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TOPページ > 海外競馬ニュース > ゴドルフィン、起用するトップジョッキーの層を広げる(イギリス)[その他]
海外競馬ニュース
2014年07月03日  - No.26 - 3

ゴドルフィン、起用するトップジョッキーの層を広げる(イギリス)[その他]


 ゴドルフィンは定期的に騎乗依頼するトップジョッキーの層を広げており、このことは競馬にとって良いことに違いない。もはや他の騎手に優先してゴドルフィンの第一選択騎手に決まることがなくなったミカエル・バルザローナ(Mickael Barzalona)騎手やシルヴェストル・デ・ソウサ(Silvestre de Sousa)騎手に対しては気の毒であるが、競馬ファンの大多数はビッグレースで最高の騎手が競い合うのを見たがっており、今後益々そうなっていくはずである。

 騎乗依頼を行う者が、公平な立場に立って騎手の強みと弱みを正確に把握し、英国の競馬場には著しい多様性があるので当然騎手はコースによって向き不向きがあるということを認識しているのであれば、この戦略は成果をもたらすはずである。

 キーレン・ファロン(Kieren Fallon)騎手は、デ・ソウサ騎手とともにサイード・ビン・スルール(Saeed Bin Suroor)厩舎の所属騎手を務めており、ゴドルフィンの支持がなければ来週末にエプソム競馬場で施行されるクラシック競走の騎乗馬がなくなる可能性があったかもしれない。ファロン騎手は、エプソム競馬場で騎乗する時には他の騎手より負担重量を少なくとも2〜3ポンド(0.9〜1.4 kg)は上乗せしてもよいぐらい価値ある騎手なので、もしそうなったら本当に残念なことだっただろう。

 しかし実際、ファロン騎手はビン・スルール厩舎のイティマル(Ihtimal)で英オークス5勝目を挙げる格好のチャンスを手にしており、これまで3勝している英ダービーでは同厩舎のトゥルーストーリー(True Story)とコンビを組む。これは2010年にゴドルフィンのアルジール(Al Zir)で6着になって以来初めての英ダービー騎乗となる。

 今世紀になってからのファロン騎手のダービーコースでの成績は、46戦13勝(勝率28%)で、1ポンド(約170円)あたりの回収額は30.62ポンド(約5,200円)という素晴らしいものである。しかしエプソム競馬場で輝かしい成績を収め、この難しいコースを熟知しているにも拘わらず、長期間の騎乗停止処分を経て2010年にフリーの騎手として復帰してから、エプソム競馬場で施行されるG1レースの半分にしか騎乗していない。昨シーズンは英ダービーと同じ1マイル4ハロン(約2400m)のレースにはわずか2回しか騎乗していないのだ。

 イティマルにファロン騎手を乗せるという決定は、賢明なものと思われる。この強靭な牝馬は、ファロン騎手の力強さとリズムに駆り立てられるだろうから、ぴったりの組み合わせとなるだろう。

 ファロン騎手は、ホームストレッチが長いコースを疾走する時に最大限の影響力を発揮するので、5月15日にヨーク競馬場(訳注:4½ハロン(約900m)という長いホームストレッチを持つ)で施行されたダンテS(G2)で、トゥルーストーリーに騎乗させた考えは理解できる。また、同騎手は今シーズン、とりわけヨーク、エプソム、ニューベリおよびヘイドックのような競馬場の周回コースで、ゴドルフィンの馬で勝利を収めている。

 トゥルーストーリーはヨーク競馬場でやや期待を下回るパフォーマンスを見せたが、これはファロン騎手の騎乗ミスではなく、理想よりも時計が掛かる馬場状態だったためと考えられている。競走距離が1マイル4ハロン(約2400m)に伸びることが好材料と考えれば、英ダービーのトゥルーストーリーのオッズは2桁を切るかもしれない(訳注:トゥルーストーリーはオッズ8-1(9倍)で臨んだ英ダービーで7着となった)。

