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2016年05月12日  - No.19 - 3

ケンタッキーダービー、TVG社の賭事受付にシステム障害発生(アメリカ)[開催・運営]


 大手会員制賭事提供会社のTVG社は、5月7日にケンタッキーダービー(G1)が施行されている最中にオンライン賭事受付を2時間以上中断させたシステム障害は人的ミスが原因であったと述べた。

 ケンタッキーダービー(チャーチルダウンズ競馬場)の発走時刻は午後6時50分頃であった。TVG社のツイッターへの投稿によれば、システム障害は午後5時30分に発生し、午後8時15分に復旧した。

 TVG社のCEOキップ・レヴィン(Kip Levin)氏は午後11時30分、顧客宛てEメールでこの件について謝罪した。TVG社は、5月10日にニュージャージー州でエクスチェンジ賭事の提供を開始するベットフェア社(Betfair 本社:ロンドン)に所有されている。TVG社は、ニュージャージー州の居住者からの賭事受付が認められている唯一の会員制賭事提供業者である。

 ベットフェアUS社のCEOでもあるレヴィン氏は、Eメールでこう表明した。「会員に対してダービーデーのみならず毎日素晴らしい体験を提供することがどれほど重要かについて、TVG社は十分承知しています。本日は多くのお客様をがっかりさせてしまいました。本当に申し訳なく思っています」。

 「私たちは膨大な顧客アカウントを管理するシステムを構築し、顧客基盤の拡大に対応するためにかなりの時間と資金を注ぎ込んできました。とりわけ今年は、顧客の満足度を高めるために、これまでにない措置を講じました。残念なことに、人的ミスのため、これからという最終確認の段階でシステム障害を生じさせてしまいました。今後このようなことが二度と起こらないよう取り組む所存です」。

 レヴィン氏は「春・夏開催に向けてシステムの準備は万全であることを、TVG社は保証します」と付言した。

 TVG社の賭事ハブ(中継拠点)はオレゴン州にある。オレゴン州競馬委員会(Oregon Racing Commission)の統計によれば、TVG社は昨年、ケンタッキーダービーが開催される第2四半期に2億6,600万ドル(約292億6,000万円)を売上げた。これは同社の2015年の全四半期の中で最高の売上げであった。また、同時期においては、チャーチルダウンズ社(Churchill Downs Inc.: CDI)が所有する会員制賭事提供会社ツインスパイアーズ社(TwinSpires.com)の売上げに次ぐものであった。ツインスパイアーズ社も賭事ハブをオレゴン州に置いている。

 CDIは2016年ケンタッキーダービーデー(14レース開催)のパリミューチュエル賭事売上げは、史上2番目に多い1億9,260万ドル(約211億8,600万円)であり、2015年ケンタッキーダービーデー(13レース開催)の記録に1%及ばなかったと報告した。TVG社のシステム障害さえ無ければ、明らかに2015年の記録を超えていただろう。

 一方、ツインスパイアーズ社はその売上げから考えると、ダービーに先立って新規顧客を獲得していたのかもしれない。同社を通じたケンタッキーダービーデーに施行されたレースへの賭金は総額2,680万ドル(約29億4,800万円 前年比29%増)、ダービーに限ったオンライン賭事の賭金は1,660万ドル(約18億2,600万円 前年比22%増)であった。

By Tom LaMarra

(1ドル=約110円)

[bloodhorse.com 2016年5月8日「TVG: Systems Failure 'Won't Happen Again'」]


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