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TOPページ > 海外競馬情報 > 生産者、1歳馬ボーナス賞金を拠出(イギリス・アイルランド)【開催・運営】
海外競馬情報
2009年08月21日  - No.16 - 1

生産者、1歳馬ボーナス賞金を拠出(イギリス・アイルランド)【開催・運営】


 6月11日、英国競馬統括機構(British Horseracing Authority: BHA)のポール・ロイ(Paul Roy)会長は、“レーシングポスト1歳馬ボーナス(Racing Post Yearling Bonus)”という企画を支持し、“自助努力の模範”と賞賛した。

 この企画を立ち上げたのは、イギリスとアイルランドの1歳馬の売り手である。具体的には、(1) 1歳馬セリで購買された馬が、2010年に施行される特定の2歳馬未勝利競走で勝った場合に、ボーナス賞金1万ポンド(約170万円)を馬主に支払うことによって、(2) 馬主に購買費の一部を取り戻すチャンスを与えることを目的としている。

 売り手たちは、ボーナス賞金の基金に200万ポンド(約3億4000万円)を拠出することを目標としている。レーシングポスト紙(Racing Post)はこの企画をメディアパートナーとして支援している。

 ロイ会長は次のように語った。「経済状況が厳しい折ですから、生産者も自助努力が肝要です。素晴らしい構想です。英国サラブレッド競走馬マーケティング(British Bloodstock Marketing 訳注:関係団体の代表者で構成する販売促進会議)でもこの企画を支援します。この革新的な企画によって、新たな馬主が競馬界に参入し、1歳馬セリが盛況になることを期待しています」。

 馬主たちも、6月11日のレーシングポスト紙で全容が明らかになったこの企画を支持した。馬主協会(Racehorse Owners' Association: ROA)の会長であり、ホースメン・グループ(Horsemen’s Group: HG)の会長でもあるポール・ディクソン(Paul Dixon)氏は、次のように語った。

 「私はこの企画について牧場マネージャーのデヴィッド・レッドヴァース(David Redvers)氏と密接に連携しています。ROAとHGはこの企画を検討する際に多くの提案をしました。私たちは生産者の自助的な企画に全面的に協力します。現在の経済状況においては、ボーナス賞金で1歳馬セリへの参加と購買を奨励する企画は、馬主と生産界に歓迎されます」。

 レッドヴァース氏はこの企画を“調教師にとって強力な武器となる”と考えており、ミーズを拠点とするガー・リヨンズ(Ger Lyons)調教師は6月11日、この考えを支持し、「これは素晴らしい刺激策であり、自助努力の模範です。今年の競走馬価格は、買いやすい水準になるでしょう。この企画によりさらに馬の販売が促進されるでしょう」と述べた。

By Jon Lees

1歳馬ボーナス賞金の企画、Q&A


“レーシングポスト1歳馬ボーナス(Racing Post Yearling Bonus)”について、企画委員会の副会長でアイルランド代表のジョン・オズボーン(John Osborne)氏は、本紙の取材に応じ次のように説明した。

[訳注:オズボーン氏は、キルデア郡にティッパーハウス牧場(Tipper House Stud)を所有している]


レーシングポスト紙(以下: Q): この計画の構想を得たのはいつですか?
 
オズボーン氏(以下: A): 2009年1月に売り手の間で検討が始まりました。
 
Q:  構想が生まれた背景は何ですか?
 
A:  (1) ブリーズアップ・ボーナス賞金の成功、(2) 2010年1歳馬セールへの懸念および、(3) イギリスおよびアイルランドの現行の賞金レベルが他の先進競馬国の賞金レベルより低いために、好成績の馬主が不利益を受けていることに報いたいという願望です。
 
Q:  どのような方々が検討に参加したのですか?
 
A:  イギリスおよびアイルランドから多数のさまざまな売り手が参加しました。
 
Q:  検討の模様をこれまで耳にしていません。その理由は?
 
A:  議論はオープンで率直なものでしたし、多様な意見がありました。公開討論会を開こうとしたのですが、関係団体のほとんどが満足できる成案には至らないと判断し、結局しっかりとコンセンサスを形成するのがより重要ということになりました。具体的には、セリ会社の支持、そしてサラブレッド生産者協会(Thoroughbred Breeders’ Association: TBA)とアイルランド・サラブレッド生産者協会(Irish Thoroughbred Breeders’ Association)の正式な支持を得て、そのうえで売り手に対して構想を承認するか拒否するかを問いました。
 
Q:  それは売り手にとって公明正大でしたか?
 
A:  わずかな時間で実行できる企画を提示することが最善であると考えました。もっと“民主的”な代替案もあったでしょうが、それを採用しても時間切れで、2009年には実施できなかったでしょう。
 
Q:  時間をかけることはできなかったのですか?
 
