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海外競馬ニュース
2016年07月21日  - No.29 - 2

JRHAセレクトセールで購買された1歳馬5頭が渡英(日本)[生産]


 7月11日、香港を拠点とするエージェント(馬売買仲介業者)ジャスティン・バヘン(Justin Bahen)氏はJRHAセレクトセールで1歳馬5頭を総額2億3,000万円で購買した。

 豪州・香港の顧客のために購買されたこれらの馬は、年内に英国に輸送され、競走馬としてのキャリアに備える。

 豪州の起業家ポール・シルヴェストロ(Paul Silvestro)氏のために、バヘン氏はハーツクライの牝駒2頭を購買した。シルヴェストロ氏は、初めて購買したリダウツダンサー(Redoute's Dancer)でニュージーランドダービー(G1)を制したが、その後しばらく競馬から離れていた。

 バヘン氏によれば、シルヴェストロ氏は英国でこれらの牝馬の調教師を決定し、北半球で走らせる予定である。そして、これらの牝駒がブラックタイプを獲得できるほど活躍すれば、引退後は南半球の繁殖時期に欧州の名種牡馬と交配させて、豪州に輸送することを望んでいる。

 バヘン氏はこの戦略について説明した。「いずれの牝駒も欧州のクラシック競走で活躍しそうな血統を持っています。今豪州に連れて帰れば、その可能性をすべて失ってしまいます」。

 「生産の観点から言えば、デインヒル(Danehill)の影響を受けていない血統にいくらかのスタミナを取り入れようとしています。これらの牝駒がブラックタイプを手に入れて、最終的にドバウィ(Dubawi)かフランケル(Frankel)と交配することを願っています」。

 これら2頭のハーツクライ牝駒の母は、(1)リステッド3着内の仏国産馬リアリサトリス(Realisatrice 父ニューメラス 半姉G1優勝牝馬ルーヴル)、(2)ヴァーミリアンの半姉の娘スカーレットリングであり、それぞれ7,600万円と4,100万円で購買された。

 このほか、バヘン氏はハン・クオック・ヒン・リトル(Hung Kwok Hing Little)氏のために、2013年の年度代表馬ロードカナロアの初年度産駒2頭(牡駒)と2011年の年度代表馬で三冠馬のオルフェーヴルの産駒1頭(牡駒)を購買した。ヒン・リトル氏は香港でフランシス・ルイ(Francis Lui)調教師のもとで助手を務めているが、調教師になることを熱望している。

 ヒン・リトル氏はこの夏、欧州の主要セリで1歳馬を引き続き購買するつもりである。バヘン氏がヒン・リトル氏のために購買した2頭のロードカナロア牡駒の母は、(1)デュランダルの半姉マルカサワヤカ、(2)米国ステークス競走3着内馬のモントレーストリート(Monterey Street 父キャンディライド)であり、それぞれ4,600万円と2,700万円で落札された。

 バヘン氏は、「ロードカナロアがレースで走っているところを何度か見たことがあり、同馬を高く評価しています。偉大な種牡馬となる可能性は高いと見ています」と語った。

 また同氏はヒン・リトル氏のために、アイルランドのG3優勝牝馬ミスエマ(Miss Emma 父キーオブラック)を母とするオルフェーヴル牡駒を4,000万円で購買した。

 バヘン氏は、「これらの牡駒はいずれ欧州か香港で走る予定です。英国で調教師が決まり、ポテンシャルが評価されれば、正式に決定します」と付言した。

By Michele Macdonald

[Racing Post 2016年7月12日「Bahen buys Japanese yearlings for Britain」]

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