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TOPページ > 海外競馬情報 > 賭事サービスの自由化をめぐる攻防(フランス)【開催・運営】
海外競馬情報
2007年07月06日  - No.13 - 2

賭事サービスの自由化をめぐる攻防(フランス)【開催・運営】


 ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)氏が5月初めにフランス大統領に選出されて以降、フランス競馬界の立場は十分に代弁されている。同氏が率いる中道右派の国民運動連合(UMP)も、6月10日に行われた総選挙の第1回投票結果から判断すると、下院で過半数を獲得するだろう。

 その一方、場外馬券発売機構(Pari Mutuel Urbain: PMU)は、馬券発売における独占的地位を維持しようとして、欧州委員会(European Commission)と大論戦を繰り広げており、今がフランス競馬界にとって非常に微妙な時期である。

 サンクルー競馬場に時折姿を見せるサルコジ氏は、競馬を熟知している。これは同氏が1993〜1994年に予算担当大臣を務め、経済的・構造的に困難であった時期にフランス競馬界を支援したことによる。

 当時、同氏の友人であり同僚でもあったピエール・シャロン(Pierre Charon)氏は、障害競走との融和によりフランス・ギャロ(France-Galop)の誕生をもたらした責任者であった。また同氏は、5月の大統領選の情報担当参謀の1人であった。

 大統領就任後、サルコジ氏はフランソワ・フィヨン(Francois Fillon)氏を首相に選任した。フィヨン氏は、1981年からサーブル・シュル・サルト競馬場(フランスの地方競馬場)の場長を務めており、ウェールズ生まれの妻ペニーさんおよび5人の子供と競馬場近くにある古い荘園領主邸宅に住んでいる。

 また、今回の新政権でエリック・ウルト(Eric Woerth)氏が新たな予算担当大臣に任命された。同氏は、シャンティイ市の助役を務めており、シャンティイ競馬場の修復に重要な役割を果たした人物である。

 サルコジ氏の大統領就任後、フランス民主連合(UDF)のエルヴェ・モラン(Hervé Morin)氏が国防大臣に選ばれた。モラン氏は、リトゥラト(Literato)が今年のフランス・ダービー(Prix du Jockey Club)でローマン(Lawman)に次いで2着に入ったときは涙を流して喜んだ。これは、現在まで47万6,650ユーロ(約7,630万円)を獲得しているリトゥラトの34%を同氏が所有しているからだ。欧州委員会においてPMUをめぐる状況が重大な段階にあるときに、国防大臣が身内にいるのは心強いことである。

 欧州委員会は、フランスがブックメーカーおよびオンライン賭事業者に国内市場を開放することの是非に関して、6月末までには審議を終了するもようだ。

 エマニュエル・ド・ロアン=シャボー(Emmanuel de Rhoan-Chabot)伯爵が運営するゼターフ(ZETurf)というきわめて専門的な賭事サイトがある。ゼターフは、欧州単一市場(Common Market)のメンバーであるマルタに本拠を構えている。4月末、ロアン=シャボー伯爵は36時間拘留されたが、立場を説明したあと保釈金を支払って釈放された。ゼターフはフランス競馬に対する賭事を受け付けているにもかかわらず、フランスの国庫とフランス競馬界に1ユーロも還元していない。

 PMUは昨年、81億ユーロ(約1兆2,960億円)以上を売上げたが、そのうち72.8%が馬券購入者に払い戻された。ほとんど費用をかけずに10億 2,600万ユーロ(約1,642億円)が国庫に入り、6億5,200万ユーロ(約1,043億円)が競馬界に還元された。競馬専門チャンネルであるエキ ディア(Equidia)関係の経費を含め、PMUの経費は4億6,800万ユーロ(約749億円)であった。2007年の最初の数ヵ月間で、馬券売上高は2.1%増加し、さらに5月に急増した結果、2007年1〜5月の馬券売上高は前年同期比6.7%増となった。

 フランスの競馬産業は、欧州委員会から圧力と威嚇を受けていると感じている。というのも、欧州委員会がPMUの独占を終わらせようともくろんでいるからだ。

 PMUが非営利であること、またPMUは1930年以降フランスにおける唯一の合法的馬券発売機関であり、その馬券発売システムによって、6万2,000人が競馬産業に直接雇用されていることが強調されている。

 フランスは、競馬の規制緩和がベルギーとドイツの競馬にどのような影響を及ぼしたかを欧州委員会に思い起こさせている。過去数年間にベルギーとドイツで賞金額が大幅に低下したため、両国の馬は連日フランス競馬に出走している。

 欧州委員会職員のエディ・フィーハン(Eddy Feehan)氏は、次のように述べている。「欧州委員会は、昨年10月にフランスに対して公式文書により、フランスの国内法に関する質問、国際的サービスに関する規定を設けないことに関する質問を発した。その結果、PMU独占の問題はサービス提供の自由に関する欧州共同体条約第49条の問題となっています。1月にフランス当局から回答が寄せられました。この問題に関して欧州委員会が6月27日に決定を下すことになっています。6月27日は重要な日であり、その前にかなりのロビー活動が行われるでしょう。EU域内市場・サービス担当のチャーリー・マクリービィ(Charlie McCreevy)委員は、規定を方針どおりに進める意向を明らかにしています」。

 1つ確かなことは、フランスは欧州委員会で“敗北”を喫したくないことであり、したがってフランスがPMU独占を維持するために必死に闘うのは確実である。

By Desmond Stoneham
(1ユーロ=約160円)

〔Racing Post 2007年6月13日「Friends in high places out to avert second ‘Waterloo’ as EC threatens」〕


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