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海外競馬ニュース
2016年09月08日  - No.36 - 2

馬の福祉への意識を高めるホースカムズファースト競馬開催日(イギリス)[その他]


 今年で3回目のホースカムズファースト(Horse Comes First)がイベントを行う競馬開催日において、英国競馬界は一般の人々に向けて、現役時代および引退後の競走馬に施されるケアに脚光を当てる。

 8月23日のニューベリ開催では、競馬における高水準の馬の福祉についての意識を高めるイベントが催される。また同日、サウスウェル開催・ヤーマス開催・チェルムスフォード開催でも同様の目的のイベントが催される。

 この日は、ニューベリ競馬場において平地シーズン最後のナイターが施行され、サラブレッドの骨格がペイントされた元競走馬ナイトパス(Knight Pass)が展示される。

 ニューベリ競馬場の獣医師アリステア・ウェルチ(Alistair Welch)氏が講演を行い、時速約40マイル(約64km)で走り続けるパワーを供給するために、馬の臓器はどのように働くのか、また、動物界においてサラブレッドという品種はなぜ独特なのかについて説明する。

 さらに、慈善団体"競走馬の再調教(Retraining of Racehorse)"が、障害飛越や総合馬術などで活躍する元競走馬のパレードを実施する。

 レーシングトゥスクール(Racing to School)とキャリアズインレーシング(Careers in Racing)は、ポニー競馬統轄機構(Pony Racing Authority)とともに、対話式の学習イベントを開催する[訳注:レーシングトゥスクールは、競馬場・厩舎・牧場で子供や学生に向けて学習プログラムを提供する慈善団体。キャリアズインレーシングは、BHA(英国競馬統轄機構)の採用・育成部門が管理するブランドで、競馬産業の採用・育成において"入口"の役割を果たしている]。

 また、2014年のゴドルフィン牧場&厩舎スタッフ賞の受賞者リアン・マスタートン(Leanne Masterton)氏は、レーシングトゥスクールが受け入れるグループや来場者に向けて、競走馬に最高のケアをすることを目標とする自身のキャリアや努力について語る。

 英国議会の環境・食料・農村委員会の議長を務めるニール・パリッシュ(Neil Parish)下院議員もこのイベントに参加する予定。

 ホースカムズファーストの代表者たちも、サウスウェル、ヤーマス、チェルムスフォードの各競馬場のイベントに出席する。

 ホースカムズファーストのスポークスマンであるロビン・マウンジー(Robin Mounsey)氏はこう語った。「英国競馬界は競走馬および引退馬のケアに関して、誇らしい実績があります」。

 「英国競馬界は2000年以降、獣医学研究・教育のために3,200万ポンド(約43億2,000万円)を投資してきました。また6,000人以上を雇用し、彼らは1万4,000頭の競走馬に最高のケアを施しています」。

 「ホースカムズファーストは競馬産業全体が支持する構想です。ホースカムズファースト競馬開催日をサポートしてくださった全ての競馬場に、私たちは感謝しています。これらのイベントの開催を楽しみにしています。また、これらのイベントが、競馬界の関係者すべてが共有する馬の福祉への努力に脚光を当てることを望んでいます」。

By Jon Lees

(1ポンド=約135円)

[Racing Post 2016年8月23日「Equine welfare to the fore on Horse Comes First raceday」]


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