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海外競馬情報
2007年11月30日  - No.23 - 2

フランス政府に対し賭事開放に関する考慮期間が与えられる(フランス)【開催・運営】


 欧州委員会(European Commission)は、フランス政府に、今年競馬界に約7億ユーロ(約1,120億円)以上の収入をもたらすパリミューチュエルの賭事システムを弁護するための準備期間を与えた。

 フランスのエリック・ヴォルト(Eric Woerth)財務大臣と、同大臣の同僚で欧州問題担当次官であるジャン=ピエール・ジュイエ(Jean-Pierre Jouyet)氏は11月6日、ブリュッセルで開かれた欧州委員会の域内市場・サービス問題担当チャーリー・マッククレーヴィー(Charlie McCreevy)委員との会合に臨んだ。

 45分間の会合の結果、マッククレーヴィー委員はフランスの賭事産業をEU法に適合させる方策を考え出させるために、フランスに対し4ヵ月の猶予を与えることに同意した。

 パリミューチュエルの賭事独占に終止符が打たれたならば、フランスの競馬界と生産界の安定的な収入が不安にさらされる。一方、イギリスとアイルランドのブックメーカーなどは、フランスの賭事独占が緩和される方向で永続的解決が行われことを切望している。

 マッククレーヴィー委員の広報担当は、「EU法違反の状態がまだ解決されていないことを忘れてはいけません」と付言した。

 ヴォルト財務大臣は、以下の4つの目標をもつ賭博市場の“制限的な開放”を再度主張した。

a) 違法賭事サイトとの闘い
b) フランス競馬へのこれまでと同水準の資金還流の保証
c)PMUシステムの維持
d) 市場の国家管理


 3月半ばまでに決着することと、できれば2月までに技術的詳細が打ち出されることが望まれている。

 いずれの当事者も、問題を欧州裁判所の判断にゆだねることは望んでいない。2008年7月初旬に、フランスは欧州連合の議長国となるが、このことについてヴォルト大臣は、「賭博に関する議論はそれまでには妥結するでしょうし、問題を長引かせるのは良くありません」と付言した。

 フランス場外馬券発売公社(Pari Mutuel Urbain: PMU)のベルトラン・ベランギエ(Bertrand Belinguier)会長は、「現在のところ状況は変わっていません。話合いが始まり、タイムテーブルもあります。私たちは制限的な市場開放に向かうものと考えています」と述べた。

 PMUにとって10月は、賭事売上げが11.9%上昇した好調な月であった。年間売上げは、2006年に比較して約8%上昇するだろう。

By Desmond Stoneham

[Racing Post 2007年11月8日「French government given more time to defend betting system」]


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