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TOPページ > 海外競馬情報 > ファン確保のために競馬の公正とテレビ放映技術向上が必要(アメリカ)【開催・運営】
海外競馬情報
2007年05月11日  - No.9 - 1

ファン確保のために競馬の公正とテレビ放映技術向上が必要(アメリカ)【開催・運営】


 競馬の公正確保およびレース映像配信技術の向上に関しては、競馬場・競馬関係者がどれだけ多くの施策を講じても決して十分ということはない。

 これは、3月11、12日にフロリダ州南部で行われたサラブレッド競馬場協会(Thoroughbred Racing Association: TRA)とアメリカ繋駕競馬場協会(Harness Tracks of America)の第5回年次合同会議で示された伝統的な見識である。

 2日間にわたる会議では、1日目は競馬界が競馬ファンの信頼をつなぎとめる必要性に重点を置き、また2日目は新たなファンの獲得に役立つ技術の価値を評価しつつ、“改善すべき課題”に取り組んだ。

 競馬界がこれらの課題を解決するために、会議の最初の討論では、現在スロットマシン収益は、賞金、生産者への資金供与および競馬場の運営のために利用されているが、今後はこれら以外にも利用することが提案された。

 ポコノ・ダウンズ(Pocono Downs)にあるモヘガン・サン社(Mohegan Sun)のボビー・ソーパー(Bobby Soper)社長およびペン・ナショナル・ゲーミング社(Penn National Gaming)のクリス・マッカーリーン(Chris McErlean)競馬担当副社長は、スロットマシンは競馬の顧客を開拓していないが、競馬財政には貢献していると述べた。

 ソーパー社長は、「スロットマシン導入以来、私たちの競馬商品は明らかに向上しましたが、競馬そのものの需要を創出しなければなりません。スロットマシンは、競馬を支えるための特殊な手段です。競馬は、スロットマシンなしでも、自立できるようになるべきです」と述べた。

 同社長は、レイシノ(racino)事業の競馬部門の需要が増加し、キャッシュフローが黒字になる見込みが立つまでは、競馬部門に対して投資を行わないと述べた。同社長のこの発言は、競馬の公正さに対する不安から競馬ファンの関心が衰えているとの新聞報道を受けて行われたものだ。

 ホースレーシング・アルバータ社(Horse Racing Alberta)のデーヴィッド・リード(David Reid)会長は、競馬界が成功するためには、スロットマシンの収益を賞金以外の新たな分野にも投資する必要があると述べた。

 同会長は、「スロットマシンの全収益を賞金に投入することには飽きました。競馬場運営者はレースの配信に投資しなければなりません」と述べた。

 規制当局者は、さらに一歩先に進んで、競馬関係者がスロットマシンから得た収入の増加分を、薬物の研究・検査の支援という競馬産業全体のための投資に活用するよう提案した。

 競馬場に博戯(ゲーム)がないカリフォルニア州では、州議会が非開催日のドーピング検査に対し85万1,000ドル(約1億200万円)の支出を承認した。カリフォルニア州競馬委員会(California Horse Racing Board)のリチャード・シャピロ(Richard Shapiro)委員長は、不正の輩がはびこるのを防ぐため、規制当局者はこの種の手段が必要だと述べた。

 同委員長は、「規制当局者として多くの安全策を講じようとすると、私たちは強い反対を受けます。補助金で競馬関係者は高額の賞金を得ますが、公正確保の問題は馬が競馬場に着く前にすでに始まっています。私たちが繊細な馬を生産しているため、セリ上場馬にはステロイドが投与されています。私たちは馬の改良に悪さをしています」と述べた。

 デラウェア州繋駕競馬委員会(Delaware Harness Racing)のヒュー・ギャラガー(Hugh Gallagher)理事は、スロットマシン収益で増額された賞金が、不正の輩を誘い込んでいることを認めた。デラウェア州は、勝馬投票所で博戯(ゲーム)も提供している。

 同理事は、次のように述べた。「リスクを冒して薬物を利用することにより、ばく大な金額が手に入る可能性があるから薬物が濫用されるのです。最高の調教師は、必ずしも最高のホースマンではありません。彼らはとてつもない化学者なのです」。

 インディアナ州競馬委員会(Indiana Racing Commission)のジョー・ゴラジェック(Joe Gorajec)専務理事は、規制当局者は最近、制裁制度をまとめあげたが、不正の輩を取り締まるためには何よりも、より優れた検査方法が必要なのだと述べた。

ハイビジョンテレビ放映の実施

 会議の出席者は、競馬ファンの信頼を構築すればファンの競馬への参加が増えるが、ファンが競馬を観戦する方法を改良しなければ、せっかくの薬物調査への投資も無駄になることで意見が一致した。

 TRAのクリス・シャーフ(Chris Scherf)副理事長は、「競馬を楽しむ人の大部分は来場者でもなく、美しいパドックに集まる人たちでもなく、テレビで観ている人たちなのです。これらのテレビ放映は画質・内容ともさまざまであり、競馬場が独自の方法で実施しています。すべての競馬場がテレビ放映において協調すべきです」と述べた。

 キーンランド協会(Keeneland Association)は、競馬場の技術に対して競馬界で最も積極的に投資を行っている企業の1つである。レキシントンにあるキーンランド競馬場は、サイマルキャスト放映をハイビジョンテレビで提供するために、すべてのテレビ放映設備を最近整備した。同競馬場は、場内にある多くのテレビ・モニターを取り替え、オッズ掲示板を発光ダイオード(LED)掲示板にグレードアップした。

 同協会の放送サービス担当取締役G. D.ヒエロニムス(G.D. Hieronymus)氏は、「キーンランド競馬場の顧客のうち20%は初めての来場者です。私たちはファンが競馬場で5時間ぐらい過ごすことを望んでおり、ファンは目を奪うようなカラフルなオッズ掲示板を求めています。LED掲示板のないスポーツ施設はあるでしょうか。ファンはLED掲示板を期待しています。ファンに競馬場で充実したひとときを過ごしていただこうではありませんか」と述べた。

 TRAのシャーフ副理事長は、「かつてキーンランド競馬場はできる範囲で競馬を行っていましたが、今は本来あるべき姿で競馬を行っています」と述べた。

 キーンランド競馬場は、トラカス社(Trakus)のチャートシステム(訳注:各馬のゼッケンのポケットに入れた無線機から発信される電波により、各馬の動きやコース取りなどが画面上で見ることができるシステム)を設置した。このシステムのデジタル映像はLED掲示板に放映される。ファンはレースのリプレーを本物の映像だけでなく、馬番号の動きによる表示で見ることもできる。

 ヒエロニムス氏は、「次世代のファンはコンピューターゲーム技術で育っていますので、私たちの設備は彼らにとって理想的です。競馬場は放送技術を有効に利用しなければなりません」と述べた。

 クリスティアンセン・キャピタル・アドバイザーズ社(Christiansen Capital Advisors)のユージーン・クリスティアンセン(Eugene Christiansen)会長は、「競馬は、美術館的な態度を取っています。競馬を愛する競馬場経営陣は、もし一般大衆が競馬を好きでないのなら、それが間違っていると考えています」と述べた。

By Ed Deross
(1ドル=約120円)

〔Thoroughbred Times 2007年3月24日「Integrity, technology concerns keeping racing fans away」〕


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