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TOPページ > 海外競馬情報 > 競馬映像の海賊行為を防ぐ動き(アメリカ)【開催・運営】
海外競馬情報
2008年09月19日  - No.18 - 3

競馬映像の海賊行為を防ぐ動き(アメリカ)【開催・運営】


 8月9日、マンハッタンの通りで、2人の若者が最近発売された音楽CDを売っていた。

 CDの値段と安普請の店舗から判断して、彼らの商品が正規の音楽出版社からきたものではない海賊版である可能性が高い。通りの別の場所では偽ブランドの腕時計が5ドル(約550円)、財布が20ドル(約2200円)、そして額入りアートポスターが10ドル(約1100円)で売られていた。

 数年前、CNNの番組USA TODAYの世論調査は会社、自宅、学校でインターネットを使う成人の約17%が音楽をダウンロードしていることを示した。この数字はここ数年で明らかに上昇しているだろう。無数のCDがコピーソフトで複製されている。音楽をダウンロードできるサイトも増殖し、映画やビデオゲームに関しても似た傾向が見られる。

 これはサラブレッド競馬でも同じである。

 無数の産業が違法な複製販売による被害を被っており、インターネットが新たな海賊行為を可能にした。サラブレッド競馬については、どれぐらいの人々が競馬映像・競走結果を違法に使用し、自ら賭事を受け付けているか見当がつかない。

 余暇・エンターテイメント産業の研究コンサルタント会社で、特にゲーミングと賭事に精通しているクリスチャンセン・キャピタル・アドバイザーズ社(Christiansen Capital Advisors)のユージン・クリスチャンセン(Eugene Christiansen)会長は次のように述べた。

 「とりあえず、競馬映像・競走結果を違法に使用した馬券発売はかなりの額になるということだけ言っておきましょう」。

 「数千万ドル(数十億円)ですか?」

 「いいえ、数億ドル(数百億円)です」。

 競馬場とホースメンズグループの間で、電話投票(advance-deposit wagering: ADW)賭事の売上げからの取り分について交渉がなされている。馬主と厩舎関係者は、交渉のために新たにホースメンズグループを設立してこの交渉に取組んでいる。しかしその蚊帳の外で、競馬産業に還元せず、競馬場の経営を助けているわけでもなければ、賞金の増額という形でホースマンの助けにもなっていない数億ドル(数百億円)の賭事が行われている。

 クリスチャンセン氏は、賭事免許を取得し、競馬映像・競走結果を違法に使用する業者が存在しているのは、米国内の大口馬券購入者からの需要があるからであると述べた。

 同氏は、「そもそも、価格意識の強い顧客にとっては、州の認可を受けた国内のパリミューチュエル業者から馬券を買うより、海外賭事業者から買うほうがずっと安いことが理由です。このことが、市場に低コストの賭事供給者がはびこる誘因となったのです。その結果、競馬映像・競走結果の海賊行為が生じたのです」と語った。

 同氏は、「機能不全が起こったのは、顧客は低コストの賭事が利用できるなかで、競馬産業はより高コストの賭事を提供しているからです。これは市場原理に反しており、客離れが生じているのです」と付言した。

 競馬場とADW運営業者は、控除金と賞金と諸経費をより多く負担しなければならない一方で、海外ブックメーカーと海賊業者は、顧客に多額のリベートを支払うことができる。

 サラブレッド競馬場協会(Thoroughbred Racing Associations)の上席副会長クリス・ シャーフ(Chris Scherf)氏は、興味深い余談として、勝ち続けている賭事客はリベートショップからしばしば締め出されていると述べた。

 シャーフ氏は、「スポーツ賭事においても競馬賭事において、もし顧客が一貫して勝ち続ければ、リベートショップはその顧客の賭事を受け付けるのを止めるのです」と述べた。

 同氏は、海賊行為よりも懸念を抱かせられるものは、海外賭事業者が賭事対象を競馬以外のスポーツやオンラインポーカーに移行しはじめたことによる影響であると述べた。同氏は、「私たちも同様に商機を失いました」と述べた。

 現在、多くの競馬場は以前からカジノで利用されているリベートプログラムに類似したサービスを提供している。これは、クレジットカードでマイレージを貯めることやほとんど全ての小売店が常連の買い物客に対して割引を行うことと変わらない。しかし、競馬場は大口馬券購入者に対して多額の賭金に見合う多額の奨励金を与えることは殆ど不可能であるため、大口馬券購入者の多くを海外賭事業者への賭事に向かわせることになる。実際に海外賭事業者から勧誘された大口馬券購入者も多い。

 13州の競馬統括機関(今後増えることが望まれている)は8月4日、海外賭事業者と競馬場以外の場外馬券発売所(secondary pari-mutuel outlets)に対して、当該州の賭金プールに参入する場合の条件として、北中米競馬委員会協会(Association of Racing Commissioners International: RCI)の認証の取得を要求する制度を作ったと発表した。開始の目標期日は2010年1月1日である。

 競馬統括機関にとって、その監督対象となる賭事業者を把握することが重要であり、この制度はその上で大きな一歩である。

 この動きは、2008年の初めにユーベットコム社(Youbet.com)が所有する海外リベートショップであるインターナショナル・レーシング社 (International Racing Group: IRG)の閉鎖を受けたことによる。IRGは違法行為の疑いを受け、その顧客と運営についての連邦と州の当局による取調べを受けた後、閉鎖された。

 おそらく競馬産業は海賊行為を撲滅することはできないが、減らすことは可能だろう。

By Dan Liebman
(1ドル=約110円)

[The Blood-Horse 2008年8月16日「What’s Going On Here―Sinking the pirates」]


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