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2018年12月27日  - No.50 - 4

種牡馬シャンゼリゼ、心臓発作のため15歳で死亡(アイルランド)[生産]


 2015年ゴールドカップ(G1)優勝馬トリップトゥパリス(Trip To Paris)や2018年英1000ギニー(G1)優勝馬ビルスドンブルック(Billesdon Brook)を送り出した種牡馬シャンゼリゼ(Champs Elysees 父デインヒル 15歳)は、キャッスルハイドスタッド(Castlehyde Stud アイルランド・コーク州)において心臓発作で死んだ。

 シャンゼリゼは最初の馬主カリド・アブドゥラ殿下により生産された。優良繁殖牝馬ハシリ(Hasili)を母とするデインヒル産駒として、将来を嘱望されていた。

 同馬は、G13着内馬で優秀な種牡馬でもあるダンシリ(Dansili)、2001年欧州最優秀3歳牝馬バンクスヒル(Banks Hill)、G1馬のカシック(Cacique)とインターコンティネンタル(Intercontinental)の全弟である。また、G1馬ヒートヘイズ(Heat Haze)の半弟でもある。

 アンドレ・ファーブル調教師に管理されたシャンゼリゼは、エドゥヴィル賞(G3)を制したほか、伊ジョッキークラブ大賞(当時G1)で2着となり、良血馬としての体面を保った。さらに、ボビー・フランケル厩舎に移籍した後、ノーザンダンサーターフSG1)、ハリウッドターフカップ(G1)、カナディアンインターナショナル(G1)でトップクラスの優勝を果たした。

 同馬はバンステッドマナー牧場(ニューマーケット)で種牡馬入りし、これまでに22頭のステークス勝馬を送り出している。注目の産駒には、今年の英1000ギニー(G1)で驚きの勝利を収めたビルスドンブルック、コーフィールドカップ(G12着でゴールドカップ(G1)を制したトリップトゥパリス、トレーニングセールにおいて52万ギニー(約7,644万円)で購買されて今年3月にオーストラリアンカップ(G1)を制したハーレム(Harlem)がいる。

 シャンゼリゼは、クラシック競走3着内牝馬のジャックネイラー(Jack Naylor)とエクセレンス(Xcellence)も送り出した。2頭は将来有望な繁殖牝馬として、それぞれ80万ギニー(約11,760万円)と675000ギニー(約9,923万円)で購買された。さらに、中距離で活躍するバルサンティ(Barsanti)とダルハライルド(Dal Harraild)も送り出している。

 シャンゼリゼは、ロシア皇太子Hの勝馬2頭、ロウサン(Low Sun)とウィズホールド(Withhold)の父でもある。両馬は2016年タタソールズ秋トレーニングセールでジャドモントファームにより上場され、現在の馬主に購買された。

 シャンゼリゼ産駒で直近のステークス勝馬はエクソテリック(Exoteric)である。ロウサンとウィズホールドと同様にジャドモントファームにより上場されて18万ギニー(約2,646万円)で購買された。豪州のクリス・ウォラー(Chris Waller)調教師に管理され、この数ヵ月でリステッド競走を2勝している。また、この夏に米国でG32勝して11月のキーンランドのセリにおいて50万ドル(約5,500万円)で購買されたエリシーズワールド(Elysea's World)もいる。

 シャンゼリゼ産駒がトレーニングセールで人気を博していることは、クールモアがジャドモントファームから個人取引でシャンゼリゼを購買した理由の1つである。同馬は昨年の種付シーズンからアイルランドのキャッスルハイドスタッドで供用されることになった。アイルランドで供用された2年間、同馬は生産者の間で大変人気があり、その種付頭数は2017年に248頭、2018年に228頭だった。

 シャンゼリゼは素晴しい血統であることから、重要なブルードメアサイアー(母父)になることが約束されている。同馬を母父とする馬でデビューしているのはまだ2頭だけである。そのうち1頭は、ダンディーマン牝駒のシーダーズオブレバノン(Cedars Of Lebanon)であり、10月にネース競馬場で高額賞金のフォランエクワイン愛EBFオークションレースファイナルを制している。

By Martin Stevens

1ポンド=約140円、1ドル=約110円)

(関連記事)海外競馬ニュース 2018No.14ジャドモントファームの重要な優良繁殖牝馬ハシリが27歳で死亡(イギリス)


Racing Post 20181219Billesdon Brook's sire Champs Elysees succumbs to heart attack」]


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