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TOPページ > 海外競馬ニュース > エンパイアメーカー、米国に帰国(アメリカ)[生産]
海外競馬ニュース
2015年10月08日  - No.40 - 1

エンパイアメーカー、米国に帰国(アメリカ)[生産]


 エンパイアメーカーは、5年間日本で供用された後、ケンタッキーに帰ってくる。サラブレッド界では、レブロン・ジェームズ(LeBron James プロバスケット選手)がクリーブランド・キャバリアーズに戻って来たときと同じような熱狂が生じている。

 エンパイアメーカーは帰国後、ゲインズウェイ牧場(Gainesway)で供用され、同牧場とドンアルベルト社(Don Alberto Corp.)に50:50の割合で所有される。ナーヴィックインターナショナル社(Narvick International)のエマニュエル・ド・セルー(Emmanuel de Seroux)氏は、様々な要因が重なる中で、この購買契約をまとめることができた。第1の要因は円安である。2010年にジャドモントファーム(Juddmonte Farms)が自家生産馬のエンパイアメーカーを日本軽種馬協会に売却した当時、円の価値は今より46%高かった。また今年、エンパイアメーカーの日本での初年度産駒(3歳)は、同馬の米国での繁殖成績に基づいた期待ほど活躍しなかった。この状況に加え、孫のアメリカンファラオ(American Pharoah)が三冠を達成したことで、エンパイアメーカーが米国に帰国するあらゆる材料が揃った。

 ゲインズウェイ牧場のアントニー・ベック(Antony Beck)氏は、「誰もがエンパイアメーカーのケンタッキーへの帰還を望んでいたと思います。日本に発った時は、誰もが驚きました。それほど注目を集める優良種牡馬でした」と語った。

 エンパイアメーカーは日本へ輸出される前に、すでにケンタッキーダービー(G1)2着馬パイオニアオブザナイル(Pioneerof the Nile)とG1牝馬4頭を出していた。しかし、その偉大さが証明されたのは、日本に出発した後であった。米国に残したケンタッキー産の産駒から、G1・3勝のロイヤルデルタ(Royal Delta)など5頭のG1牝馬のほか、ケンタッキーダービーとプリークネスS(G1)で2着のボードマイスター(Bodemeister)が出た。同じ時期、産駒パイオニアオブザナイルの種牡馬生活の滑り出しは好調で、そのサイアーライン(父系)への信頼が高まった。

 ベック氏は次のように語った。「このことがエンパイアメーカーを実に興味深い種牡馬にしています。エンパイアメーカーの最初の優秀な産駒は、種牡馬として良いスタートを切りましたが、エンパイアメーカーは世界最高級の血統を持っているので、驚いてはいません」。

 エンパイアメーカーの母トゥーソード(Toussaud ジャドモントファーム生産)は、現役時代に1993年ゲームリーH(芝G1)を制した。また、繁殖牝馬としては、それぞれ種牡馬が異なるG1馬4頭を出し、2002年最優秀繁殖牝馬に選出された。トゥーソードの仔でG1馬のオネストレディー(Honest Lady)は、2008年フォアゴーH(G1)優勝馬ファーストディフェンス(First Defence 父アンブライドルズソング)を出した。

 ゲインズウェイ牧場では、北米リーディングサイアーのタピット(Tapit)も供用されている。来年、タピットは15歳、エンパイアメーカーは16歳となる。この優良種牡馬2頭を一緒に供用することは素晴らしいことであるが、ベック氏は笑みを浮かべながら、「素晴らしいどころではありません。最高です。2頭が今後長年にわたり活躍することを望んでいます」と語った。

 ゲインズウェイ牧場は、所有している繁殖牝馬でその種牡馬を支えることでよく知られている。ベック氏はすでに、来年エンパイアメーカーと交配させる牝馬の選定を始めている。

 「ドンアルベルト社とゲインズウェイ牧場は、それぞれ約20頭の牝馬をエンパイアメーカーのもとに送る予定です。我々は全部で81頭の繁殖牝馬を繋養していますが、今のところ21頭がエンパイアメーカーに相応しいのではないかと考えています。さらに徹底した選定を行ったうえで、11月には相性が良いと思われる繁殖牝馬を購買するつもりです」。

 ベック氏は、エンパイアメーカー(父アンブライドルド)はシアトルスルー(Seattle Slew)の血統を持つ繁殖牝馬と非常に相性が良いと指摘した。G1勝ちのあるエンパイアメーカー産駒11頭のうち、7頭にシアトルスルーの血統が入っている。タピットのサイアーラインにもシアトルスルーの血統が入っているが、タピットの牝馬をエンパイアメーカーと交配させると、アンブライドルドのクロス(2×4)が生じる。ベック氏はそれを考慮したが、受け入れる方向である。

 「その選択肢は否定しないつもりです。足して6になるクロス(近親交配)、すなわち3×3や2×4は悪くありません。私たちは、タピットの牝馬をウォーフロント(War Front)と交配させたことがありますが、ウォーフロントの母父(ファピアノ×ルビースリッパーズ)とタピットの母[アンブライドルド(父ファピアノ)×ルビースリッパーズ]は、同じような血統です。また、優秀なタピット産駒リングウィークエンド(Ring Weekend 母父がファピアノ産駒)は、今年カリフォルニアでG1を制しました。したがって、そのようなクロスを気に入っています」。

 ベック氏によれば、ゲインズウェイ牧場はエンパイアメーカーの種付頭数の上限を、タピット同様、135頭に定める。そのうち約40頭の繁殖牝馬は馬主が送るので、来年、他の生産者は95頭までしか送ることができない。「種付予約はすぐに一杯になるでしょう」とベック氏は語った。

 しかし、このサイアーラインを渇望する生産者には選択肢が残されている。エンパイアメーカーの産駒パイオニアオブザナイルと孫アメリカンファラオは、それぞれウィンスターファーム(WinStar Farm)とアシュフォードスタッド(Ashford Stud)で供用される。これらの牧場はゲインズウェイ牧場と同じケンタッキー州中部に位置し、エンパイアメーカーの血統を求める優良繁殖牝馬にアピールするだろう。生産者たちの決定はどのようなものになるだろうか?

 ベック氏は、感慨深げに次のように語った。「この3頭は非常に魅力的で有望な種牡馬です。私はベルモント競馬場で、アメリカンファラオの三冠達成を目の当たりにしました。驚くべき馬です。そしてパイオニアオブザナイルは、アファームド(Affirmed)以来の三冠馬を送り出したわけですから、この血統の素晴らしさは証明されています」。

 「競争の激しいビジネスですが、常に、ゲインズウェイ牧場で供用する優れた種牡馬の探求に取り組んでいます。何よりも質を重視して、優良種牡馬を供用し、優良1歳馬の上場を目指しています。専門性の高い事業です」。

 「エンパイアメーカーをゲインズウェイ牧場に迎えることは本当に素晴らしいことで、私の人生における最高の手柄であると考えています」。

By Ian Tapp
(1ドル=約120円)

[bloodhorse.com 2015年9月30日「Empire Maker Coming Home to Kentucky」]


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