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海外競馬ニュース
2014年02月13日  - No.6 - 3

BHA、預託料回収問題を解決する取組みを推進(イギリス)[その他]


 BHA(英国競馬統轄機構)は、長年にわたって“調教師特有の問題”とされている預託料回収問題に対処するために、競馬界の代表的な2団体と会合を行う予定である。

 馬主は調教師との合意書に署名しなければならないこととなっているが、馬主協会(Racehorse Owners Association: ROA)調教師全国連合会(National Trainers Federation: NTF)はどちらも現在のシステムに満足しておらず、契約に基づく調教合意書を取り交わすことを望んでいる。

 ROAのCEOリチャード・ウェイマン(Richard Wayman)氏は、次のように語った。「不幸にも馬主と調教師の間で争いが生じることがあり、多くの場合、契約に基づく調教合意書がないために解決が妨げられています」。

 「書面での合意がなければならないことが競馬界のルールですが、現実には多くの場合において実行されていません。月平均2,000ポンド(約34万円)近くの預託料に関する契約であることを考えると、これは驚くべきことです」。

 「この問題については、NTFとBHAとともに取り組み、馬主と調教師に対して自己防衛策として諸条件を確認できる契約の締結をさらに勧めていきたいと思っています。これが争いの発生防止にはなりませんが、発生したときには契約書があると解決はずっと容易になります」。

 NTFのCEOルパート・アーノルド(Rupert Arnold)氏は、次のように語った。「預託料回収は長年にわたり調教師特有の問題であり、これまでROAとNTFは双方が納得した形の調教契約書の内容に合意していました。そしてそれによって両者の利益のバランスが取れるので、両団体のメンバーに採用するよう奨励しています」。

 「しかし調教師からは、署名することをためらう馬主がいるとの報告もあり、この制度の運営方法が非常に脆いと感じています。調教師との合意書は、義務的なものであったとしても正式には何処にも登録されないため、調教師たちは尻込みしてしまいます」。

 「馬主に署名させるために調教師をより強い立場にする変更を望んでいます。契約は争いを解決しやすくするだけでなく、両者が書面で条件を確認すれば、大抵は初期段階で防げるでしょう」。

 「ROAとNTFは、この問題についてBHAと最初の話し合いを行いましたが、2月には詳細について話し合う予定です」。

 そしてアーノルド氏は、「回収不能となった預託料を取り戻すための訴訟は非常に高くつきますので、私たちはこの問題の解決に、競馬界の規制システムの中であらゆる手段を講じる方がずっと好ましいと考えています」と付言した。

 BHAのスポークスマンであるロビン・マウンジー(Robin Mounsey)氏は、次のように語った。「馬主と調教師が契約を交わさなければならないのは競馬界のルールです。BHAはNTFとROAとともに、契約ルールの見直し、およびこれらの契約の必要性に対して馬主と調教師の関心を向けさせる方法について取り組んでいます」。

By Graham Green
(1ポンド=約170円)

[Racing Post 2014年1月29日「BHA to act on ‘endemic problem’ of bad debts」]


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