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TOPページ > 海外競馬情報 > 香港国際競走におけるアメリカ馬の不振(アメリカ)【開催・運営】
海外競馬情報
2008年02月08日  - No.3 - 2

香港国際競走におけるアメリカ馬の不振(アメリカ)【開催・運営】


 2007年12月9日、香港国際競走(Cathay Pasific International Races)が開催された。その翌日、ブリーダーズカップ社(Breeders' Cup Ltd.: BCL)は、ブリーダーズカップ(Breeders' Cup World Championships)の番組に3レースを新設することを発表した。

 これら2つのイベントにはそれぞれ“インターナショナル”と”ワールド”という似通った名称を付けているが、2つのイベントに類似点はほとんどない。

 はっきりと言えることは、香港の4つの国際レースにはよりグローバルな雰囲気がある。2007年は9ヵ国を代表する馬がシャティン競馬場で競った。その上、香港のレースはより多くの国々のマスコミ取材者を引き付けた。

 もちろん、ブリーダーズカップより出走馬とマスコミの両者を引き付ける大きな要因の1つは、香港ジョッキークラブ(Hong Kong Jockey Club: HKJC)が行っている旅費の補助である。この方式は他の複数の競馬統括機関も採用している。

 ホースマンたちはスポーツマンであるが、航空運賃の補助がなければどれぐらいのホースマンが香港やドバイへ行くかは疑問である。

 HKJCは、宝くじのほかに、競馬賭事、サッカー賭事の賭博の実施を、香港内で唯一許可された組織であり、賭博からの資金によって運営されている非常に裕福な組織である。

 BCLは全く違ったタイプの組織であり、その運営資金は主としてブリーダーズカップへの出走資格を得るための種牡馬および産駒登録料によるものである。

 この2つの組織はいろいろな意味で別世界である。

 HKJCの旅費の補助があっても、米国は、イギリス、フランス、アイルランド、ドイツ、日本、ドバイ、シンガポールおよびオーストラリアの競走馬とともに出走馬表に名を連ねることができず、米国代表団の不在が香港国際競走でひときわ目立たった。

 HKJCの招待馬リストには、目立ったところではベタートークナウ(Better Talk Now)を含む数頭のアメリカ馬が入っていた。しかし、アメリカ馬を勧誘するのが難しい理由が1つある。それはアメリカ馬が薬物を常用していることである。

 香港国際競走に出走する馬は、ラシックス(Salix)を使用することが許可されておらず、出走7日前には消炎剤ビュート(Bute)の使用をやめなけ ればならない。そしてもっと重大なのは、米国で一般的に使用されている筋肉増強ホルモン剤、デポ・メドロール(Depo-Medrol)を投与しての出走 は許されていない。

 香港の競走馬は、規制基準の範囲内で、副腎皮質ホルモン剤、トリアムシノロン(Triamcinolone)の使用が許容されている。HKJCの顧問監 査獣医師であるブライアン・スチュアート(Brian Stewart)博士は、この薬品は“作用時間が短くより適切だと考えられる”と述べている。

 デポ・メドロールは、2006年のドバイワールドカップ(UAE-I)で2着に入線したブラスハット(Brass Hat)の失格の原因となった薬物である。スチュアート博士は、この薬物の体内残留時間は“全く予測できない”と述べた。

 香港で出走しようとしている馬は、はじめに使用薬物申告書に記入しなければならず、スチュアート博士は、レース前に尿検査を受けることを勧告している。同博士は、デポ・メドロールの使用が多くのアメリカ馬の香港遠征を阻害していると述べた。

 1993年以降、アメリカから計40頭の馬が毎年12月に実施される香港国際競走に出走したが勝利は限られている。モーラック(Morluc)が香港ス プリントで2着に入線し、翌年も続けて2着となった2001年以降、どの馬も賞金を得ていない。その後に出走した11頭のアメリカ馬の中で、一番上位で入 線したのは2002年香港カップ4着のサラファン(Sarafan)だった。

 アメリカの優勝馬は2頭がいるが、かなり前のことだ。1997年香港インターナショナルカップ(HK-II)でのヴァルズプリンス(Val's Prince)と、1993年の香港インターナショナルボウルでのグレンケイト(Glen Kate)である。

 HKJCは費用の掛かる薬物検査の分野に多額の投資をしている。HKJCは専用の薬物検査所を所有し、5人の薬理学者を雇用している。

 スチュアート博士が述べるところによると、“HKJCは規制水準を上げるための費用がある”ので、それを積極的に活用している。

 ブリーダーズカップがさらに3競走を加えて拡大をはかる機会に、世界中のホースマンたちに、薬物の使用について最も放任されているのはアメリカ人であるかどうか聞いてみるのは興味深いことである。

 香港国際競走においてアメリカ馬の不振が続いていることは、それを雄弁に語っている。

By Dan Liebman

[The Blood-Horse 2007年12月15日「What's Going On Here―Another World」]


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