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2017年06月01日  - No.21 - 1

香港最強マイラーのエイブルフレンドが引退(香港)[その他]


 5月25日、その3日前のソロウ(Solow)の引退発表に続き、香港のスター馬エイブルフレンド(Able Friend)の引退が明らかになり、競馬界はさらに1頭の偉大なマイラーを失った。

 エイブルフレンドは、その成功に満ちたキャリアにおいて一時は世界最高のレーティングが付けられた。5月28日にシャティン競馬場において、第3レース後にエイブルフレンドの功績を称えるセレモニーが行われ、同馬は多くのファンを前にパレードを行う。

 これまで香港でエイブルフレンドより高いレーティングを付けられた馬はいない。同馬を管理したジョン・ムーア(John Moore)調教師はこう語った。「エイブルフレンドがピークだったころは、彼に匹敵する馬は世界中の何処にもいませんでした」。

 「彼は香港で伝説の馬として語り継がれるでしょう。目の覚めるような末脚を誇る大きな栗毛馬として、香港競馬界で重要な地位を確立しました。競馬ファンは彼に魅了され、彼が成し遂げたいくつかの偉業に圧倒されました。彼は香港のあらゆる記録を更新したのです」。

 「私たちは、エイブルフレンドが香港から一気に世界最高のレーティングが付けられるまで上り詰める過程に関われたことを、大変名誉に思います。寂しくなりますが、彼は故郷の牧場に帰ってヒツジやウシをのんびり眺めるような素敵な引退生活を満喫することでしょう!」

 エイブルフレンドの馬主コーネル・リー・フック・クワン(Cornel Li Fook Kwan)博士は4月に死去した。一方で、これまで出走回避を余儀なくさせていた腱の問題が再発したことで、同馬の引退が囁かれていた。

 エイブルフレンドは、故郷の豪州のニューサウスウェールズにある牧場で引退生活を送る予定である。2014年香港マイルや2015年チャンピオンズマイルなどを制した同馬の通算成績は26戦13勝であり、500万ポンド(約7億円)に近い賞金を獲得した。

 同馬に騎乗して7勝したジョアン・モレイラ(Joao Moreira)騎手は、こう語った。「香港でこれほど多くのものを私にもたらしてくれた馬はほとんどいません。賞金ではなく、プライドのことです」。

 「とても特別なものを与えてくれました。彼は私の心の一部となっています。彼が牧場で素晴らしい生活を送ることを大変嬉しく思います」。

 ただ一つ残念なのは、エイブルフレンドが2015年に欧州へ遠征し、クイーンアンS(G1 ロイヤルアスコット開催)でソロウと対戦した時のことである。

 競馬ファン待望のこの対戦は、エイブルフレンドが汗だくとなり攻撃することができず、ソロウ(フレディ・ヘッド厩舎)の6着となり完敗した。

By David Carr
(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2017年5月25日「Farewell to the greatest Friend Hong Kong racing has ever had」]


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