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2018年08月02日  - No.29 - 3

無敗の米国三冠馬ジャスティファイが引退(アメリカ)[その他]


 7月25日、無敗の2018年米国三冠馬ジャスティファイ(Justify)が引退したと、同馬の関係者が発表した。

 ボブ・バファート調教師はこう語った。「ジャスティファイは球節に炎症を起こしています。秋の出走に間に合うほど、順調に回復していません。誰もがジャスティファイがレースで再び走るのを見たがっていましたが、最終的に彼が万全な状態かどうか判断するのは私の責務です。あと60日~90日待たなければ、私はその答えを出すことができません」。

 ジャスティファイは2月18日にサンタアニタパーク競馬場で鮮烈なデビューを果たした。そして数々の快挙を成し遂げ、スターダムにのし上がった。馬主はウィンスターファーム(WinStar Farm)、チャイナホースクラブ(China Horse Club)、ヘッドオブプレーンズパートナーズ社(Head of Plains Partners)、スターライトレーシング社(Starlight Racing)。5月5日のケンタッキーダービー(G1)では2 1/2馬身差で優勝し、1882年のアポロ(Apollo)以来の3歳デビューのダービー馬となった。

 ウィンスターファームのオーナー、ケニー・トラウト(Kenny Troutt)氏はこう語った。「ジャスティファイは信じられないほど素晴らしい馬なので、もう出走しないことに大変がっかりしています。引退は起こるべくして起こりました。それでも私たちは、史上13頭目の三冠馬を持つという幸運に恵まれました」。

 ジャスティファイはダービー優勝後、史上最も霧深い中で行われたプリークネスS(G1 ピムリコ競馬場)を制した。道中プレッシャーを掛けられながらも、ライバル馬すべてをねじ伏せ、½馬身差の勝利を収めたのだ。

 トラウト氏はこう続けた。「ジャスティファイがプリークネスSで勝ったとき、私はやっと夢の三冠達成を意識し始めました。気がつけば、私たちは無敗の三冠馬、それも年度代表馬になるかもしれない馬のチームの一員となっていたのです」。

 ジャスティファイはベルモントS(G1)で歴史的偉業を達成するべく、ニューヨークへ乗り込んだ。殿堂入りジョッキーのマイク・スミス騎手の手綱さばきで先頭に立つと、そのままこのレースを1 3/4馬身差で制し、1977年のシアトルスルー(Seattle Slew)以来の無敗の三冠馬となった。

 スミス騎手はこう述べた。「誰もが感じているように、ジャスティファイがもう走らないことにがっかりしています。しかし、彼が私の人生に現れてくれたことに感謝しています。彼に跨ったとき、負けると思ったことは一度もありません。自らを犠牲にせずにジャスティファイについて来れる馬はいませんでした。彼に食らいついてくる馬は皆無でした。彼はまさしく神からの贈り物です」。

 ダービーとプリークネスSをウィンスターファームの勝負服で制したジャスティファイは、ベルモントSではチャイナホースクラブの赤に黄色の勝負服を背負って優勝したことで、米国競馬に国際的な脚光を浴びせた。

 チャイナホースクラブのテオ・アー・キン(Teo Ah Khing)氏は、「米国三冠達成は驚くべき偉業です。私は米国三冠の歴史と三冠達成の難しさを軽く捉えていません。スミス騎手は私たち皆のために、素晴らしい騎乗をしてくれました。またボブがジャスティファイをうまく育てあげることに多大な信頼を寄せていました」と語った。

 ジャスティファイは8月初旬にウィンスターファームに戻る。通算成績は6戦6勝で、獲得賞金は379万8,000ドル(約4億1,778万円)。三冠優勝に加え、サンタアニタダービー(G1)も制している。ジャスティファイ(父スキャットダディ、母Stage Magic、母父ゴーストザッパー)はケンタッキー州でジョン・ガンサー(John Gunther)氏により生産された。2016年キーンランド9月1歳セールで、チャイナホースクラブとマヴェリックレーシング(Maverick Racing)が50万ドル(約5,500万円)で購買した。コンサイナー(上場人)はグレンウッドファーム(Glennwood Farm)。

 ウィンスターファームのエリオット・ウォルデン(Elliott Walden)会長はこう語った。「年内にもう一度出走させたかったのですがタイミングが良くなく、引退させなければなりませんでした。三冠馬アメリカンファラオのときと同じように、私たちはジャスティファイに4歳まで現役を続けさせるリスクを取りません。BCクラシック(G1)で競走生活を終わらせたいと誰もが考えていましたが、それはできそうにありません。報道されているとおり、クールモアが購買するかもしれません。しかし、その決定は後日行われることでしょう。ジャスティファイが新しい生活に慣れて、8月半ば頃からファンが見学できるようになることを、私たちは楽しみにしています」。

 ウィンスターファームに向かう前に、ジャスティファイは7月28日、デルマー競馬場でパレードする。バファート調教師は、「デルマーのパレードは、サンディエゴ地域のファンがジャスティファイを実際に見る良い機会となるでしょう」と付言した。

By Blood-Horse Staff

(1ドル=約110円)

[bloodhorse.com 2018年7月25日「Triple Crown Winner Justify Retired From Racing」]


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