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海外競馬情報
2007年08月24日  - No.16 - 3

動物愛護団体、鞭の改造を非難(イギリス)【開催・運営】


 7月5日、平地競走騎手たちは王立動物虐待防止協会(Royal Society for the Prevention of Cruelty Animals: RSPCA)から非難を浴びることとなった。というのは、競馬監理機構(Horseracing Regulatory Authority:HRA)から騎手たちが新しい衝撃吸収型の鞭を改造しているように見受けられるという報告を受け、RSPCAは怒りの声を上げたのだ。

 同報告によれば、騎手数名が鞭に水をしみこませて重くするために縫い目をほどいたところを目撃されたとのことである。これに対し、RSPCAの馬専門の顧問デーヴィッド・ミューア(David Muir)氏の反応は怒りに満ちたものであった。

 ミューア氏は、「もし騎手たちが馬により強度の苦痛を与えるために鞭を改造していたならば、許せません。私たちは、数名の騎手が最近平地競走で使用を義務付けられた新しい衝撃吸収型鞭がソフトすぎると主張しているのを聞き及んでいます。製造業者はすでに騎手と共同でデザインを検討し、騎手からのリクエストに応えて鞭を強力なものにしようとしています」と述べた。

 HRAの広報担当ポール・ストラサーズ(Paul Struthers)氏は、「いろいろな噂を耳にしており、数人の騎手が実際に鞭を水に浸しているのを目撃しました。また、他の異なった方法で新しい鞭の改造を試みた者があるという数件の報告もあります。私たちは騎手協会(Jockeys’ Association)とこの問題について話し合い続けていますし、彼らは鞭を水に浸すことは大変深刻な違反であることは分っています。製造業者からは1週間後に回答があります。騎手が懸念している鞭の耐久性について報告があるでしょう。平地競走用の鞭と材質は、障害競走用のものと同じですが、製法上わずかな差異があり、それによりパッドの先端部分が変形しやすいのです」と語った。

 しかしながら、ベテランのディーン・マッケオン(Dean McKeown)騎手は、数件の鞭改造の報告は“事実無根である”と反論した。

 同騎手は、「もし何らかの改造がなされたとすれば、それはグリップ部分であり、馬に触れる部分ではないでしょう。騎手は各自異なった握り方をしますので、中には取っ手部分にテープを巻いている者もいます。水に浸すことについては、鞭は防水性の材質でできていますので、その報告がどこから来たのか、全く見当がつきません」と述べた。

By Paul Eacott

[Racing Post 2007年7月6日「Flat riders under fire from RSPA for adjusting whips」]


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