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2013年01月17日  - No.3 - 1

ニューヨーク市に場外馬券発売所を復活させる法案を州知事が拒否(アメリカ)[開催・運営]


 アンドリュー・クオモ(Andrew Cuomo)州知事は12月17日、ニューヨーク市に場外馬券発売所を復活させる法案に拒否権を行使した。

 この拒否権の行使によって、キャットスキル場外馬券発売社(Catskill Off-Track Betting Corp.: COTB)の試みは頓挫する。その試みとは、全米最大の場外馬券発売業者であるニューヨーク市場外馬券発売公社(New York City Off Track Betting: NYCOTB)が2~3年前に破産申告により閉鎖され、事業存続に向けた州議会での政治合意も断念されて失われた事業を引き継ぐことである。

 12月17日夜に発表された州知事の拒否通告書には、法案には提案を実施させるための事業計画が含まれていないと記されていた。

 クオモ州知事は、「どちらかといえば、これもやはりその場しのぎの賭事拡大計画です。この法案では、ニューヨーク州がどのように賭事を規制すべきかについて、断片的に打ち出される“不合理で一貫性のない”賭事方針を容認することになってしまいます」と語った。

 そして同知事は、2月に新たなニューヨーク州賭事委員会(Gaming Commission)が発足するが、賭事への包括的で理に適ったアプローチもその使命の一つだろうと述べた。

 クオモ政権は、2012年の前半に承認された3年間の事業再構築策の下で現在実質的にNYRA(ニューヨーク州競馬協会)を管理しているが、州の事務当局が最大7つの新しいカジノ施設(そのうちいくつかがニューヨーク市内に設置される可能性がある)を許可するかどうかを2013年に検討しようとしているので、このタイミングでキャットスキル法案が持ち上がったことを懸念したものと考えられている。

 COTBにニューヨーク市の5つの区で場外馬券発売所の運営を許可することは、これらのカジノ施設の価値を低下させる可能性があると述べるオブザーバーもいる。

 しかし法案の提案者は、COTBのドナルド・グロス(Donald Groth)理事長が推し進める措置によって、NYRAや他の競馬場にとって重要な収入の流れが回復され、NYCOTBが閉鎖されたときに解雇された1,000人以上の従業員の多くに職を取り戻すことができるだろうと述べた。また法案の支持者は、この措置が来年を迎えるに当たり、更なる赤字に直面しハリケーンサンディによる被災の再建費を支払う手段を模索しているニューヨーク州議会に必要となる歳入をもたらすだろうと述べた。

 グロス理事長は、州知事の拒否権行使はNYCOTB閉鎖から2年が経つ今、元従業員が新しい職を得ることを妨げるものであると批判した。そして、「元従業員が職を得れば、ニューヨーク市の5つの区すべての競馬賭事客は市内で合法的かつ便利に賭事を行えるようになります。そしてこれらの競馬賭事客によって、NYCOTBとその営業所が閉鎖されて以来失われていた収入が競馬場に戻って来ることになります」と語った。

 グロス理事長は、「クオモ州知事が拒否権を行使した結果、ニューヨーク市の場外馬券が競馬ファンにとって楽しく儲かるものであることを示すチャンスが失われました。私たちはこの残念な拒否権を覆すために州議会が議会手続きを再開するよう要求します」と語った。

 しかしそのためには、州議会が現行の2年間のセッション終了前の12月31日までに拒否権を覆さなければならず、それはほとんど不可能に近い。そして今後2週間においては州議員による特別な議会開催は予定されていない。

 キャットスキル法案は6月に州議会で圧倒的多数で可決されていた。

 法案は、現在COTBの賭事運営が認められているハドソンバレーの大半と同州のサザンティア地区のほかに、ニューヨーク市の5つの区を加えさせることとなっていた。2010年のNYCOTBの閉鎖では約60ヵ所の馬券発売所が休業を余儀なくされた。

 法案には、COTBがニューヨーク市内のすべての場所で賭事を運営することに制限を加える条項が含まれていた。このため新しい場外馬券発売所をCOTBが運営するには、その地区の選考委員会から承認を得ることが必要となったはずである。

By Tom Precious

[bloodhorse.com 2012年12月17日「NYC OTB Legislation Vetoed by Governor」]


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