TOPページ > 海外競馬ニュース > 種牡馬アメリカンファラオ、産駒が次々に高額で購買される(アメリカ)[生産]
海外競馬ニュース
2018年08月16日  - No.31 - 2

種牡馬アメリカンファラオ、産駒が次々に高額で購買される(アメリカ)[生産]


 ファシグティプトン社サラトガ1歳セレクトセールで、2015年米国三冠馬アメリカンファラオ(American Pharoah)の2頭の産駒が100万ドル以上で購買された。現役時代にライバル馬を引き離したように、アメリカンファラオ(クールモア所有のケンタッキー州のアシュフォードスタッドで供用)は種牡馬生活においても同世代馬に差をつけた。

 8月6日までに、アメリカンファラオの1歳産駒は11頭購買されている。1頭当たりの平均価格は60万6,000ドル(約6,666万円)。その中にはサラトガセール初日にラリー・ベスト(Larry Best)氏のオクソエクワイン社(OXO Equine)が120万ドル(約1億3,200万円)で落札し最高価格馬となったG1馬ライフアットテン(Life At Ten)を母とする牝駒がいる。

 種牡馬アメリカンファラオを後押しする者の中には、現役時代の同馬を管理したボブ・バファート調教師がいる。同調教師は初日においてクールモアのM・V・マグニア(M.V. Magnier)氏により100万ドル(約1億1,000万円)で購買されたアメリカンファラオ牡駒の購買契約に署名した。この牡駒は、重賞を数回制していてG1・3着内が6回のアップスタート(Upstart)の半弟である。

 バファート調教師はこう語った。「この鹿毛の牡駒(上場番号62番)はその頭や振舞いなど、アメリカンファラオに似た特徴が沢山見られます。現れた瞬間、"一目ぼれ"しました」。

 「この牡駒がアメリカンファラオのような走りを見せるのを楽しみにしています。アメリカンファラオはとても魅力的な馬でした。産駒も走るに違いないでしょう」。

 調教師の後押しに加え、アメリカンファラオはクールモアからも大きな支援を受けている。このセールにおけるアメリカンファラオの2頭目の"100万ドル超え産駒"はクールモアに落札されたのだ。

 クールモアはキーンランド1月混合セールでも、アメリカンファラオ牡駒を100万ドルで購買している。この牡駒は、現役時代にG1を制した若い種牡馬であるカラヴァッジオ(Caravaggio)とG2勝馬マイジェン(My Jen)の半弟である。

 昨年のファシグティプトン社11月セール(ケンタッキー州)でも "100万ドル超え"のアメリカンファラオ産駒が出ている。それは、G1馬で種牡馬のボードマイスター(Bodemeister)の半妹であり、クールモアにより上場され、日本の伊藤佳幸氏のグランド牧場により落札された。

 サラトガ1歳セールの初日において、合計6頭のアメリカンファラオ産駒が総額322万ドル(約3億5,420万円)で購買された。平均価格は53万6,667ドル(約5,903万円)。

 ステークス競走を数回制したジェイジーウォリアー(J Z Warrior 父ハーランズホリデー)を母とするアメリカンファラオ牡駒(上場番号10番)も、もう少しでトップニュースに取り上げられるところだったが、指定最低価格80万ドル(約8,800万円)に届かなかった。

 この牡駒は当歳のときにスコット&エヴァン・ディルワース(Scott and Evan Dilworth)両氏により57万5,000ドル(約6,325万円)で購買され、サラトガ1歳セールで再上場された。

 一方、ライフアットテンを母とするアメリカンファラオ牝駒も当歳のときに、ブライアン・グレーヴス(Brian Graves)氏(ゲインズウェイ牧場)・マイケル・マクマホン(Michael McMahon)氏・ジェイミー・ヒル(Jamie Hill)氏およびボンヌシャンスファーム(Bonne Chance Farm)に、50万ドル(約5,500万円)で購買されていた。

 サラトガ1歳セールではアメリカンファラオ以外に12頭の種牡馬の初年度産駒が上場された。初日に産駒2頭以上が落札され、その平均価格がアメリカンファラオの次に高額だった種牡馬は、現役時代にG1を数回制したカルペディエム(Carpe Diem 父ジャイアンツコーズウェイ ウィンスターファームで供用)である。カルペディエム産駒は4頭購買され、その平均価格は29万2,500ドル(約3,218万円)。ステークス勝馬レモネット(Lemonette 父レモンドロップキッド)を母とする牡駒(上場番号22番)が、フェニックスサラブレッド社(Phoenix Thoroughbreds)に47万5,000ドル(約5,225万円)で購買され最高価格のカルペディエム産駒となった。

 オナーコード(Honor Code レーンズエンドファームで供用)は、3頭の産駒が購買され、平均価格が3番目に高い27万5,000ドル(約3,025万円)となった。スウィートトーキン(Sweet Talkin 父キャンディライド)を母とする牡駒が最高価格のオナーコード産駒となった。この牡駒はウエストポイントサラブレッド社(West Point Thoroughbreds)とロバート・メシエロ(Robert Masiello)氏に37万5,000ドル(約4,125万円)で購買された。

By Michele MacDonald

(1ドル=約110円)

[Racing Post 2018年8月7日「American Pharoah makes presence felt with pair of million dollar yearlings」]


上に戻る