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TOPページ > 海外競馬情報 > インターネット賭事市場開放法案可決(フランス)【開催・運営】
海外競馬情報
2010年05月28日  - No.10 - 1

インターネット賭事市場開放法案可決(フランス)【開催・運営】


 フランス宝くじ公社(Francaise des Jeux)とPMU(フランス場外馬券発売公社)の数十年間にわたる市場独占の後、2010年4月6日、フランスにはゲーム賭事、競馬賭事、他のスポーツ 賭事およびポーカーを自由化する新しい法律が生まれた。賛成派と反対派の間で曲折のあった1週間の論争を経て、下院に相当する国民議会において、賛成 299票、反対243票で承認されたこの法案は、インターネット賭事のみに関係する。この法案は従来からの賭事業者2社に、フランス国土全体に広がる彼ら のネットワークを通してこれまでの市場において優遇されていた地位を保護する。自由化を常に気に掛けている欧州委員会(Commission europeenne)が発端となったこの法案は、2010年2月24日に上院に相当する元老院で承認された。スポーツ賭事コンサルタントのフランシス・ メルラン(Francis Merlin)氏によれば、海外賭事業者を含む将来フランスでの営業を目指す賭事業者は、50億ユーロ(約6,500億円)と評価され20〜25%の成長 が見込まれるたぐい稀な市場をにらんで自由化を待ち望んでおり、競馬界に恐れとPMU店舗網に大きな不安を引き起こしている。シュヴァルフランセ (Cheval Francais フランス速歩協会)の技術部長であるジャック・シャルティエ(Jacques Chartier)氏は、「3年前から市場開放は念頭にありました。私たちは自由化を望んでいませんでしたので、渋々受け入れることになります」と述べ た。同氏は違法市場と闘う必要性を思い返し、政府が市場開放を延期させるかもしれないと予測していた。この考えは、200ヵ所を下らない修正案を提出して 投票日を延期させることを企てた左派により共有されていたが、与党は元老院で承認された法文書を修正することを拒否し、結局この修正案は1つも採用されな かった。

 PMU店舗組合の連合会の会長イヴ・オジゾー(Yves Augizeau)氏が、この法案の承認は多くのPMU店舗が消滅する前兆であると述べたように、バーとタバコ売場を兼ねた馬券売場であるPMU店舗の店 主たちも市場開放の延期を強く願っていた。ユール・エ・ロワール県にあるPMU店舗の店主は、「もはや公共の建物内でタバコが吸えなくなった私たちの顧客 が、PMUでグラスを傾けることもなくなり、家にいて友人と気ままに楽しみインターネットで直接馬券を買う未来に向かうかは誰にも分かりません」と思い 煩った。

 事態に前向きに取り組む必要性を強調するシャルティエ氏は、法律の新たな現実に直面し、「重要なことはPMUが競馬において最大の賭事業者であり続ける ように仕向けることです。売上げを堅調なものにするためにすべてに備えます」と述べた。PMUは実際、1年以上前から人材、手段および賭事商品を強化しこ の変更に備えており、2009年に賭事客へのサービス向上とインターネット賭事市場開放に配慮し情報処理と賭事処理の作業班を充実させた。またPMUは 2009年11月、インターネット上のスポーツ賭事商品を発展させるためにアイルランドのブックメーカーであるパディパワー社(Paddy Power)と提携関係を結んだ。パディパワー社は固定オッズと危機管理を担当するだろう。一方でPMUは最近、賭事対象レースと賭事商品を次第に増加さ せている。すでにいくらかの成功を収めている5連単・5連複の最低馬券発売額を半分にした馬券はその例の1つであり、新たにシンプルな賭事商品が開発段階 にある。賭事対象レースに関しては、3開催ある月曜日、夜間開催と薄暮開催および11時に早められた日曜開催が賭事客の選択肢を広げた。PMUの現在の対 処に満足するオジゾー氏は、「人々が自由に馬券を買うことの出来る時間帯にPMU店舗を活気づけることが出来るので、私たちにとっては有り難いことです」 と述べた。

 賭事商品を多様化し活気を与えることは、馬券売上げが競馬賭事の停滞をもたらす経済不況からの損害を免れなかったので、高く評価されている。PMUの 2009年の売上げは93億ユーロ(約1兆2,090億円)で、前年に対しわずか0.4%の増加であった。この売上げにおいてインターネット賭事はすでに 7%を占めており、7億5,000万ユーロ(約975億円)の売上げを達成した。PMUのフィリップ・ジェルモン(Philippe Germond)会長は、この売上げが今後2年間で10億ユーロ(約1,300億円)以上になるはずであると予測している。

 PMUの広報担当は、「PMUは市場開放に際し、顧客を引き止めておくべく豊富な種類の賭事を提供するために、スポーツ賭事とポーカーも扱う業者となることを志願すると表明しました」と説明した。

