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海外競馬ニュース
2013年12月19日  - No.51 - 3

トニー・マッコイ騎手、障害4000勝を達成(イギリス)[その他]


 トニー・マッコイ(Tony McCoy)騎手は11月8日、サウスウェル競馬場で静かな1日を送ったが、18回目のリーディングに輝いた同騎手は前日の障害競走4,000勝達成後の24時間は絶え間ないサイン攻めに遭った。

 トウスター競馬場でボスのJP・マクマナス(JP McManus)氏が所有するマウンテンチューンズ(Mountain Tunes)に騎乗して偉業を成し遂げたマッコイ騎手は、英国とアイルランドのほとんどの全国紙の見出しを飾り、テレビ出演やラジオインタビューの依頼が殺到した。

 共同所有者となっているマントン近郊の“ジ・アウトサイド・チャンス(The Outside Chance)”というパブで、家族や友人たちと夜遅くまで祝賀会を行ったので、マッコイ騎手はサウスウェル競馬場でのたった1回の騎乗を断ることも出来ただろうが、こういう状況でもきっちり騎乗するという猛烈な労働意欲なしでは驚異的な記録を達成することはできなかっただろう。

 そしてマッコイ騎手は、ナショナルハントフラットレース(訳注:障害馬としてのキャリアを始める馬に事前に経験を積ませるための障害競走と同距離で障害物のないレース)において、マクマナス氏所有でジョン・オニール(Jonjo O’Neill)調教師が管理するオッズ2-1(3倍)のフォースファノフィット(Fourthefunofit)に騎乗するため、125マイル(約200 km)離れたノッティンガムシャーに車で移動していた。この時、同騎手の頭の中を占めていたのは記録的な偉業に新たな1勝を加える可能性であったが、同馬は3馬身差でノーノーロメオ(No No Romeo)の2着となった。

 マッコイ騎手はレスター・ピゴット(Lester Piggott)騎手の4,493勝を追い抜くことには1-1(2倍)のオッズであり、サー・ゴードン・リチャーズ(Sir Gordon Richards)騎手の持つ4,870勝を上回ることのオッズは8-1(9倍)。また5,000勝達成にはオッズ10-1(11倍)がついている。

 マッコイ騎手は次のように語った。「レスターやサー・ゴードンあるいはパット・エデリー(Pat Eddery)と同じ次元で語られることさえもが私にとっては光栄なことです」。

 「彼らのキャリアの積み重ねは膨大なものであり、優良馬なしでは勝利を挙げることはできないので、私にとっていい馬に乗り続けることが非常に重要となります。大きな挑戦ですが、やってみないことには分かりません」。

 そして次のように続けた。「優れた人々と一緒に取り組むことが非常に大きな意味を持つので、昨夜のパーティでトビー・ボルディング(Toby Balding)氏やマーティン・パイプ(Martin Pipe)氏と会えたことは素晴らしいことでした」。

 「トビーはこの1年体調が思わしくありませんでしたが、マーティンはウェストカウントリーから車で駆けつけてくれました。マーティンや残念ながら7月に他界したデヴィッド・ジョンソン(David Johnson)氏のような人々と本当に素晴らしい年月を過ごしてきました」。

 「ラジオや新聞などいろんな報道で注目を集めていることを大変うれしく思っています。このことがすべて競馬のためになることを望んでいます」。

 「昨日は良い結果が出て実に素晴らしい1日でした。周りに非常に多くの素晴らしい人々がいたことが思い起こされました。しかし今は、レースが今後導いてくれる方向に向かって第1日目を踏み出すときです」。

 マッコイ騎手は、他のスポーツ界、とりわけサッカー界の友人やプロ選手から非常に多くのメッセージを受け取ったことを明らかにし、次のように述べた。「サッカー界から想像していたよりも多くのお祝いメッセージを頂きました」。

 「その中には、サー・アレックス・ファーガソン(Sir Alex Ferguson)氏、アーセン・ベンゲル(Arsene Wenger)氏、マイケル・オーウェン(Michael Owen)氏、そして友人のロビー・ファウラー(Robbie Fowler)氏やスティーヴ・マクマナマン(Steve McManaman)氏のメッセージもありました。また多くのツイートもあり、ジョウイ・バートン(Joey Barton)氏のツイートが最初でした」。

 マッコイ騎手は、明日アイルランドのナヴァン競馬場で騎乗後に帰郷する可能性はほとんどないとし、「月曜日には英国で騎乗するので、日曜夜に帰宅することになっています。重要なことを優先させて行きます」と語った。

 マッコイ騎手は、同僚騎手のリチャード・ジョンソン(Richard Johnson)にいつも敬意を表している。ジョンソン騎手は、マッコイ騎手に次いで最も多く勝鞍を挙げている。

 マッコイ騎手はラジオ局の番組で、次のように語った。「昨晩帰宅したときに考えたことの1つは、まだ言及してない人物が2名いるということです。それは、マーティン・パイプ氏および多くの勝馬に騎乗させてもらった故デヴィッド・ジョンソン氏ですが、最も素晴らしい仲間はリチャード・ジョンソン騎手です」。

 「リチャードは2,500勝ほど挙げており、彼のおかげで誠実に取り組むことができ、18〜19年間を懸命に騎乗することができたので、今回の記録達成に当たって大きな恩があります。彼は素晴らしい騎手で、決して私たちを落ち込ませるようなことはありません。毎日懸命に取り組むことを心がけさせてくれます」。

 さらにマッコイ騎手はトークスポート(Talksport)に対し、もし5,000勝を目指すのであれば、正気かどうか疑われるかもしれないとし、「来年5月に40歳になりますが、40歳前後の障害騎手はそれほどいません。したがって、5,000勝を目指すのであれば、45歳位まで騎手を続けなければなりませんが、そのときはもう心身ともにしっかりしていないだろうと人々が思うかもしれないと心配です」と語った。

 

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By Neil Morrice

[Racing Post 2013年11月9日「Business as usual for McCoy the media star」]


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