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2018年09月13日  - No.35 - 2

凱旋門賞優勝牝馬エネイブル、11ヵ月ぶりの実戦で見事に優勝(イギリス)[その他]


 昨年の凱旋門賞(G1)を華々しく制した牝馬エネイブル(Enable)は、11ヵ月のブランクを経てケンプトン競馬場のセプテンバーS(G3)に出走した。そして、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1)2着馬クリスタルオーシャン(Crystal Ocean)を撃退し、堂々たるレースぶりを見せつけた。エネイブルの凱旋門賞連覇には3.25倍のオッズがつけられた。

 エネイブルは昨年G1・5勝を果たしている。セプテンバーSでは、発走数分前に単勝オッズが1.53倍まで下がるほど熱烈に支持された。

 同厩舎のウィークエンダー(Weekender)が出走を取り消し、ペースメーカーがいなかったため、フランキー・デットーリ騎手はエネイブルを積極的に先行させた。同馬は序盤、まずまずのスピードでクリスタルオーシャン(サー・マイケル・スタウト厩舎)の前を走っていた。

 最終コーナーを回ってから残り2ハロン(約400m)となったとき、デットーリ騎手はスパートをかけ始めた。そしてクリスタルオーシャンを鮮やかに突き放し、鞭を使わずに3½馬身差の圧勝を決めた。

 ジョン・ゴスデン調教師はこう語った。「エネイブルは格上なので、今日はこのようなパフォーマンスを見せるだろうと思っていました。これを凱旋門賞のステップレースとするならば、2頭にとって素晴らしいレースでした。何よりも、エネイブルの復帰を見られたのが良かったです。長く待った甲斐がありました」。

 「彼女はこれからも進化するでしょう。今回は80%、ホームストレッチでは85%の力しか出していませんでしたが、精神的に落ち着いておりレースを楽しんだようでした。彼女は他の馬が調教を積んでいるのを見て、とてもイライラしているようでした。私たちもそうでした」。 

 ゴスデン調教師は、エネイブルよりも8ポンド(約3.6 kg)重い斤量を背負った2着馬クリスタルオーシャンについて、「デヴィッド・プロバート(David Probert)騎手はエネイブルに早くから圧力をかけるようなことはせず、格調高い騎乗をしました。正々堂々としていました」と語った。

 デットーリ騎手もエネイブルに感心してこう語った。「見事でした。調教で1マイル走っただけでしたので、彼女の調子がどのようなものか自信がありませんでした。しかし、さすが名伯楽に管理されているだけあります。彼女はきっちり仕事をこなし、以前と同様、機嫌よく走っていました。凱旋門賞に向かいましょう!」

 アブドゥラ殿下のレーシングマネージャーであるテディ・グリムソープ(Teddy Grimthorpe)氏はこう述べた。「エネイブルの素晴らしい復帰戦を見たいと思ってここに来ましたが、そのとおりになりました。クリスタルオーシャンと接戦となって敗れていたとしても、凱旋門賞に向かうことになったでしょう。しかし、このような見事なカムバックを見られてとても満足しています。11ヵ月間も戦線離脱していたのに、レースとは何たるものかをすっかり理解していることは、素晴しいことです」。

 クリスタルオーシャンに初騎乗だったプロバート騎手はこう語った。「向正面では満足いく走りをみせていたのですが、斤量が重かったために、最後の直線でエネイブルをとらえるのは困難でした。しかしクリスタルオーシャンは馬場にうまく対応しました。スタウト調教師が彼を凱旋門賞に出走させるのであれば、今回は間違いなく素晴らしいステップレースとなりました」。

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By David Milnes


[Racing Post 2018年9月8日「Imperious Enable sweeps Crystal Ocean aside for winning return」]


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