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2015年06月18日  - No.24 - 2

ギャレット・ゴメス騎手、引退を正式発表(アメリカ)[その他]


 エクリプス賞を数回受賞したギャレット・ゴメス(Garrett Gomez)騎手(43歳)は、騎乗活動を長期間休止した後、6月8日に引退を正式に発表した。最後に騎乗したのは、1年半前である。

 ゴメス騎手はフェイスブックにおいて、最後に騎乗した2013年10月から競馬界が投げ掛けていた質問に対し、「復帰することはない」と答えた。また、次のように続けた。「競馬界からの引退を正式に発表したいと思います。皆様のおかげで、騎手生活で多くのことを達成できました。感謝いたします。数多くの素晴らしい瞬間を経験できました」。

 ゴメス騎手はアリゾナ州ツーソン出身であり、ブレーム(Blame)に騎乗して年度代表馬ゼニヤッタ(Zenyatta)を破った2010年BCクラシック(G1)など、ブリーダーズカップ競走を13勝している。また、ジェリー・ベイリー(Jerry Baily)騎手のもつ記録を破り、ステークス競走のシーズン最多勝記録(2007年に76勝)を打ち立てるとともに、北米の獲得賞金額によるリーディングジョッキーに4年間輝いた。

 ゴメス騎手は、2007年と2008年にエクリプス賞の最優秀騎手賞を、2011年には同僚騎手たちの推薦でジョージウルフ記念騎手賞を受賞した。

 ブレーム以外の代表的な騎乗馬としては、パイオニアオブザナイル(Pioneerof the Nile 2015年三冠馬アメリカンファラオの父)、2007年ケンタッキーオークス優勝馬のラグズトゥリッチズ(Rags to Riches)、ビーホルダー(Beholder)、カーネルジョン(Colonel John)、エニーギヴンサタデー(Any Given Saturday)、ミッドナイトリュート(Midnight Lute)、ボレゴ(Borrego)、ディスクリートキャット(Discreet Cat)、インディアンブレッシング(Indian Blessing)、ウェイトアホワイル(Wait A While)、スティーヴィーワンダーボーイ(Stevie Wonderboy)、ブラインドラック(Blind Luck)、ライフイズスイート(Life Is Sweet)などをあげることができる。

 ゴメス騎手の成績は、21,639戦3,769勝、2着3,329回、3着3,015回である。1988年〜2013年までの騎手生活における獲得賞金は、205,224,899ドル(約256億5,311万円)であった。

 ゴメス騎手は、次のように記した。「競馬界のすべての人々に対し、騎手生活にあらゆる支援をしてくださったことに感謝します。依頼されたすべての馬に、喜んで騎乗しました。素晴らしいキャリアを積ませてくださった方々全員に感謝します。また、ファンの皆様には、このような形で引退することをお詫びします。人生においては、時には自分のために決定を下さなければならないときがあります」。

 ゴメス騎手は2013年夏、薬物乱用の問題に苦しみ、同年10月5日のキーンランド競馬場での騎乗をもって馬に跨ることはなかった。この問題は、同騎手のそれまでのキャリアにも影を落とし、このために2003年と2004年は一切騎乗ができなかった。2013年6月9日から7月14日まで同騎手は、“家庭の事情”によって騎乗回数は4鞍にとどまった。そのシーズンの7月後半から8月にかけてカウンセリングを受け、その後デルマー競馬場における騎乗の再開が承認された。

 同騎手は2013年10月10日の週に、サンタアニタ競馬場での騎乗の取り止め要求によって裁決委員から事情聴取され、騎乗停止となってから騎乗していない。

 なお、ゴメス騎手は、ルドルフ・アルバラド(Rudolph Alvarado)氏とともに、『ギャレット・ゴメス物語:中毒から救済までの騎手の旅(The Garrett Gomez Story: A Jockey's Journey Through Addiction and Salvation)』を執筆している。

By Claire Novak
(1ドル=約125円)

[bloodhorse.com 2015年6月8日「Garrett Gomez Announces Retirement」]


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