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海外競馬ニュース
2015年09月03日  - No.35 - 3

アルカナ社8月1歳セール、数々の記録を樹立(フランス)[生産]


 アルカナ社(Arqana)の8月1歳セール(8月15日〜17日)は、総売上げ、平均価格、中間価格が、これまでの最高を記録して終了し、欧州1歳セリシーズンの幸先のよい幕開けとなった。

 計259頭が購買され、総売上げは過去最高の4,223万3,000ユーロ(約57億146万円)に上った。ドバイ産駒(母パシフィック)が、8月16日にセリ最高価格の260万ユーロ(約3億5,100万円)で購買されたことが後押しした。

 総売上げ(前年比9.4%増)は、2008年のこれまでの最高売上げ記録を5.6%上回った。2008年は、セリ開催日程が4日間に拡大され、上場馬が100頭増加された年であった。

 他の記録としては、優良馬の人気の高さが市場に反映され、購買価格が20万ユーロ(約2,700万円)以上の馬が68頭(前年54頭)に上った。これらの馬の購買者数は35名である。

 また、平均価格と中間価格も、それぞれ16万3,062ユーロ(約2,201万円 前年比10%増)と9万5,000ユーロ(約1,283万円 前年比5.5%増)となり、過去最高を記録した。

 一方、売却率は前年の81%に対し、77.8%であった。

 セリ最終日(3日目)は、131頭が購買され、売上げは1,062万6,000ユーロ(約14億3,451万円 前年比9%増)、平均価格は8万1,115ユーロ(約1,095万円 前年比14%増)であった。

 セリ最終日の最高価格馬は、ベルトラン・ルメタイエ(Bertrand Le Metayer)氏に45万ユーロ(約6,075万円)で購買されたダッチアート産駒(牡・母ニュイポレール)であった。この価格は、アルカナ社8月1歳セール最終日における過去最高価格となった。

 このニュイポレール(Nuit Polaire 父ケレイフ)の2番仔は、このセリのトップセラーであるモンソー牧場(Ecurie des Monceaux)により上場された。ニュイポレールの初仔エロンボ(Elomno 父イリューシヴシティ)は、数日前にドーヴィル競馬場で1着入線後、失格となったばかりである。ニュイポレールは、2015年独ダービー(G1)勝馬ヌタン(Nutan)および独オークス(G1)2着馬ナイトフラワー(Nightflower)の近親である。

 アルシャカブレーシング社(Al Shaqab Racing)は8月17日、エージェントのチャールズ・ゴードン-ワトソン(Charles Gordon-Watson)氏とニコラ・ド・ヴァトリガン(Nicolas de Watrigant)氏を通じて126万ユーロ(約1億7,010万円)を支出し、5頭の1歳産駒を購買した。これらの中には、シユニ(Siyouni)、ダークエンジェル(Dark Angel)、インヴィンシブルスピリット(Invincible Spirit)などの産駒が含まれている。

 セリ最終日、米国のエージェントであるアレックス・ソリス(Alex Solis)氏とジェイソン・リット(Jason Litt)氏は、同行した馬主ラリー・ロス(Larry Roth)氏のために、フランスを拠点とするセカンドクロップサイアー、シユニの牝駒[母アカタマ(未出走) 母父エフィジオ]を25万ユーロ(約3,375万円)で購買した。ナーヴィックインターナショナル社(Narvick International)のエマニュエル・ド・セルー(Emmanuel de Seroux)氏と競り合った末の落札であった。

 独G3馬で、2014年E・P・テイラーS(G1)2着馬のオデリズ(Odeliz)の半妹が、グランカン牧場(Haras de Grandcamp)により上場された。この牝馬のファミリー(牝系)は、数頭の米国G1馬の母アモラマ(Amorama)を出している(訳注:オデリズは8月23日にドーヴィル競馬場でジャンロマネ賞を制しG1馬となった)。

 リット氏は、「美しい牝馬です。私たちは、シユニを気に入り、数頭のシユニ産駒を購買しましたが、私が手に入れることができた産駒の中では、この牝馬が一番です。米国に連れて帰ることになるでしょう」と語った。

 フロリダ州のエージェントであるジャスティン・カス(Justin Casse)氏も積極的に購買し、ガリレオ産駒(牝)を25万ユーロ(約3,375万円)、オアシスドリーム産駒(牡)を11万3,000ユーロ(約1,526万円)で手に入れた。いずれも、セリ初日にエートルアム牧場(Haras d'Etreham)により上場された。

 3日間を通じてリーディングセラーであったモンソー牧場は、27頭を合計1,215万7,000ユーロ(約16億4,120万円)で売上げ、平均価格は45万259ユーロ(約6,078万円)であった。

 モハメド殿下(Sheikh Mohammed)の生産アドバイザーであるジョン・ファーガソン(John Ferguson)氏は、今回のセリの最高価格馬となったドバウィ産駒(牡)を含む11頭を購買し、その合計支出額は691万ユーロ(約9億3,285万円)に上った。

By Myra Lewyn
(1ユーロ=約135円)

[bloodhorse.com 2015年8月17日「Record-Breaking Arqana Sale Concludes」]


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