方法により、賭けたい馬に賭けること ができます」と語った。

 ニューキャッスルからやって来たジョン・スペンスリー(John Spenceley)氏は、「私はこの馬券を理解しようとしているところですが、実に面白そうです」と述べた。

 リンカーンからやって来たルース・カンドール(Ruth Cundall)氏は、「好みの金額でより多くの馬を選ぶことができるので良いアイデアだと思います」と語った。

 

By Graham Green

トート社、フレキシ馬券発売後の一週間に満足

 トート社の新しいフレキシ馬券は、発売されてから1週間で2,500枚以上を売上げた。そしてトート社はこの反響に勇気づけられ、この馬券がベッティングショップとインターネットでも購入できるよう道筋をつけるだろう。

 フレキシ馬券は馬単、3連単およびワイド馬券に限り適用され、競馬場での発売に限定されていたが、発売後1週間において1万5,000ポンド(約210万円)をわずかに下回る売上げを記録し、これは発売対象となったレースの場内馬券売上げの約5%を占めた。

 フレキシ馬券の中で最も人気のあったのは、その売上げの60%以上を占めていた馬単馬券である。

 フレキシ馬券により普段の馬券購入法を変えざるをえなくなる賭事客もいるということを意識して、トート社は、この形式導入のために顧客向けガイドを作成 し、競馬場を訪れる競馬ファンに配布した。その中には5ポンド(約700円)のフレキシ馬券を2ポンド(約280円)引きにする割引券が含まれていた。

 さらに、この1週間にフレキシ馬券を5ポンド(約700円)以上購入した賭事客には、5,000ポンド(約70万円)相当の行楽クーポンが当たる抽選券が配られたほか、特定の競馬場においては、この馬券の販売促進のためにビール用特製コースターが作成された。

 トート社のCEOであるクレイヴン氏は、「賭事客のフレキシ馬券に関する意見は、非常に勇気づけられるものです」と語った。

 同氏は次のように続けた。「私たちは馬単、3連単およびワイド馬券の場内売上げの約5%がフレキシ馬券であったことに大変満足しています」。

 「私たちのチームはすでに、計画の第2段階であるフレキシ馬券のベッティングショップ発売およびインターネット発売に向けて取組んでいます」。

 

By Jon Lees
(1ポンド=約140円)


[Racing Post 2010年5月13日「Positive reaction to Tote’s flexi bet launch」]
[Racing Post 5月20日「Tote happy with first week on flexi betting」]


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