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海外競馬ニュース
2018年11月29日  - No.46 - 4

リトル・ユニバーシティ・カレッジ、サラブレッド牧場運営課程を新設(イギリス)[その他]


 サラブレッド産業は、人材確保の危機と格闘している。それゆえ、リトル・ユニバーシティ・カレッジ(Writtle University College エセックス州)が英国初のサラブレッド牧場運営課程を新設するという朗報は、かすかな希望をもたらしている。

 リトル・ユニバーシティ・カレッジの主張によれば、サラブレッドに関連する短期課程や講義は他の大学にもあるが、この新設課程は牧場でのサラブレッドの育成と管理を専門とする唯一の正規課程である。

 牧場オーナーたちは近年、適切な資格を有するスタッフを見つけて長く働き続けてもらうことができないことに頭を悩ませてきた。

 ヒルウッドスタッド(Hillwood Stud)のトレイシー・ヴィガーズ(Tracy Vigors)氏は今年、レーシングポスト紙において、多くの雇用主の懸念についてこう述べている。「人材確保は切迫した状況です。調教師にはなりたくありません。厩舎ではスタッフの入れ替わりが激しく、どのように馬を仕上げているのか分かりません」。

 リトル・ユニバーシティ・カレッジは英国において、地域に根差した動物・環境に関する分野を学べる優れた教育機関である。このサラブレッド牧場運営課程は、2019年に開講予定。

 適切な学歴を有する者、業界経験のある者が、競走馬生産への理解を高めることを目的としたこの課程を受講できる。

 リトル・ユニバーシティ・カレッジの声明にはこう記されている。「これは、実習科目と理論科目により構成される課程です。生産部門に、総合的に教育され即戦力のある人材を送り出すことを目標としています」。

 学生たちは、就職の見通しを改善し、生産部門の一連の欠員を埋めるために、様々なビジネスの側面について学び、サラブレッド産業についての知識を深めることとなる。

 リトル・ユニバーシティ・カレッジの馬・獣医理学療法学部長であるキャロライン・フラナガン(Caroline Flanagan)氏は、「サラブレッド産業は、働く場所として活気に満ち刺激的な環境です。この課程は、英国でも有数のサラブレッドと接することで、キャリアに役立つ絶好の機会を提供するでしょう」と語った。

 この課程の一部は、同カレッジの専用教育施設で運営される。この施設は、既存の馬関連施設を総工費150万ポンド(約2億1,750万円)で改築したものであり、学生たちは最先端の設備と学習ツールを利用できる。

 この課程では、シャドウェル牧場・ナショナルスタッド・ジャドモントファーム・ハイクレア牧場などで実習を受けることもできる。学生たちはこの実習により、若いサラブレッドを直に世話することができる。

 シャドウェル牧場の副場長であるジェームズ・オドネル(James O'Donnell)氏はこう述べた。「リトル・ユニバーシティ・カレッジがサラブレッド牧場運営課程を新設することに、大変勇気づけられています。これは、時宜にかなった、貴重なイニシアティブです。彼らと一緒に取り組むことに期待感を募らせています。リトル・ユニバーシティ・カレッジには素晴らしい施設があり、充実した講義を提供しています。学生たちは多くのスキルを習得して、牧場に就職すれば即戦力となり、サラブレッド生産界に貢献するでしょう。シャドウェル牧場にこのカレッジの学生を迎えることを楽しみにしています」。

By Martin Stevens

(1ポンド=約145円)

[Racing Post 2018年11月20日

「Writtle University College launches new stud operations course」]


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