 しかし、ファロン騎手がエプソム競馬場において印象に残るようなパフォーマンスを見せたとしても、6月のロイヤルアスコット開催でビン・スルール厩舎の第一選択騎手にそのままなることはないかもしれない。というのも、アスコット競馬場には違ったタイプの難しさがあり、デ・ソウサ騎手が最近この周回コースで優れた成績を収めているからだ。

 ファロン騎手は今世紀、ロイヤルアスコット開催で20勝を挙げているが、近年フリーになってからは勝つ見込みのある馬に乗るチャンスにほとんど恵まれず、勝利は遠のいてしまった。

 ファロン騎手の2010年以降のロイヤルアスコット開催での成績は70戦2勝にとどまっている。この2勝は、2010年ハンプトンコートS(G3 2011年からターセンテナリーSに改名)のアフセア(Afsare)と、2012年セントジェームズパレスS(G1)のモストインプルーヴド(Most Improved)によるものである。勝率は2.8%で、1ポンド(約170円)あたりの回収額は−56.75ポンド(−約9,650円)である。騎乗馬の平均発走前オッズは11-1(12倍)だった。同騎手のパフォーマンスは賭事客の期待を下回り、この期間この競馬場での勝率は8.6%(1マイル2ハロン(約2000m)以上:10%、1マイル(約1600m)以下:8%)であった。

 デ・ソウサ騎手は2010年からのアスコット競馬場での勝率は7%だが、1マイル2ハロン(約2000m)以上のレースだけを見ると興味深い。

 同騎手は長距離のレースにおいて17%(35戦6勝)という堅調な勝率を誇っており、ロイヤルアスコット開催での2勝は、いずれも周回コースで達成された。(デュークオブエディンバラSのフォックスハント(Fox Hunt)、クイーンズヴァーズでのナミビアン(Namibian)による。)

 アスコット競馬場のコーナーを回るレースは、ホームストレッチが短いため(2½ハロン−約500m)しばしば戦術的なものとなる。デ・ソウサ騎手が昨秋重賞勝利に導いたビン・スルール厩舎のファー(Farhh :チャンピオンS)とシークレットナンバー(Secret Number : カンバーランドロッジS)は、この競馬場で同騎手がどれだけ上手に馬を安定的に走らせることができるかを見せつけた。

 しかし驚いたことに、デ・ソウサ騎手はマイル(約1600m)以下のレースにおいて62回騎乗したもののまだ勝鞍を挙げていない。彼は、この成績がゴドルフィンのロイヤルアスコット開催での騎乗騎手選びにおいて自分に不利に作用しないように望んでいるだろう。

 ゴドルフィンのもう1人の調教師チャーリー・アップルビー(Charlie Appleby)氏は、起用の可能性のある騎手としてウィリアム・ビュイック(William Buick)騎手、マーティン・レーン(Martin Lane)騎手、ライアン・ムーア(Ryan Moore)騎手およびリチャード・ヒューズ(Richard Hughes)騎手を挙げた。一方、アダム・カービー(Adam Kirby)騎手は先週土曜日にグッドウッド競馬場でフレンチネイビー(French Navy)を勝利に導いて、アップルビー調教師の管理馬に乗るチャンスをしっかりと掴んだ。この日々進化する騎手は今シーズン、より頻繁にゴドルフィンに起用されるだろうが、コンビを組んで2戦2勝したことで6歳馬フレンチネイビーに騎乗するチャンスが一層増えるかもしれない。

 バルザローナ騎手が降格したことで、ビュイック騎手はアップルビー厩舎の馬に一層多く騎乗している。この2週間どの騎手よりも多い11頭に騎乗しており、アップルビー調教師は、ロイヤルアスコット開催においてビュイック騎手がジョン・ゴスデン(John Gosden)厩舎の馬に乗らない時には彼の起用を強く望むのではないかと思われている。

 ビュイック騎手は過去3年のロイヤルアスコット開催で印象的な8勝を挙げており、そのうち6勝は周回コースだった。2007年以降の1マイル2ハロン(約2000m)以上のレースでの合計成績は84戦14勝(勝率17%)であり、1ポンド(約170円)あたりの回収額は21.25ポンド(約3,610円)である。

