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海外競馬ニュース
2016年10月20日  - No.42 - 2

2017年夏に馬齢重量基準を変更(イギリス)[開催・運営]


 2017年夏、BHA(英国競馬統轄機構)はヨーロッパ・パターン競走委員会(European Pattern Committee:EPC)とともに、修正された馬齢重量基準(訳注:半月ごとに各年齢の馬の成長度合により馬齢アローワンスを定める尺度)を採用する。平地競走の馬齢重量基準の変更は、27年ぶりとなる。

 3歳馬の勝率が高く不均衡が生じており、シーズン後半の10ハロン(約2000m)以上のレースにおいて3歳馬の条件を古馬と近いものにすることで、より公平な競走環境を確保することが狙いである。

 1990年以来初めてとなる馬齢重量基準の変更は、より公平で着差のないレースを施行するために着手され、綿密な調査を経て実現した。BHAはEPCに対し、過去6年間の馬齢重量データから導き出した調査結果を提示していた。

 この修正された馬齢重量基準は来年6月後半から欧州全体で採用され、重賞から条件戦、そして英国の競馬番組の大半を占めるハンデ戦に至るまで、すべてに適用される。しかし、変更は比較的小さなものである。3歳馬に与えられていたアローワンス(減量制度)は、10~12ハロン(約2000m~2400m)のレースで多くの場合に1ポンド(約0.45kg)、13ハロンから2マイル(約2600m~3200m)のレースで2ポンド(約0.91kg)、それよりも長い距離のレースで3ポンド(約1.36kg)減らされる。

 したがって3歳馬に対して、エクリプスS(G1・約2018m)では11ポンド(約4.99kg)ではなく10ポンド(約4.54kg)、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(G1・約2414m)では12ポンド(約5.44kg)ではなく11ポンド(約4.99kg)のアローワンスが適用される。イボアH(約2816m)であれば12ポンド(約5.44kg)ではなく10ポンド(約4.54kg)のアローワンスが適用され、理論上は3歳馬が勝つ可能性は低下する。

 一方、長距離レースにおける3歳馬へのアローワンスの3ポンド(約1.36kg)の減少については、修正前の基準の適用が一律ではなかったために、常に適用されるわけではない。ロシア皇太子H(約3621m)においては、3歳馬へのアローワンスは2ポンド(約0.91kg)だけ減らされ、12ポンド(約5.44kg)から10ポンド(約4.54kg)となる。これにより、このレースへの3歳馬の出走頭数が増加するという効果があるはずである。

 BHAの上級ハンデキャッパーのフィル・スミス(Phil Smith)氏はこう語った。「1年以上前に馬齢重量データを見直し始めた頃、シーズン後半の長距離レースにおける3歳馬の馬齢アローワンスが有利になっていることを統計が示しているのではないかと疑っていました。馬齢重量データがそれを裏付けました」。

 「古馬よりも3歳馬の方が勝率が高いという調査結果が導き出され、特に7月以降において顕著でした。また、競走距離が長いほど勝率が高くなり平均着差も大きくなります。それは、現在の基準を制定したときよりも、3歳馬の成長が概して早まっているからです」。

 「この変更は欧州全体において、3歳馬と対戦する古馬に一層公平な条件をつくり出す一助となるはずです」。

By Graham Dench

[Racing Post 2016年9月22日「BHA announces new weight-for-age revisions」]


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