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海外競馬ニュース
2014年03月13日  - No.10 - 3

アルカナ社、“飛越供覧”のある障害馬セリを開催(フランス)[生産]


 アルカナ社(Arqana)は昨日、今年のドーヴィルサマーセールにおいて3歳未出走障害馬および3歳・4歳現役平地馬に障害飛越させる機会を設けることを決定し、欧州の馬購買エージェントはこれに賛意を表明した。

 この2日間のセリ(7月2〜3日)では、平地および障害向けに生産された2歳馬も上場される。

 売り手は上場馬に6つの障害からなる“飛越供覧”を選択することができ、馬場はしっかりしたフェンスで囲まれた円形の調教用オールウェザーで、最後の4つの障害飛越は大画面に映しだされる。

 ウィリー・マリンズ(Willie Mullins)氏の代理でフランスで定期的に購買し、昨年のサマーセールで2頭購買したハロイド・カーク(Harold Kirk)氏は、「素晴らしいアイデアで前向きな動きです。購買者にとってはとても有益なことばかりで、馬を見れば見るほど良い結果が得られます」と語った。

 そして次のように続けた。「この新しい提案は多くの人々の気を引き、大勢の購買者がこのセリに現れると考えています」。

 「英国やアイルランドでは、ほとんどのセリでは馴致されていない障害馬が上場されるため、ここで行われるような馬の能力を見ることができるセリが開催されることはないと考えます」。

 「フランスは新しいことを試すことに常に前向きで、生産界にとって素晴らしいことです。アルカナ社に拍手を送りたいです。彼らは新しいことにチェレンジすることで有利な立場に立っています」。

 昨年の購買馬5頭のうちの1頭が今シーズンのグレートウッドハードル(G3)勝馬デラルカ(Dell’ Arca)であったフランスのリーディングエージェントのユベール・バルブ(Hubert Barbe)氏も、“飛越供覧”に乗り気である。

 同氏は次のように語った。「フランスの障害馬は一般的に3歳で調教され、コンサイナーは“すでに障害飛越をしています”と言いますが、今回それをこの目で見ることができるわけですから、これは素晴らしいアイデアです」。

 「障害馬の騎乗供覧は通常ペースがゆっくりし過ぎているので能力評価が難しいのですが、障害飛越をさせることによってもっと速いペースで走行することになるので、買い手にとって非常に有益です」。

 昨年のサマーセールで14頭を63万8,500ユーロ(約8,939万円)で購買しリーディングバイヤーとなったギイ・プティ(Guy Petit)氏は、“飛越供覧”は素晴らしい構想だがいったい何人の売り手が馬に障害飛越をさせるかは疑問であると語った。

 そして次のように続けた。「素晴らしいアイデアで有難いのですが、1つ不安なことは、飛越の際に馬がほかの馬の前で転倒すれば返って迷惑だということです。セリの前に馬を故障させるリスクを負いたくないので、売り手たちに上場馬に障害飛越をさせることを思いとどまらせるかもしれません」。

 アルカナ社のエリック・オワイヨー(Eric Hoyeau)会長は、フランス産馬の最大のセールスポイントは飛越能力であり、“飛越供覧”は購買者にとって大きな魅力になると主張する。

 そして次のように語った。「若馬をフランス式に教育することは有益であると認められており、今後購買者たちにとって上手く飛越でき自身の仕事を心得ている馬を購買することは習慣となるでしょう」。

 「購買者たちにとっては、次のシーズンに向けて仕上がった障害馬を手にしやすいため、信頼の高いセリとなるでしょう」。

 サマーセールの出身馬には、マリンズ氏が16万ユーロ(約2,240万円)で購買して後にオートゥイユ競馬場でG1を制したディアカリ(Diakali)や、タンプールトゥー(Temps Pour Tout)やランジャーン(Ranjaan)などの活躍馬がいる。

By Tom Pennington
(1ユーロ=約140円)

[Racing Post 2014年2月20日「Arqana ‘ahead of the game’ with new initiative to send lots over hurdles」]


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