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2014年06月05日  - No.22 - 2

ヨーロッパ・パターン競走委員会、短距離レースの充実を提案(国際)[開催・運営]


 欧州のトップクラスの短距離レースは、ヨーロッパ・パターン競走委員会(European Pattern Committees: EPC)によって念入りに精査されようとしている。EPCのブライアン・カヴァナー(Brian Kavanagh)会長は、欧州の現行の短距離レースの番組は想像できる中で最も不思議な形のピラミッドだと表現した。

 そして、5月3日のパレスハウスS(G3)で古馬を競走相手に惜しくも3着となった3歳馬ホットストリーク(Hot Streak)を例に挙げて、「シーズン前半に3歳限定の短距離レースは十分になく、3歳の短距離を得意とする馬は長距離を得意とする馬に比べて早い時期から古馬を相手に競走しなければなりません」と語った。

 同会長は次のように明らかにした。「アイルランドにはG3より高いクラスの短距離レースが無く、ヨーロッパ全体でもシーズンを通じて施行される短距離レースの中で、G1は6レース、G2は5レースしかありません」。

 不釣り合いであることは確かであり、アイルランドのトップスプリンターでパレスハウスSを制したソールパワー(Sole Power)は、最近出走した22レースはすべて外国であり、フランス最高の短距離レースのアベイドロンシャン賞(G1)は毎回ごく少数のフランス馬しか出走しないと、カヴァナー会長は指摘した。

 ホースレーシングアイルランド(Horse Racing Ireland)のCEOでもあるカヴァナー会長は、香港で開催されたアジア競馬会議(Asian Racing Conference: ARC)で発表した際に、次のように語った。「欧州の短距離レースの番組を根本的に見直すために特別な調査を実施し、欧州でより質の高い短距離馬が調教され現役を続けられるような変更を勧告することに、EPCは合意しています」。

 変更の勧告が2015年競馬番組に間に合うように、調査結果は夏に出される予定である。

 薬物に関する国際統一ルールが制定されることを要求しているカヴァナー会長は、世界的なランキングとセリカタログにおけるブラックタイプ制度に価値と公正性を持たせるために、“スーパーG1競走”制度の提唱者をあまり支持しなかった。

 「実施にあたり多くの困難があるでしょう。それにEPCが最近この事柄について話し合ったところ、新たに一部のレースを特定するよりも、現在力を入れて広められているロンジンワールドベストレースホースランキング(Longines World Best Racehorse Rankings)を通して世界のエリート競走馬に焦点が合されるべきであると結論付けられました」。

 しかし、このセッションに出席した代表者による緊急投票で約60%がスーパーG1競走に賛成票を投じ、パネル議長を務めた香港ジョッキークラブの競走担当上席理事ビル・ネーダー(Bill Nader)氏が“スーパーG1競走”を支持する発言を行ったことで、この話し合いはここで終わりそうもない。

 ネーダー氏は次のように語った。「現在459ものG1レースがあり、ご存じのとおりそれぞれが同等であるわけではありません。したがって、G1レースを10〜20%減少させて重賞のフレームワークを整えるまで、“スーパーG1競走”を認めることは良い事でしょう」。

 「スーパーG1競走を20レース、50レースあるいは100レースとするかについては、どのレースがそれぞれの枠に入るかについて非常に良い考えがあり、それらが“スーパーG1”と認められるはずであると確信しています」。

By Howard Wright in Hong Kong

[Racing Post 2014年5月7日「European Pattern Committee to give sprint programme a major revamp」]


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