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海外競馬ニュース
2018年09月06日  - No.34 - 4

SNSで競馬関係者に浴びせられる誹謗中傷への対策を検討(イギリス)[その他]


 イアン・ジャーディン(Iain Jardine)調教師はBHA(英国競馬統轄機構)に、競馬界の人々がSNSで受けている悪質な嫌がらせに対策を講じるよう要求した。

 ジャーディン調教師はツイッター上で、自身と家族を攻撃する、一連の不快なツイートを受けた。この誹謗中傷の原因となったのは、ジャーディン厩舎のゴールデンジェフリー(Golden Jeffrey)のパフォーマンスであると思われる。同馬は7月、エア競馬場のレースに単勝オッズ6.5倍で臨んだが、8頭中6着に敗れた。

 ジャーディン調教師は8月16日にこう語った。「あまりにもひどいので、やめさせるべきです。黙っているわけにはいきません。何らかの対策が取られるべきです。子供についてとやかく言われるとイライラさせられます。とても不愉快です。パートナーのヴァルはやめてもらうようにツイートしました。至極真っ当なことでした。事態が明らかにされる必要がありました」。

 ジャーディン調教師は警察にはまだ通報していないが、そうする可能性もある。「BHAがこの件に対して、わずかでも援助してくれれば良いと思います」。

 嫌がらせを受けているのはジャーディン調教師だけではない。ロジャー・カールトン(Roger Charlton)調教師、ラルフ・ベケット(Ralph Beckett)調教師、アーチー・ワトソン(Archie Watson)調教師、豪州のマイケル・ヒックモット(Michael Hickmott)調教師も誹謗中傷を受けていることを最近報告している。毎回同じ言葉が使われているので、常習犯がいることがうかがわれる。

 BHAはツイッター上で、"この件は公正確保チームに送りました"とジャーディン調教師に回答した

 BHAのメディア担当のロビン・マウンジー(Robin Mounsey)氏は8月16日、こう語った。「このような行動を見過ごすことはできません。誹謗中傷のメッセージを受け取った人にはBHAの公正確保チームに連絡するように勧めています。公正確保チームはそれらのメッセージを検討し、どのような対策を取るべきか判断するでしょう。警察に通報することもあれば、誹謗を受けた人に援助や助言を行うこともあります」。 

By David Baxter

リチャード・ヒューズ調教師(元騎手)の意見

 理想を言えば、管理馬が優勝するたびにツイッターやインスタグラムにメッセージを載せたくはありません。1日に20頭出走させて20回ツイートする調教師がいるとは思えません。しかし近頃は馬が勝つたびに誰もがツイートしています。もしそうしないのであれば時代に乗り遅れるだけです。

 ツイッターなどのソーシャルメディアの最大の問題は、誹謗中傷を受けることです。私は騎手時代に少し面白そうなので、ツイッターを始めました。

 しかしすぐに、騎手がツイッターをすれば疲れ果ててしまうだけだと気付きました。ユーモアのセンスのない奴が、私の家族に関してとても不愉快なことをツイートしてきたのでやめるしかありませんでした。

 ある時は、検量室を出て携帯電話の電源を入れても、SNSで何を言われているのかを見るのが怖くなりました。3勝してもその後の4勝目が挙げられなかったからと言って罵られるのは、ばかげたことです。そして、それを笑い飛ばそうとすればするほど、傷は深くなっていきます。

 レーシングポスト紙は数人の調教師が誹謗中傷のツイートを受けているという状況を伝えています。これは現代ならではの問題であり、全く驚きませんでした。

By Richard Hughes

[Racing Post 2018年8月16日「Trainer Iain Jardine calls on BHA to take action over disgusting Twitter abuse」、
8月22日「No escaping Twitter abuse for jockeys」]


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