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TOPページ > 海外競馬情報 > ヴェルメイユ賞でのダーレミ降着に関する議論(イギリス)【開催・運営】
海外競馬情報
2009年10月16日  - No.20 - 1

ヴェルメイユ賞でのダーレミ降着に関する議論(イギリス)【開催・運営】


 英仏関係は順調なときにおいてすら壊れやすいものであるが、この関係 は9月13日ロンシャン競馬場で明らかに悪化した。ダーレミ(Dar Re Mi)は、プリティーポリーS(G1)とヨークシャーオークス(G1)に優勝し、3連続G1勝利を目指し、ヴェルメイユ賞にのぞんだが降着とされた。この 結末に、同馬の馬主は、「英国のフェアプレイ精神はフランス人に無視された」と怒りをあらわにした。

 英国から遠征したダーレミは、スタセリタ[Stacelita フランスオークスでの驚異的な優勝のあとザルカヴァ(Zarkava)の確実な後継者といわれた]をクビ差で差したが、約30分後に1着から5着に降着と された。この成り行きに、ダーレミの馬主であるロイド=ウェバー(Lloyd-Webber)男爵夫妻は唖然とした。

 それまで大喜びしていたロイド=ウェバー男爵夫人は裁決委員の決定に激怒した。夫人の憤激とは非常に対照的に、スタセリタの馬主マーティン・シュワルツ(Martin Schwartz)氏はダーレミの降着を支持し、「ハッピーだ」と喜びをあらわにした。

 審議とする旨の場内放送があったとき、誰も勝馬ダーレミ[ジョン・ゴスデン(John Gosden)調教師の管理馬]が関係しているとは思わなかった。

 しかし、4歳の英国産馬ダーレミのジミー・フォーチュン(Jimmy Fortune)騎手が裁決委員室に缶詰になり、真正面から撮ったビデオで、ダーレミが最終300 mで内柵に向かって切れ込みドイツ馬ソベラニア(Soberania)の進路をふさいだ様子が映し出された。これにイギリス陣営の緊張はにわかに高まっ た。

 裁決委員は、(1) フォーチュン騎手の進路の取り方が2日間の騎乗停止処分に相当し、さらに、(2) スタセリタ(2位入線)の走行妨害はしていないが、ダーレミの着順をソベラニア(5位入線)の次に下げる(降着)に足るものと裁定した。裁決委員の降着決 定でがっかりしていたロイド=ウェバー男爵夫人は理由を知って不満と不信をあらわにした。夫人を慰めるために男爵が最初に発した言葉は、「残念だね」で あった。

 夫人は次のように語った。「何が起こったのか理解できません。私たちは多分、もう二度とフランスには来ないでしょう。こんな気まぐれが起こりうると知って、誰が自分の優良馬をフランスのレースに出走させたいと思うでしょうか?」

 「誰が見てもダーレミは正攻法で勝っています。最強牝馬が勝ったのに、ヴェルメイユ賞を勝たなかったことが彼女の戦歴に残るのはかえすがえすも残念です。(訳注:ダーレミの母ダララ(Darara)は同賞を制しており、母子2代制覇はダーレミ陣営の念願であった)」。

 「これがきわどい決定であったなら、“まあいいか(Fair enough)”と冗談も言えたでしょう。しかし、冗談ではありません」。

 さらに、「私たち英国人は、フランス競馬を信用してきているのだから、フランスは公正であるべきです。(フランスギャロの裁定委員会に)上訴する手もあ りますが、抗戦しても甲斐がないでしょう。もちろんまたここで馬を出走させるでしょうが、今はただ、本当に腹が立っています」と付言した。

 同じく困惑していたのはフォーチュン騎手で、「一番強いダーレミが勝ったと思っていたので、本当にがっかりしました」とだけ述べた。

 しかしシュワルツ氏は、最強馬はスタセリタであると確信しており、「今日は記念すべき日です。レースの後、ケンタッキーの友人と話しました。たぶんダーレミは降着にならないだろうと言う友人に、私は反則は反則だと言い返しました」と語った。

 また、「私は複雑な心境などと言うつもりはありません。悪い気持ちではないし、嬉しいです」と付言した。

 

By Lee Mottershead



バリー調教師、英国馬の降着を“屈辱”と非難

 最近フランスのG1競走において管理馬が降着となった経験を持つパスカル・バリー(Pascal Bary)調教師は9月13日、ヴェルメイユ賞でダーレミを降着にした決定は“屈辱”であると述べた。

 2006年のフランス1000ギニー(G1)において、バリー調教師の管理馬プライスタグ(Price Tag)は1位入線のあと3着に降着とされた。バリー調教師は、「ダーレミが1着から5着降着にされたのは屈辱です。ふざけています」と述べた。

 英国とフランスの間において走行妨害のルールは大きく異なっており、またしてもルールの統一を求める声が上がるだろう。

 フランスのルールは、走行妨害を受けた馬が賞金獲得のチャンスを失ったと裁決委員が見なしたときは被害馬の後に降着になると定めている。つまり、もしソ ベラニアに対する走行妨害がなければ、同馬が5着より前に入着したであろうとみなした場合に、ジミー・フォーチュン騎手が騎乗していた加害馬ダーレミは降 着とされ、ヨアン・ヴィクトワール(Johan Victoire)騎手が騎乗していた被害馬ソベラニアの後の着順となる。

 英国ではそれに反して、BHA(英国競馬統括機構)はルールを次のように定めている。「加害馬(ダーレミ)が走行妨害によって被害馬(ソベラニア)より 先着できたか、その可能性を検討し、裁決委員が可能性ありと判断した場合、着順は変更される。そうでなければ、着順は変更されない」。

 ダーレミの馬主であるアンドリュー・ロイド=ウェバー男爵は、「素晴らしい日が台無しになりました。フランスでこのようなことが起きたのはこれで2度目です。3度目がないことを祈ります!」と述べた。

 この日はまた、ディラントーマス(Dylan Thomas)が勝った2007年凱旋門賞の記憶が蘇った。同競走では裁決委員が勝馬による走行妨害が5位入線のソルジャーオブフォーチュン [Soldier Of Fortune ディラントーマスと同じくエイダン・オブライエン(Aidan O’Brien)調教師の管理馬]にほぼ間違いなく被害を与えたにもかかわらず結果が変更(降着)されないことを発表するまで約25分かかった。

 面白いことに、ヴェルメイユ賞の裁決で得したスタセリタが凱旋門賞に追加登録するための費用は10万ユーロ(約1300万円)で、これはヴェルメイユ賞の1着と2着の賞金の差額に相当する。

 パディーパワー社(Paddy Power)は同社から馬券を買った賭事客には、ダーレミとスタセリタいずれの馬券に対しても払い戻しを行った。まさに“塞翁が馬”である。

 

By Desmond Stoneham
(1ユーロ=約130円)


[Racing Post 2009年9月14日「Fury as Dar Re Mi demoted to fifth in Prix Vermeille」]
[Racing Post 2009年9月14日「Bary slams disqualification of British raider as ‘a disgrace’」]


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