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海外競馬情報
2007年08月03日  - No.15 - 4

競馬協会創立100周年式典におけるソープ会長のスピーチ(イギリス)【その他】


 競馬場協会(Racecourse Association)のデーヴィッド・ソープ(David Thorpe)会長は、7月3日同協会の創立100周年祝賀会の席上で、競馬界の重要な課題は、競馬産業での経験を活かし、賭事市場で失った基盤を取り戻すことであると強調した。

 ソープ会長は、100年間に75競馬場が閉鎖されたが、1907年の時点で存在した51競馬場が今もなお運営されている英国の競馬場の活力を話す一方で、競馬は岐路にさしかかっていると語った。

 さらに同会長は次のように語った。「ブックメーカーは今後とも競馬売上げシェアの下落を止める手立てを講じることはほとんどでせず、競馬以外の賭事を推進する途を選ぶだろうというのが多くの競馬関係者の見通しです。いったん競馬が二流商品となれば、競馬の収入はどんどん減少するでしょう。また競馬関係者の中には、顧客ニーズの把握に懸命な人や、競馬業界が顧客ニーズに合う商品を提供すべきだと考える人もいます。私たちは、競馬賭事の人口統計的側面や技術革新の側面を理解し、それに対応していく必要があります。いかなる産業もそのビジネスの基礎となる主な収入源が減少しているのを傍観してはいられないでしょう」。

 同会長は次のように付言した。「イギリスの賭事と競馬産業はいずれも世界におけるリーダーですので、私たちは理にかなった事業を行うべきです。現在、私たちはより良い商品を販売することでベッティングショップにおける競馬のシェア低下を反転させるとともに、ベッティング・エクスチェンジ(Betting Exchange)からさらなる資金負担を求め、場内・場外におけるトートプールを増大させ、世界クラスの産業を通して国際的なビジネスの機会を増やしていくべきです」。

 ソープ会長は競馬の市場シェア拡大には商品をより良いものにすることが不可欠だと述べ、次のように説明した。「競馬をわかりやすいものにし、わかりやすい番組とチャンピオンシップとともにより明確なブランドを確立する必要があります。スター騎手もスター馬もいます。ドラマ、刺激、ファッション、スタイルそして社交的で安全な環境があります。多様な競馬場は私たちの財産でもあります。しかし、私たちは引続き経験を生かして競馬商品を改善し、ここ数年で多くの競馬場が取り組んできた改革をさらに前進させなければなりません」。

By Howard Wright

[Racing Post 2007年7月5日「Thorpe highlights improvements as way forward」]


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