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TOPページ > 海外競馬ニュース > 馬主になるのは賞金目的ではなく楽しみのため(イギリス)[その他]
海外競馬ニュース
2013年03月07日  - No.10 - 2

馬主になるのは賞金目的ではなく楽しみのため(イギリス)[その他]


 競馬と生産は疑いようもなく素晴らしい道楽だ。しかし、投資額が簡単に増えていく世界ではない。裕福な紳士と貴婦人は、投資額が利益を生むチャンスは極めて小さいことを(頭がおかしくない限り)分かっていながら、1歳馬セールに出向き嬉々として馬を購買しているのである。

 2012年の英国・アイルランドのセリで偉大な種牡馬ガリレオ(Galileo)の1歳産駒39頭が上場され、牡駒21頭には36万9,188ギニー(約5,427万円)、牝駒18頭には49万5,993ギニー(約7,291万円)の平均落札価格が付いた。牝駒には少なくとも後の繁殖牝馬としての後の価値があり、発育の悪いガリレオの1歳産駒は少ない。しかし牡駒のうち、競走生活引退後に種牡馬になり、海外の大きなセリで大金を稼げるほどの能力に恵まれる可能性のある馬はどれくらいいるのだろうか。

 このことについては、ガリレオ産駒が2012年に英国・アイルランドで合計303頭出走し、それぞれが平均で1万9,057ポンド(約267万円)の賞金を獲得していることから、考察する価値がある。

 産駒獲得賞金ランキングで2位モンジュー(Montjeu)の1歳産駒は、2012年のセリで15頭落札され、平均価格は26万7,048ギニー(約3,926万円)であった。牡駒は人気があり、12頭に31万5,953ギニー(約4,645万円)の平均価格がつき、一方牝駒3頭の平均価格は7万1,429ギニー(約1,050万円)であった。種付頭数が減少しプラベート価格となる前のモンジューの2011年種付料は7万5,000ユーロ(約900万円)であった。

 その上2012年にモンジューの産駒は147頭(勝馬45頭 勝馬率31%)出走し、平均で2万1,463ポンド(約300万円)の賞金を獲得した。

 これらガリレオとモンジューの場合は、どちらも悪くはない。

 産駒獲得賞金ランキング上位5頭には、インヴィンシブルスピリット(Invincible Spirit)が入っているが、同馬の2012年1歳産駒の平均落札価格は12万3,973ギニー(約1,822万円)で、出走産駒数291頭(勝馬率30%)の平均獲得賞金額は7,841ポンド(約110万円)である。今年の種付料は6万5,000ユーロ(約780万円)である。

 4位のエクシードアンドエクセル(Exceed And Excel)は、出走産駒数269頭(勝馬率29%)の平均獲得賞金が7,728ポンド(約108万円)で、昨年の平均落札価格は5万9,870ギニー(約880万円)、種付料は1万2,000ポンド(約168万円)であった。ダンジリ(Dansili)の出走産駒数が212頭(勝馬率33%)で平均獲得賞金額は9,342ポンド(約131万円)であった。

 もちろん、これらのランキング上位馬は魅力的な種牡馬である。しかし、これらの種牡馬の重要性は、ただ多く勝馬を出すことではなくトップクラスの馬を出すことである。とは言え、これらの数字は、実績をあげている高価な種牡馬の産駒を購買してもその元を取ることがどれだけ難しいかを物語っている。さらに、ここでは預託料は計算に入っていない。

 ところで、2歳リーディング種牡馬のような他の基準を用い、1歳時の平均落札価格と2歳時の平均獲得賞金とで比較するほうが簡単ではなかろうか?今度は勝馬頭数に基づいて判断してみよう。

 2012年の勝馬頭数による2歳リーディング種牡馬は、ケレイエフ(Kheleyf)で、2012年の2歳馬が受胎した時の種付料は1万2,000ユーロ(約144万円)であった。出走産駒58頭(勝馬率47%)は、2011年の1歳時の平均落札価格が2万6,516ギニー(約390万円)であったのに対し、2歳時の平均獲得賞金は4,243ポンド(約59万円)であった。

 2位のアクラメーション(Acclamation)は、2009年の種付料が2万ユーロ(約240万円)で、出走産駒54頭(勝馬率48%)が平均で6,589ポンド(約92万円)の賞金を獲得した。2011年の1歳産駒の平均落札価格は8万1,003ギニー(約1,191万円)であった。そしてインヴィンシブルスピリットは、昨年の2歳産駒勝馬頭数の3位と再浮上した。出走産駒数は58頭(勝馬率41%)で平均獲得賞金は1万641ポンド(約149万円)。これは2011年の1歳産駒の平均落札価格8万2,938ギニー(約1,219万円)を下回っている。もちろん、これらの1歳産駒のすべてが2歳時に活躍するように調教されたわけではないが、これらの数字は獲得賞金額と生産および購買コストとがいかに逆転しているかを物語っている。

 2歳リーディング種牡馬は、出資した馬主が所有馬の出走を見るまで時間がかからないことから人気がある。しかし、多くの馬主にとってやはり高い費用が掛かる。

それではこの事実の教訓は何だろうか?馬主になることについての話題の中心となるべきは、いかに賞金額が安いかということではない。強調されるべきなのは、馬主となることがいかに楽しいかということである。それが、平地競走の経済学を語る上で唯一道理に適う論理である。

Richard Griffiths
(1ポンド=約140円、1ユーロ=約120円)

[Racing Post 2013年2月1日「No use trying to make sense of sale prices and prize-money」]


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