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海外競馬情報
2008年09月05日  - No.17 - 3

グレード競走委員会、ステロイドと前肢用歯鉄の規制を導入(アメリカ)【開催・運営】


 サラブレッド馬主・生産者協会(Thoroughbred Owners and Breeders Association)の下部機関であるアメリカ・グレード競走委員会(American Graded Stakes Committee: AGSC)は、2009年からグレード格付資格の条件として、アナボリック・ステロイド(筋肉増強剤)と前肢用トーグラブ(鉄頭歯鉄)の使用規制を要求することになる。

 それによると、州あるいは競馬場は少なくとも、北中米競馬委員会協会(Association of Racing Commissioners International: RCI)が規定したアナボリック・ステロイドに関する模範ルールを、当該州あるいは競馬場における最初のグレード競走施行日までに導入しなければならない。州あるいは競馬場が模範ルールを導入しない場合、そこで施行される競走はグレードを失い、模範ルールを導入するまで格付けされることはない。

 RCIの模範ルールは、調教中の競走馬へのアナボリック・ステロイド投与を厳しく規制している。ボルデノン(boldenone)、ナンドロロン(nandrolone)、スタノゾロール(stanozolol)、テストステロン(testosterone)は馬の体内で分泌されるため、閾値(上限の限界値)が設けられているが、その他のすべてのアナボリック・ステロイドは禁止(微量であっても違反)される。すでに11州(アリゾナ、アーカンサス、カリフォルニア、コロラド、デラウエア、イリノイ、インディアナ、オレゴン、ペンシルヴェニア、ワシントンおよびヴァージニア)はこの模範ルールを導 入している。

 その他約15州が模範ルール導入の手続きに入っている。

 ブリーダーズカップ社(Breeders’ Cup Ltd.)は8月初め、ステロイドに関する模範ルールを適用しない米国およびカナダの競馬場については、賞金を提供せず、またブリーダーズカップ・チャレンジ競走を施行する資格を与えないと公式に発表した。

 AGSCはまた、州あるいは競馬場に対し、グレード格付資格の条件として前肢用トーグラブを規制するRCIの模範ルールの導入を要請した。RCI理事会は8月2日、2ミリ以上の突起の付いた前肢用トーグラブ使用の禁止を採決した。これはジョッキークラブのサラブレッド安全委員会(Thoroughbred Safety Committee)が発表したガイドラインに従ったものである。

 すでに6州が前肢用トークラブを禁止しており、ケンタッキー州を含むその他の州では模範ルール導入の手続き中である。またキーンランド競馬場、ウッドバイン競馬場などいくつかの競馬場は独自のルールを定めた。

By Jeff Lowe

[thoroughbredtimes.com 2008年8月8日「Graded stakes committee to require adoption of steroid, toe grab rules」]


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