A:  そのような提案もありました。しかし、たとえ企画に賛成しない売り手がいたとしても、この企画には推し進めるだけの価値があると思います。もし1歳馬からの登録が目標を達成できなくても、また来年に挑戦する覚悟ができていました。しかし事がうまく運び、各方面から圧倒的な支持を受けました。
 
Q:  売り手の参加見込みはいかがですか?
 
A:  7月1日のDBSセントレジャー1歳馬セールと7月15日の他のセールの締切までに詳細が明らかになるでしょう。目標とする1歳馬2000頭に到達し、おそらくそれを超えることになるというのが、私たちが得た感触です。
 
Q:  どのような計算になりますか?
 
A:  売り手は、予め250ポンド(約4万2500円)を支払い、さらに売却時に売上げから250ポンド(約4万2500円)を支払うことを誓約して、1歳馬を登録します。買い手(end user)はボーナス賞金を受け取る資格を保持するために250ポンド(約4万2500円)を支払います。つまり1歳馬1頭につきこの企画に750ポンド(約12万7500円)が拠出されます。これにより、1万ポンド(約170万円)のボーナスを、指定された未勝利レースの勝馬の馬主延べ150人に提供します。
 
Q:  この指定未勝利レースはどの競馬場で施行されますか?
 
A:  ボーナスは競走距離に関係なく、イギリスとアイルランドの大半の競馬場で施行されている既存のレースに適用されます。これ以外の国のレースもいくつか対象とします。目標は取引を活性化することです。1歳馬を最大限取り込みたいですし、あらゆる人々に何らかのメリットがあるようにすべきだと考えていますので、4月の1000 mの未勝利レースも対象とします。しかし、多くの1歳取引馬が遅くまでデビューしないという現実を考慮して2歳馬シーズン後半の未勝利レースもボーナスの対象とします。
 
Q:  3歳馬に関してはいかがですか?
 
A:  2歳馬のレースだけを対象にするという意見もありましたが、3歳馬シーズン初めの未勝利レースを少し対象とするつもりです。このことであらゆる1歳馬がボーナスを受け取るチャンスを得られます。
 
Q:  ブリーズアップ・ボーナス賞金のような早い者勝ちでボーナスを支払う方が良いとは思いませんか?
 
A:  それに賛成する人もいますが、大半は反対しています。ボーナスが早熟な2歳馬だけに支払われるということなら、登録により拠出される基金はずっと小さくなり効果を期待できません。基金が大きくなればなるほど、皆にとって良いものとなります。私たちが希望するのは、より多くの1歳馬が登録されることです。忘れてはならないのは、わずかな金額の登録料が積み上がってボーナスになるということです。
 
Q:  それではボーナスはどのように割り当てられるのですか?
 
A:  90%のボーナスを2歳馬を対象に割り当て、2010年の1歳馬セールに最大限の影響を与えようと思います。したがって、大半のボーナスは2010年の1歳馬セールの前に割り当てることになります。もちろん、シーズン後半の未勝利レースにもボーナスを割り当てます。ボーナスは競走距離にかかわらず均等です。ボーナスをできるだけ多くの競馬場に配りたいと思っています。
 
Q:  それは複雑であるように思えますが、他に単純な方法はなかったのですか?
 
A:  できる限り多くの1歳馬をひきつける必要があり、市場のあらゆる分野の馬主を報奨する必要があります。それゆえ、ボーナスを均等に配布することを心がけることに意味があります。セールまぎわの2010年の夏には吉報が届くでしょう。ボーナスの大半はそれまでに割り当てられるでしょう。
 
Q:  オーナーブリーダーに関してはいかがですか?
 
A:  今年は、1歳馬セールに焦点を合わせます。取引を活性化させる必要があります。将来、この企画は拡大するかもしれませんし、今年の取り組みは将来の立派な取り組みのための基礎にすぎません。この企画はサラブレッド生産界と競馬界全体の支援をうけて成長し発展するでしょう。
 
Q:  なぜ馬の価格に比例してボーナスを支払わないのですか?
 
A:  それも検討しましたが、売上げ額に応じて会費を徴収し財源とするサラブレッド生産者協会(TBA)の運営を妨げるでしょうし、抵抗も受けるでしょう。TBAの財政基盤を崩すおそれもあります。私たちは常に分裂を避け、支援を得られるよう努力してきました。
 
Q:  北米のブリーダーズカップ社(Breeders’ Cup Ltd.)は異なった取り組みをしています。なぜそれを踏襲しなかったのですか?
 
A:  ブリーダーズカップでは当歳登録します。ブリーダーズカップには巨額の資金を拠出する仕組みがあり、その基金でBC開催を支援するだけではなく、広範囲にわたるBCステークスプログラムを後援し、それらの競走の品質を高めています。彼らの偉業を真似ることも素晴らしいでしょうが、今年は、取引活性化策に集中すべきだと思います。
 

(1ポンド=約170円)

[Racing Post 2009年6月12日「BHA chief endorses Post owners’ scheme」]
[Racing Post 2009年6月26日「‘The aim is to stimulate trade and to offer something for everyone’」]


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