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2014年11月06日  - No.44 - 1

日本生まれのカラコンティ、BCマイル優勝(アメリカ)[その他]


 11月1日、サンタアニタパーク競馬場の総賞金200万ドル(約2億2,000万円)のBCマイル(芝G1 )は、最後の直線で完全に勝負がもつれたが、フラックスマンホールディングス社(Flaxman Holdings Ltd.)の自家生産馬カラコンティ(Karakontie)が勝利を手にすることとなった。

 カラコンティ(父バーンスタイン)は、この芝マイル競走を1分32秒88で走り、アラン&ジェラール・ヴェルテメール(Alain and Gerard Wertheimer)兄弟が所有するアノダン(Anodin BCマイル3連覇の牝馬ゴルディコヴァ(Goldikova)の全弟)の終盤の追撃を寄せつけず、日本で生産された馬として初めてブリーダーズカップのレースを制した。ウッドバインマイル(芝G1)勝馬トレードストーム(Trade Storm)は3着に終わった。

 残り1/4マイル(約400m)の地点では、最終的な1着〜3着馬は、それぞれ5番手、11番手、10番手だったが、その後全てが変わった。

 サンタアニタ競馬場の同じ距離の芝G1を2勝しているオビアスリー(Obviously)は、早くから14頭立ての先頭に立ち、1/2マイルを45秒16、6ハロン(約1200m)を1分8秒82で走り、オッズ2-1(3倍)の1番人気馬トロナード(Toronado クイーンアンS(G1)勝馬)は2番手につけていた。トロナードは直線入り口で外に膨らんでコーナーから遠のき、その挑戦は潰えてしまったが、オビアスリーはその後も直線半ばまで4馬身差をつけて先頭に立っていた。

 しかし、カラコンティが先行馬の後ろでギアを変え、馬群の中から抜け出した。そして先頭馬を追い抜き、最後に追撃してきたアノダンを寄せつけず、1馬身差の勝利を収めた。アノダンの1馬身後ろにはトレードストームがおり、米国調教馬の中では最高位の4着となったサマーフロント(Summer Front)は3着馬と頭差であった。

 優勝したフランスのステファーヌ・パスキエ(Stephane Pasquier)騎手は、「米国のブリーダーズカップでのこの勝利が私のキャリアの中で、感動的で最高の勝利です。馬の能力を活かすように乗ったまでで、マイルは彼が得意とする距離です」と語った。

 ニアルコス・ファミリー(Niarchos family)のフラックスマンホールディングス社が日本で生産したカラコンティは、このブリーダーズカップまではフランス国内のみで出走してきた。ジョナサン・ピーズ(Jonathan Pease)調教師が管理するこの3歳牡馬は今年、クラシック競走である仏2000ギニー(G1)を優勝したが、ブリーダーズカップの前に挑んだ2つのG1競走で掲示板を逃してきた(訳注:仏ダービー8着、フォレ賞11着)。

 ピーズ調教師は次のように語った。「カラコンティは2歳時に優秀な成績を収め、この春も好調でした。春のレースの後に一旦休養させましたが、今日は素晴らしい末脚を見せてくれました」。

 アノダンの支持者は、直線半ばで同馬が9番手から疾走し始めた時に、“もしかして?”と思ったかもしれないが、わずかに及ばなかった。

 同馬に騎乗したオリヴィエ・ペリエ(Olivier Peslier)騎手は、「アノダンには満足しています。すべて完璧にこなしました。素晴らしい末脚で見事に走り切りました」。

 払戻しは、カラコンティの単勝62倍、複勝33倍(2着)と19.4倍(3着)、アノダンの複勝12.6倍(2着)と7.2倍(3着)、トレードストームの複勝12.8倍(3着)。

 カラコンティの母は日本産馬サンイズアップ(Sun Is Up)で、その父は1989年BCクラシック勝馬のサンデーサイレンスである。

By Frank Angst
(1ドル=約110円)

(関連記事)海外競馬ニュース 2014年No.44「日本産馬カラコンティ、ジャンリュックラガルデール賞を優勝(フランス)

[bloodhorse.com 2014年11月1日「Japan-Bred Karakontie Scores Mile Win」]


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