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TOPページ > 海外競馬情報 > 生産のグローバル化を映し出すブリーダーズカップ(アメリカ)【開催・運営】
海外競馬情報
2009年10月30日  - No.21 - 1

生産のグローバル化を映し出すブリーダーズカップ(アメリカ)【開催・運営】


 2008年の欧州勢によるBC制覇は、サラブレッド生産における世界規模の変化を反映している。

 レイバーデイ(9月の第1月曜)の競走結果によって、レイチェルアレクサンドラ(Rachel Alexandra)は年度代表馬のタイトル争いで優位に立った。そのタイトル争いの舞台は、オークツリー競馬協会(Oak Tree Racing Association)が11月6日〜7日にサンタアニタ競馬場で開催するブリーダーズカップ(Breeders’ Cup World Championship)に移り、競馬ファンは固唾をのんで見守っている。

 ジェフ・ロウ(Jeff Lowe)氏がトップ記事『ブリーダーズカップ、キックオフ』に著わしたように、英国および愛国の調教馬は、史上初めてサンタアニタ競馬場のプロライド馬 場(人工馬場)で施行された2008年のブリーダーズカップで大成功を収めた。2009年も欧州の調教師たちは、その大半を米国の生産者、種牡馬所有者お よび競走馬馬主が拠出する2550万ドル(約25億5000万円)の賞金にありつこうと舌なめずりをしている。

 2008年に欧州調教馬23頭は大西洋とアメリカ大陸を横断して、もう1頭は南アメリカからカリフォルニア州のサンタアニタ競馬場に向かった。そして彼 らの多くは十分な賞金を得た。2日間にわたり施行されたブリーダーズカップ14競走において、14頭の欧州馬が賞金小切手を手にし、そのうち5頭が優勝し た。

 当然、欧州陣営はこの競走成績に大いに満足したが、米国の生産者のなかには、ブリーダーズカップは自分たちが賞金を拠出しているのに欧州勢に荒らされてしまったと、をぶちまける者がかなりいた。

 欧州勢は賞金額が最高である2レース、すなわち458万ドル(約4億5800万円)のBCクラシック(G1)および274万8000ドル(約2億7480万円)のBCターフ(G1)で優勝したほか、2日目の看板イベントも勝利したので、米国人の苦痛は強烈であった。

 牝馬のレースが集中する第1日(金)に続く10月25日(土)は、欧州陣営の3歳牝馬ゴルディコヴァ(Goldikova)がBCマイルを勝利しなければ、“牡馬の日”と名づけることができたかもしれない。欧州からの侵略者はまた、BCジュヴェナイルターフも制した。

 芝血統の馬にわずかに有利に働くように見られている人工馬場に、多くの米国人は不満をつのらせた。しかし、欧州馬が第1日目の金曜日の競走においてまったく勝馬を出さなかったことにもまた注目すべきである。

 しかし、米国人の不満を考慮してブリーダーズカップを人工馬場で施行しないこととする様な不正な作戦変更をする前に、若干の事実と傾向が考慮されるべきである。

 すなわち、欧州の勝馬のすべてが米国人には知られていない種牡馬を父としているわけではない。

 特にBCクラシックの勝馬レイヴンズパス(Raven’s Pass)の父馬エルーシヴクオリティー(Elusive Quality)は、ケンタッキー州のストーナーサイド牧場(Stonerside Stable)で生産された。現在エルーシヴクオリティーは、ダーレー牧場に繋養されており、その産駒には米国のダート競走の2冠馬であり2004年の3 歳チェンピオン牡馬である優良馬スマーティージョーンズ(Smarty Jones)がいる。また、エルーシヴクオリティーは最近亡くなったアメリカの種牡馬ゴーンウエスト(Gone West)を父馬とするれっきとしたアメリカ血統馬である。ちなみにレイヴンズパスの母馬の父馬はロードアットウォー(Lord At War アルゼンチン産)であり、このことは南米のブルードメアサイアーの優秀性を浮き彫りにした。

 BCクラシックで2着に終わったヘンリーザナヴィゲーター(Henrythenavigator 英・愛2000ギニー馬)の父馬は、ケンタッキー州のレーンズエンド牧場(Lane’s End)で大きな成功を収めたキングマンボ(Kingmambo)である。キングマンボはフランスのクラシック勝馬であり、またミスタープロスペク ター(Mr. Prospector)の血統とずば抜けた優良馬ミエスク(Miesque 米国に2度遠征し1987年と1988年にBCマイルを制した)の血統を併せ持つ。

 今年BCターフに2度目の挑戦をし、ミエスクと張り合うことになるかもしれないフランスのゴルディコヴァについていえば、その父馬は3度米国の最優秀種 牡馬となったダンジグ(Danzig)の産駒アナバー(Anabaa)である。なおダンジグの父馬は、世界のサラブレッドの血統に大きく貢献した小柄の ノーザンダンサー(Northern Dancer)である。

 つまり、ブリーダーズカップの2008年の結果は、連続体(アメリカ血統の流布)の一部と言えるだろう。第2次世界大戦の直前直後の数年間に、欧州の血 統は米国に輸入され大きな成功を収めた。過去数十年間に、アメリカ血統が世界中で頭角を現した。ブリーダーズカップの勝馬は、良質なサラブレッドが生産さ れるあらゆる国の優れた血統を誇示し合っているのかもしれない。

 

By Don Clippinger
(1ドル=約100円)


[Thoroughbred Times 2009年9月19日「An evolving Breeders’ Cup」]


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