 ジェイミー・スペンサー(Jamie Spencer)騎手はカタールレーシング社(Qatar Racing)と契約を交わしており、ロイヤルアスコット開催で同騎手にゴドルフィンの馬に騎乗してもらうことはビュイック騎手よりも難しいだろう。しかし、アスコット競馬場の馬場が改修された2006年から、スペンサー騎手は直線コースで最高の騎手であり、196戦32勝(勝率16%)、1ポンド(約170円)あたりの回収額は58.5ポンド(約9,950円)で、アップルビー調教師は昨シーズン同騎手を3回起用している。

 ニューマーケット競馬場のジュライフェスティバル(7月10日〜12日)は、バルザローナ騎手とゴドルフィンの将来の関係を示すことになるかもしれない。バルザローナ騎手は英国でフルタイムで騎乗するようになってから、いくつかの一流コースをマスターするのに苦しんでいたが(アスコット競馬場:59戦2勝、ヨーク競馬場:16戦1勝)、ニューマーケット競馬場のジュライコース(夏競馬に使われるコース)での成績にはゴドルフィンは文句のつけようがなかった。

 バルザローナ騎手は2011年以降、ジュライコースで27%の勝率を挙げている。これはこの期間に30鞍以上に騎乗したどの騎手よりも高い勝率であり、142戦38勝を挙げ、そのうち30勝はゴドルフィンの所有馬であった。そして1ポンド(約170円)あたりの回収額は61.37ポンド(約1万430円)であった。

 バルザローナ騎手の記録は、同騎手がジュライコースのような輪郭のコースで騎乗するのに長けていることを示しているが、ビュイック騎手とこの競馬場で騎乗馬を取り合うことになるかもしれない。ビュイック騎手は、2011年から143戦35勝(勝率24%)で、1ポンド(約170円)あたりの回収額は41.28ポンド(約7,020円)というほとんど同じ水準の成績を出している。

 グッドウッド競馬場はバルザローナ騎手が健闘しているもう1つの起伏の激しい競馬場である。2011年からグッドウッド競馬場で30鞍以上騎乗した騎手一覧では、リチャード・ヒューズ騎手(勝率21%)、フラニー・ノートン(Franny Norton)騎手(勝率21%)およびトム・クウィリー(Tom Queally)騎手(勝率19%)だけが、この競馬場の7ハロン(約1400 m)以上のレースでバルザローナ騎手(勝率19%)に匹敵する勝率を挙げている。ファロン騎手はこのようなレースでは勝率18%で、ムーア騎手とビュイック騎手はいずれも16%であった。

 しかし、グッドウッド競馬場でどの調教師も起用したがっている騎手はヒューズ騎手である。グロリアスミーティング(夏に行なわれるグッドウッド競馬場の看板開催)の時期がやって来ると、アップルビー調教師や、おそらくビン・スルール調教師でさえも、ヒューズ騎手がリチャード・ハノン(Richard Hannon)厩舎の馬に騎乗しないレースの時は自身の管理馬に乗ることを望むことだろう。

 ヒューズ騎手がグッドウッド競馬場で他の騎手よりも巧みに騎乗することにはほぼ議論の余地がなく、過去4シーズンから現在にいたるまでの7ハロン(約1400m)以上のレースで1ポンド(約170円)あたりの回収額は41.53ポンド(約7,010円)である。

 アップルビー調教師は、いつも起用するトップジョッキーの層を広げることは厩舎成績を改善すると信じているようで、この戦略の利点は最終的には同調教師とゴドルフィンがどれだけ多くのビッグレースを制するかによって評価されるのではないかと思われる。しかし賭事客にとってマイナス面となり得るのは、人気に影響を与える著名騎手がますますゴドルフィンの馬に乗れば、大半のゴドルフィンの馬のオッズは下がってしまうであろうという点だ。

(1ポンド=約170円)

[Racing Post 2014年5月30日「Godolphin’s new faces: the jockeys poised to make a splash in blue」]


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