 PMUの調査によれば、インターネットを利用して馬券を購入する顧客の30%がすでにスポーツ賭事を行っており、さらに3分の1がスポーツ賭事に興味を 持っていることを示した。PMUの広報担当は、「スポーツ賭事は若い顧客の興味を惹いており、どの業者を通しても税率は同じですので、私たちの顧客層は一 新される可能性があります」と付言した。シャルティエ氏は、「PMUがスポーツ賭事とポーカーに手を広げることは、新規の顧客を逃さないために必要不可欠 です。しかし顧客が非常に流動的であることも覚えておくべきでしょう。したがって競馬賭事の分野を競争相手に晒しておくままにしないよう、賭事対象レース を拡大して供給を増加させることが重要です」と付け足した。例えばサッカーの重要イベントがある時には、競馬場の入場者数は普段の半分以下にしかならな い。シュヴァルフランセの代表は、「サッカーワールドカップのとき、私たちが顧客の大部分を失ってしまうことは覚悟しています」と語った。

 競馬賭事のもう1つの懸念は、ライバル会社が広告を行うために使う財力に向けられている。メルラン氏は、「新しいサイトの立ち上げに際し、2億ユーロ (約260億円)もの広告費が拠出されなければならず、2010年〜2012年には7億5,000万ユーロ(約975億円)の広告費が必要となるでしょ う」と語った。実際、競馬賭事とポーカーはそれほどではないとしてもスポーツ賭事においてはサイトが飽和状態となり、大きな広告キャンペーンでしかその賭 事業者の存在を伝えることができないと予想されている。賭事提供を行うのは、インターネット賭事統制機構(Autorite de régulation des jeux en ligne: ARJEL)で免許を付与された賭事業者に限られるが、国が違法市場と闘う能力は不十分であるとして、違法賭事業者の侵入を畏怖する者もいる。シャルティ エ氏は、「私たちには、顧客を惹きつけるためおそらく10%〜15%上回る払戻率を提案すると考えられるこれらの違法サイトに対して、国が闘いを挑むとい う保証はありません」。いずれにせよ、PMUが今後発展するという見通しの中で、競馬関係者たちは皆PMUの究極の目的が損なわれないよう主張している。 その究極の目的とは、競馬界への資金提供である。PMUの広報担当は、「2011年と2012年の私たちの売上げの90%は、競馬賭事から来るものとなる でしょう」と述べた。経済利益団体(GIE)であるPMUの2009年の純利益は7億4,000万ユーロ(約962億円)であり、そのうち80%に相当す る金額がフランスの馬産業のために再配分された。

 

By Patricia-M. Colmant

大いなる賭け

 過半数の賛成で、法案は認可された。話題となっているインターネット賭事市場開放に関する法案は4月6日、政府が望んだとおり下院に相当する国民議会で の第2回目の読会において可決された。“サルコジ大統領の支持者”に役立つように法律を制定するのは緊急のことではないと見なし、投票日を遅らせるために なされた努力もむなしく、反対派は結束した多数派に敗れた(賛成票299、反対票233)。2010年6月11日に開幕するサッカーワールドカップにおい て、これまでの独占企業であるフランス宝くじ公社とPMUは、新参賭事業者と初めて合法的に激戦を繰り広げる。3つの部門(スポーツ賭事、競馬賭事、ポー カー)に関連する免許は、約150件発行される。なお競馬賭事において免許を申請した賭事業者は、これら3部門において活動するPMUのほかには、10社 あまりに限られるだろう。

 インターネット賭事市場開放という“賭け”は、すべての関係者にとって重大なものである。まず政府は、“賭事の量”に賭けて税率の引き下げを決心した。 その目標は、少なくとも50億ユーロ(約6,500億円)の間接的な収入を確保することである。従ってフランス人は、以前とほぼ同額の間接税を支払うため にはいっそう賭事に励まなければならず、このことは賭事依存症の危険性を生むのではないかと危惧されている。

 競馬界は、心配の芽は摘まれているにしても新しい世界への入り口に立っている。PMUには実際、その店舗のネットワークと大量の賭事受付能力を有してい ることでライバル企業に対してすでに重大な優位性がある。しかし、ライバル企業もまた7.5〜9%の負担金を支払うので、競馬界の一般利益に干渉してくる だろう。この観点から見れば、PMUにとって新参賭事業者はもはや競争相手であるだけではなく、お互いに協力者であるとも考えられるだろう。一方ですべて の競馬関係者は、現在直面している大きな危機から競馬を救うために、創意工夫、独創性、粘り強さを発揮しなければならない。危機とはすなわち、新たな競馬 賭事客を作り出すことに苦心している上に、単純で理解しやすく人気のあるスポーツ賭事やポーカーに誘惑された常連客を逃す可能性があることである。世界中 が羨むフランス式競馬の存続は、よりいっそう競馬を愛してもらうことに掛かっている。

 

By Francois Hallope
(1ユーロ=約130円)


[Paris Turf 2010年4月7日「Le PMU pret a payer pour suivre」「Grands enjeux」]


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