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2015年04月02日  - No.13 - 1

名種牡馬スマートストライク、蹄葉炎により23歳で死亡(アメリカ)[生産]


 北米リーディングサイアーに2回輝いたG1馬のスマートストライク(Smart Strike 23歳)は、蹄葉炎の合併症により、3月25日、安楽死処置となった。

 スマートストライク(父ミスタープロスペクター)は、レーンズエンド牧場(Lane’s End ケンタッキー州ヴァーサイルズ)の主力種牡馬であり、18回目の種付けシーズン中[種付料10万ドル(約1,200万円)]の処置であった。

 スマートストライクは、あらゆる馬場に適応する優秀な産駒を数ヵ国で出し、北米で最も万能性をもつ種牡馬として知られていた。2007年と2008年に北米リーディングサイアーに輝き、同時期に最高傑作の産駒カーリン(Curlin)が2年連続で年度代表馬に輝いた。

 レーンズエンド牧場の所有者ウィリアム・S・ファリッシュ(William A. Farish)氏は、次のように語った。「スマートストライクを失い悲しみに暮れています。長年にわたり、我々の看板種牡馬でした。比類なき種牡馬であり、その血統から影響力は今後も続くでしょう。種牡馬として彼を我々に託してくださったサムソン牧場(Sam-Son Farm)、彼を支援してくださった出資者や生産者に感謝したいと思います」。

 スマートストライクは、カナダ・オンタリオ州のサムソン牧場の自家生産馬として出走し、通算成績は8戦6勝、獲得賞金額は33万7,376ドル(約4,050万円)であった。マーク・フロスタッド(Mark Frostad)調教師が管理したが、その競走成績は1996年に際立っていた。サルバトールマイル(G3)を制した後、フィリップH.アイズリンH(当時G1)でエルティッシュ(Eltish)やセレナーズソング(Serena’s Song)を破って優勝した。いずれも、モンマスパーク競馬場での勝利である。

 16世代の産駒が競走年齢に達しており、1,047頭の勝馬を出し、現時点での産駒獲得賞金額は1億1,860万ドル(約142億円)以上である。また、59頭の重賞勝馬、12頭のチャンピオン馬を出した。

 カーリンはエクリプス賞年度代表馬に2回選出された他、G1・7勝の偉業を成し遂げた。2007年にプリークネスS(G1)とBCクラシック(G1)で優勝し、その翌年にドバイワールドカップを制した。また、1,000万ドル(約12億円)以上を稼ぎ、北米最高賞金獲得馬となった。

 他にエクリプス賞を受賞したスマートストライク産駒は、最優秀2歳牡馬と最優秀3歳牡馬に選出されたルッキンアットラッキー(Lookin At Lucky)、最優秀芝牡馬に選出されたイングリッシュチャンネル(English Channel)、最優秀2歳牝馬に選出されたマイミスオーレリア(My Miss Aurelia)である。

 スマートストライクは、カナダで2頭の年度代表馬、ソアリングフリー(Soaring Free 2004年)とネヴァーリトリート(Never Retreat 2011年)を出している。その他、最優秀3歳牝馬のアイオブザスフィンクス(Eye of the Sphynx)、最優秀芝牡馬のポートカリス(Portcullis)、最優秀3歳牝馬のゴールドストライク(Gold Strike)、最優秀2歳牡馬のアディドエッジ(Added Edge)を出した。

 他の著名なG1勝利産駒としては、フリートストリートダンサー(Fleetstreet Dancer 2003年ジャパンカップダート優勝馬)、ファビュラスストライク(Fabulous Strike)、センターコート(Centre Court)、シャドウキャスト(Shadow Cast)、ファーゼストランド(Furthest Land)、スクエアエディー(Square Eddie)、マイノレット(Minorette)、クラウンクイーン(Crown Queen)、スワッガージャック(Swagger Jack)およびストリーミング(Streaming)があげられる。

 スマートストライクは、産駒カーリンとともにレーンズエンド牧場で供用されていた。すでに、カーリンはベルモントS(G1)勝馬パレスマリス(Palace Malice)を出しており、スマートストライクはサイアーオブサイアーズ(種牡馬の父)としての記録を打ち立てようとしていた。他の産駒では、ルッキンアットラッキー、イングリッシュチャンネル、ドミナス(Dominus)、パパクレム(Papa Clem)、スクエアエディー、スマートビッド(Smart Bid)、アディドエッジ、スワガージャック、テンピンズ(Tenpins)などが種牡馬入りしている。

 スマートストライクの最も傑出した繁殖牝馬は、2011年のケンタッキーダービー馬マインザットバード(Mine That Bird)を出したマイニングマイオウン(Mining My Own)である。スマートストライクがブルードメアサイアーとして出したトップクラスの競走馬としては、カナダのチャンピオン馬であるイングロリアス(Inglorious)とアイオブザレパード(Eye of the Leopard)、BCフィリー&メアターフの勝馬であるシェアドアカウント(Shared Account)、パナマの年度代表馬であるスマートディーエヌエー(Smart D N A)、G1馬のファーストデュード(First Dude)、G2馬のハンサムマイク(Handsome Mike)があげられる。

 スマートストライクは、サムソン牧場における最高の生産馬の一頭といえる。母はカナダのチャンピオン馬クラッシーンスマート(Classy ‘n Smart)であり、1991年にカナダの最優秀繁殖牝馬に選出された。クラッシーンスマートが出した5頭の出走馬はすべて勝馬であり、1991年のカナダ年度代表馬であるダンススマートリー(Dance Smartly)、G1馬のフルオブワンダー(Full of Wonder)、G2馬のストライクスマートリー(Strike Smartly)、カナダのクラシック競走2着馬であるシークレットゥンクラッシー(Secret ‘n Classy)がいる。

 スマートストライクの2代母は、カナダの殿堂入りを果たしたノークラス(No Class)であり、多くの子孫が優良馬となっている。その子孫としては、米国とカナダのチャンピオン馬であるスカイクラシック(Sky Classic)、カナダのチャンピオン馬であるダンススルーザドーン(Dancethruthedawn)、リーガルクラシック(Regal Classic)、グレイクラシック(Grey Classic)、G1馬のオールウェイズアクラシック(Always a Classic)、ジャクソン(Jackson)、モレノ(Moreno)などがあげられる。

 スマートストライクは、レーンズエンド牧場に埋葬される予定である。

[訳注:日本では、スマートストライクはブレイクランアウト(2009年共同通信杯優勝)やアムールブリエ(2015年エンプレス杯優勝 母ヘヴンリーロマンス)などの産駒を出した。また、ブルードメアサイアーとしてはストロングリターン(2012年安田記念優勝)やレッドオーヴァル(2013年桜花賞2着)などを出している。]

By DRF Breeding Staff
(1ドル=約120円)

[Daily Racing Form 2015年3月25日「Perennial leading sire Smart Strike dead」]


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