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TOPページ > 海外競馬情報 > 二重安全手綱“シュアライン”が開発される(アメリカ)【その他】
海外競馬情報
2008年05月23日  - No.10 - 3

二重安全手綱“シュアライン”が開発される(アメリカ)【その他】


 1986年、アート・グレイ氏(Art Gray)は、親友のウィリアム“ビリー”ホートン(William “Billy” Haughton)騎手が、ヨンカース・レースウエイ競馬場の繋駕競走で起きた衝突事故によって負傷し、命を失うのを目の当たりにした。同じような事故は約2ヵ月前にルーズベルト・レースウエイ競馬場でも起き、デーヴ・ダンクレー(Dave Dunckley)騎手が亡くなった。

 ホートン騎手の事故が起きたとき、スタンダードブレッド(速歩競走馬)の元調教助手のグレイ氏は、ルーズベルト競馬場で裁決委員をしていた。同氏は競馬場に近いニューヨーク州ロングアイランドで成長したこともあって、スピードと馬が織り成す競馬の危険性を十分に承知していた。

 「私は安全性に関心があり、すべてが順調にいくように特別に時間を費やしてきました」とグレイ氏は語った。

 ここ10年間、グレイ氏は“二重安全手綱(シュアライン The Sure Line)”という手綱の開発と販売促進に専念してきた。製品は手綱が切れたときに騎手や乗り手を助けるように設計されている。「手綱が切れると、それはハンドルが抜け落ちた状態で、時速35マイル(約56km)の車を運転しているようなものです」とグレイ氏は述べた。

 従来の平地騎手用の安全手綱の裏側は手元からハミ環に繋ぐ尾錠部分まで強靭なナイロンの紐で強化されているが、二重安全手綱には、強靭なナイロンの紐で強化されているのに加え、尾錠の内側に留め金のフックが取付けられ、手綱とハミ環とは、尾錠と留め金のフックで二重に繋がれる。

 グレイ氏によると、命にかかわるような手綱が切れる事故が年に3回から6回あり、同氏は、「私

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 はこのような事故を防止するために、手綱にワイヤーか、連結具か何かをつけなければならないと考え始めました」と語った。

 2002年、グレイ氏はルイビル大学裁決委員認定プログラム(University of Louisville Stewards Accreditation)に参加した。そこでは、騎手組合(Jockeys’ Guild)の元管理者ジョン・ジョヴァンニ(John Giovanni)氏が、平地競走の手綱に改良の必要性を論じ、そのあと、グレイ氏を連れてサラトガ競馬場のジョッキールームにグレイ氏の二重安全手綱を 持ち込んだ。

 グレイ氏は、「騎手の誰もが手綱が切れるというハプニングを経験していました」と述べた。

 同じ年、クリス・マッキャロン(Chris McCarron) 騎手は、サンタアニタ・ダービー(G1)でケイムホーム(Came Home)に騎乗する際に、調教師のジュアン“パコ”ゴンザレス(Juan “Paco” Gonzalez)氏と相談し、安全手綱を使用した。

 栄誉の殿堂入りを果たしたマッキャロン騎手は、自ら創設した北米競馬アカデミー(North American Racing Academy)(レキシントン近郊)で安全手綱を取り入れている。

 「これまでの騎乗生活のなかで手綱が切れた経験が3度あります。これは最も恐ろしい体験です」とマッキャロン騎手は語った。

 同騎手は、「安全手綱の構造は非常に簡単です」と続けた。

 エクリプス賞(Eclipse Award)を制覇したトッド・プレッチャー調教師(Todd Pletcher)も、安全手綱を使用している。

 「安全手綱は素晴らしいアイデアです。手綱の重量や騎手のフィーリング、また馬の制御に問題なく、かつ安全性を付加できれば、それは大変良いことに決まっています」とプレッチャー氏は述べた。

 2005年ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(G1)で、プライベートバウ(Private Vow)に騎乗したジョン・ベラスケス(John Velazquez)騎手は、手綱が切れたために最下位に終わった。2007年12月、ケント・デザーモ(Kent Desormeaux)騎手は、アル・ジャナドリア・レースコース(Al Janadriah Racecourse)でのサウジアラビアのクラウン・プリンス・カップ競走(Crown Prince Cup)で、プレミアムタップ(Premium Tap)に騎乗し、手綱が切れたにもかかわらず、勝利をつかむことができた。幸運にも、両騎手は誰も怪我をすることなく済んだ。

 グレイ氏の競馬に対する愛情ならびに馬と騎手の安全に対する関心は、ルーズベルト競馬場での日々に由来している。グレイ氏はそこで裁決委員を務めていた当時、自分の力が及ばず欲求不満に陥った。

 その想いを胸に、2006年同氏は安全と競馬の公正に対する情熱から、コンサルティング会社グレイ&アソシエーツ・コンサルティング(Gray & Associates Consulting)立ち上げた。

By Erin Nuckols

[The Blood-Horse 4月5日「Safety First」]


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