EnglishKorean
中文Francais
Japanese Stud Book


世界の競馬
海外競馬ニュース(毎週更新)
海外競馬情報
海外競馬場・日程
海外競走登録・遠征情報
世界の競馬および生産統計 アジア競馬会議・競馬連盟
軽種馬登録情報
軽種馬登録ニュース
統計データベース
軽種馬の登録の仕組み
登録のあゆみ
ユビキタス関連
マイクロチップについて
申請書類ダウンロード

モバイルサイト
TOPページ > 海外競馬ニュース > 実母に拒絶された仔馬、最高の母にめぐり会う(アメリカ)[生産]
海外競馬ニュース
2018年04月05日  - No.13 - 4

実母に拒絶された仔馬、最高の母にめぐり会う(アメリカ)[生産]


 マクマーホールファーム(Machmer Hall Farmケンタッキー州)の2月末の数日間に、出産シーズンの悲しみと喜びが凝縮されていた。実母に拒絶された牡駒(父アニマルキングダム)が、実仔を亡くした牝馬を新しい母として受け入れたのだ。

 マクマーホールファームはG1・6勝牝馬テピン(Tepin)を生産したことで有名である。2月25日、キャリー&クレイグ・ブログデン(Carrie and Craig Brogden)夫妻が運営するこの牧場で、ケンタッキーダービー馬アニマルキングダムの牡駒(母アテイストオブレッド)が誕生し、喜びに包まれた。

 当初はすべてがうまくいっているようだったが、母馬が心配なしぐさを見せ始めた。馬房で誰もいなくなったときに、牡駒を蹴っているのが判明したのだ。ブログデン夫妻はこれを見て、対策を取らなければならないと考えた。

 キャリーはこう語った。「本当にひどかったです。母馬が繰り返しあのようなしぐさをするのを見たことがありません。若い母馬を扱っていれば、このようなことがあっても2日~3日で仔馬に寄り添っていくようになることはよくあります。しかし、クレイグが馬房内に行ってこの牡駒を母馬のほうに引き寄せようとすると、彼女の態度はさらに悪化しました。クレイグは私を呼び、"仔馬が殺される前にどうにかしなければならない"と言いました」。

 牧場はこのような状況にぶつかると、ふさわしい乳母を見つけるために他の牧場をあたることを考えなければならない。しかし今回は、クレイグの頭の中にはすでにぴったりの牝馬がいた。

 15歳のマイゼル(Maizelle 父シーキングザゴールド)は、わずか数日前に牝の仔馬(父はBCスプリント優勝馬ランハッピー)を亡くしていた。ブログデン夫妻はこの出来事に唖然とし、胸が張り裂けるような思いをしていた。

 キャリーはこう話した。「いたって順調な分娩で、仔馬に何が起こったのかまだよく分かりません。仔馬は息苦しくしていて、酸素を吸入し投薬しました。17年間分娩に立ち会ってきて、このような状況を経験したことは一度もありませんでした」。

 「生きた動物を扱っていると、ある日有頂天になっても、その翌日にどん底を味わうことがあります。仔馬が死んだとき、私たちは人間と同じようにその死体をマイゼルの馬房に入れ、かなり長い間二頭きりにさせました」。

 ほとんどの場合、母馬は仔馬の匂いを嗅いで、死んだことを理解し受け入れる。しかし、マイゼルの母であり続けたいという本能は相当なものだった。それゆえ、マイゼルを他の牧場に乳母として提供するために、キャリーは地元の診療所に電話した。

 キャリーはこう話した。「マイゼルがずっと仔馬を探していたので、クレイグは私に診療所に急いで電話するように言いました。しかし、その後アテイストオブレッドが仔馬を拒絶する態度を目にして、クレイグは"マイゼルを連れてこようと思う"と言いました」。

 このような騒動の後、心温まる瞬間がもたらされた。マイゼルと牡駒は引き合わせられてから20秒も経たずに寄り添い、その絆がはっきりと確かめられたのだ。クレイグがフェイスブックでシェアした写真はそれを如実に物語っている。

 キャリーはこう語った。「クレイグが写真を撮ってフェイスブックに載せ、スーパーで買い物をしていた私にも送ってくれました。涙が出ました!むせび泣いていたので、店にいた人に"大丈夫ですか?"と尋ねられました。"ちょっとアレルギーが出ただけです"と答えました」。

 「マイゼルは自分の仔だと思っているらしく、とても幸せそうです。母は母親になるように運命づけられているのですね。マイゼルが仔を亡くしたときは意気消沈し辛かったのですが、クレイグが写真を送ってくれたときは感動して胸がいっぱいになりました」。

 キャリーは、サラブレッド産業に関わりのない人々に牧場の仕事について深く知ってもらうために、この驚くべき出来事をソーシャルメディアでシェアすることにした。キャリーはこう話した。「人々は競馬やサラブレッド産業について考えるとき、ホースマンが行っていることを冷ややかな目で見がちです」。

 「しかし、今回仔馬が死ぬという悲しい出来事がありましたが、競馬産業に関わりのない人々は心を打たれ、ホースマンはお金のために働いているのではないと理解してくれています」。

 「私たちはお金よりも喜びや勝利のために働いています。この職業には、悲しみへの道も、幸せへの道も沢山あります」。

 マイゼルとアニマルキングダムの牡駒は現在、放牧地で元気に楽しい時間を過ごしている。

 キャリーは、「悲しいこともありましたが、これは最高の結果です」と付言した。

By Zoe Vicarage

[Racing Post 2018年3月1日「Colt rejected by mother finds perfect match in dam who lost foal」]


上に戻る