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海外競馬ニュース
2017年11月30日  - No.47 - 2

フランスギャロ、抗議行動を受けて予算削減計画を見直し(フランス)[開催・運営]


 フランスギャロ(France Galop)の取締役会は、10月29日のサンクルー競馬場開催を中止に追い込んだ抗議グループに譲歩して見直した追加的な奨励金と輸送費補助の削減計画を、満場一致で承認した。

 取締役会は、"フランスギャロは競馬界のピラミッドの下層にいる調教師・馬主・生産者を不当に標的としている"という抗議グループの主張に対応し、当初計画にいくつかの調整を加えて承認した。

 この調整を加えた予算案の採択は、サンクルー開催が第1レース後に中止となった24時間後に行われた。パドックへの入り口を塞ぐ抗議行動が行われた結果、フランスの今年最後のG1競走2レースが中止となっていた。

 新しい予算案は当初の計画の主要な原則を維持する。すなわち、平地競走の基本賞金は変更されないが、"ソーヴォンルギャロ(Sauvons Le Galop 競馬を救おう)"の抗議行動を支持した多くの人々の懸念は聞き入れられたようだ。

 当初の計画の中で最も物議を醸した箇所の1つは、6歳以上の馬の所有者へ提供される馬主賞の割合が43%から25%へ引き下げられることだった。この割合は妥協案として35%とされた。

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 フランスで供用されている種牡馬の産駒か否かにかわらず、生産者賞を均一にするかどうかについての決定は、さらなる協議をおこなうために保留とされた(訳注:現在フランスでの種付けの結果生まれた産駒の生産者賞は15%、海外での種付けの結果生まれた産駒の生産者賞は10%である)。

 また、調教拠点から離れた地域に馬を出走させるための輸送手当について提案されていた削減に修正が加えられた。
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 競馬界のピラミッドの上層では、G1競走の馬主賞が均一に25%へ削減されることが承認された。これは、280万ユーロ(約3億6,400万円)の節約につながる。

 競馬界の全ての主要部門の代表者たちが一同に会した取締役会の最後には、フランスギャロのエドゥアール・ド・ロトシルト(Edouard de Rothschild)会長がこれまでの過程において代表者たちが行った努力を称賛し、こう語った。

 「これまでの過程とそれに寄せられた意見は必ずしも単純なものではありません。私たちは皆、分裂を引き起こしたり誰かを排除することなしに、全般的な利益にかなうよう努めました」。

 「代表者たちが数ヵ月の取組みを経て、この計画を満場一致で採決したことを嬉しく思っています。これは競馬界の将来への自信の表れです。成功するためには、何よりも私たちが団結していることが重要です」。

 フランスギャロは10月29日遅くに、サンクルー競馬場での抗議行動により中止となった重賞3レースはどれもスケジュールを組み直して施行されることはないと発表した。これらのレースには、アイルランドと英国の多くの有力馬が出走を予定していた。

By Scott Burton

(1ユーロ=約130円)

[Racing Post 11月1日「France Galop revises cuts plan after Saint-Cloud protest」]


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