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海外競馬情報
2008年03月07日  - No.5 - 3

BHA、レーティングにより低質馬を排除する計画(イギリス)【開催・運営】


 英国競馬統括機構(British Horseracing Authority: BHA)は2月4日、レーティング40以下の競走馬の排除を検討していることを明らかにした。これにより2009年イギリスの平地競走の低質馬にはレッド カードが提示されることになるかもしれない。

 平地競走の底辺レベルの競走馬を出走禁止にするかどうか、BHAの委員会がここ数ヵ月のうちに決定するだろう。決定されれば、2009年に新しいルールが発効することになる。

 最新のデータをもとにすれば、353頭が競走から排除されることになろう。

 2007年5月から開始されている戦略見直しへの提案の中にもこの課題に言及するものがあるが、実はこの課題はそれ以前からBHAで議論されていた。

 BHAが最低レーティングの導入を決定すれば、イギリス競馬はアイルランド(最低出走資格レーティングを45とする規定を導入した)に続くことになるだろう。

 BHAの広報担当ウィル・ラム(Will Lambe)氏は、「最低レーティングのルールについてはまだ何も決定されていません。しかし、このような措置が戦略見直しの一環として検討されるのはまったく自然な成り行きです。この課題はすでに検討中でしたが、このことについて検討してほしいという要請が多数寄せられました。勧告は3月に公表され、これを受けてBHAの委員会は見直しを図ることになるでしょう」と述べた。

 レーティング40以下の競走馬を排除することは、調教師全国連合会(National Trainers’ Federation: NTF)の地方会合ですでに議論されており、NTFのルパート・アーノルド(Rupert Arnold)専務理事は2月4日、この提案に大変積極的であった。

 同氏は、次のように述べた。「当然のことですが、管理馬のうち低質馬の割合が大きい調教師たちがおり、そのことに留意しなければなりません。しかしながらこの問題を議論する場合、調教師たちは一貫して競馬産業はできるだけ最高の質を求めることを目標としなければならないと考えています。私はこれが正しいアプローチだと思いますが、関係者に適応する時間を与える必要があります。レーティング40という数字はスタートラインとしては妥当でしょう。これがどのような影響を及ぼすか様子を見たいと思います」。

 優秀な調教師であるマーク・ジョンストン(Mark Johnston)調教師は、競馬産業に影響があると考えている。

 その一方で、同調教師は、「実施は早いほど良いです。私たちは底辺レベルの馬たちを経済的に活用できていませんし、これまでこのような見解が出なかったのが不思議に思えます」と語った。

 イギリス馬主協会(Racehorse Owners’ Association: ROA)の反応はやや控えめであった。ROAの最高経営責任者マイケル・ハリス(Michael Harris)氏は、「ROAの委員会は、注意深くかつ思慮深く取組むべき大変深刻な課題であると見ています」と述べた。

 競馬から排除された馬はどうなるのかと聞かれたBHAのラム氏は、「最低レーティングのルールを導入するのであれば、あらゆる側面が熟慮される必要があり、排除された馬の扱いもその1つです」と付言した。

By Lee Mottershead

[Racing Post 2008年2月5日「BHA may ban Flat racing’s basement performers」]


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