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TOPページ > 海外競馬ニュース > グランドナショナル、スポンサーの撤退で打撃(イギリス)[開催・運営]
海外競馬ニュース
2013年01月03日  - No.1 - 1

グランドナショナル、スポンサーの撤退で打撃(イギリス)[開催・運営]


 BBCが競馬中継から手を引き、馬の予後不良事故で動物愛護の懸念がある中、エイントリー競馬場はビール会社のジョンスミス社(John Smith’s)グランドナショナルのスポンサーから撤退したことから、新しいスポンサーを探すことになる。

 ジョンスミス社は、同社社名を冠する9回目となる2013年グランドナショナルをもってスポンサー契約を終了するのは商業上の要因によるものであると主張したが、動物愛護に関する問題もこの見解をもたらす要因となったことを認めた。

 2012年の総賞金が97万5,000ポンド(約1億3,650万円)であった英国最高賞金額の障害競走は、2011年と2012年の開催においてそれぞれ2頭が予後不良となったが、そのうちのチェルトナムゴールドカップ勝馬シンクロナイズド(Synchronised)は最も知名度の高い馬であった。

 エイントリー競馬場は2014年シーズンに間に合うようにジョンスミス社に代わって同様の知名度およびステータスを持つブランドと連携できることを確信している。また厳しい経済状況の中で、大手ブックメーカーとの契約も選択肢となりうるが、その場合にはジョンスミス社の撤退が競馬にとってかなり大きな打撃となるだろう。

 それについての論争にもかかわらず、このレースの人気はまったく損なわれておらず、ネプチューンコロンジュ(Neptune Collonges)が優勝した今年4月のグランドナショナルでは入場者数が増加し、BBCの視聴者は2008年以来最大の1110万人に上った。しかし、52年間同レースを放映し続けていたBBCに代り、2013年はチャンネル4が初めて同レースを放映することになる。

 ジョッキークラブ競馬場社(Jockey Club Racecourses)の地域担当理事でエイントリー競馬場の運営責任者のジョン・ベイカー(John Baker)氏は、ジョンスミス社を失うことは打撃であるが、スポンサーを希望する企業がたくさん現れることを確信していると述べた。

 同氏は、「グランドナショナル開催の金曜日と土曜日には15万5,000人の観客が集まります。これは、企業のブランドにうってつけのイベントですが、企業には商売上他に考慮すべきこともあります」と語った。

 そして次のように続けた。「グランドナショナルが29年間に迎えたスポンサーは2社のみであり、このスポンサーとなる機会は滅多に訪れるものではないことから、多くの企業が私たちと一緒に取り組むことを期待すると強く確信しています」。

 「私たちはすでに新しいスポンサー探しに乗り出しています。ジョンスミス社とグランドナショナルは素晴らしいスポンサー契約の好例であったので、願わくば、同じようなスポンサーを見つけることができることを期待しています。ただし、現在はビール産業ほかすべての産業にとって困難な時期であり、ジョンスミス社も商業上の理由で決断を行ったというのがまさに現実です」。

 「私たちが声を掛けようとしているスポンサーは、グランドナショナルのスポンサーとなれば商業上のメリットがあることを理解するはずです。グランドナショナルは象徴的なイベントですので、どのスポンサーにとっても非常に強力なメッセージになると考えています」。

 そして、「私たちはできるかぎり安全にレースを施行しようとしていますが、1110万人がグランドナショナルにチャンネルを合わせており、世界全体での視聴者は5億人に上ることも心に留めておかなければなりません。グランドナショナルは依然として英国社会全体の動きを止めるほどのレースです。そして、誰もが賭事を行いたいレースであり、競馬ファンと一般大衆の垣根を取り払うレースでもあります」と付言した。

 シンクロナイズドとアコーディングトゥピート(According To Pete)の死は、BHA(英国競馬統轄機構)のルール見直しの口火となり、その結果、2013年のレースをより安全に施行するために一連の措置が導入された。その見直しの中には、スタート地点から第一障害までの距離を短くする措置も含まれている。

 スポンサーから下りるという決定には世間からの悪い評判が影響したのかどうか問われたジョンスミス社スポークスマンのデヴィッド・ジョーンズ(David Jones)氏は、「私たちは予後不良事故に非常に心を痛めており、動物愛護は懸念の1つで、スポンサー契約を考慮するにあたり念頭に置いたことの1つです。しかし、スポンサー契約を更新しない決定は、主に商業上の理由でなされました」と語った。

 そして次のように続けた。「馬や騎手が怪我をするのはとても悲しいことですが、2005年以来グランドナショナルのスポンサーとして、エイントリー競馬場がそれを防ぐためにあらゆる手段を講じてきたことを私たちは知っています。安全と福祉は彼らの最優先事項です」。

 「ジョンスミス社はその営業活動において次に進む段階にあり、ブランドを社会にアピールする他の方法を模索したいと思っています。私たちは競馬の支援を止めようとしているわけではありません。ジョンスミス社は1960年から競馬を支援してきており、それは依然として我が社の特徴であり、マーケティング戦略の一環となっていますが、エイントリー競馬場においては他の会社に引き渡すときが来ました」。

 「いずれもチャンネル4で中継されている、ヨーク競馬場のジョンスミスカップやノーサンバーランドプレートのようなイベントを通じ、私たちは引き続き競馬に関わり、2014年以降も何らかの形でグランドナショナルに関係して行く方法を見つけられることを望んでいます」。

 そして次のように付言した。「私たちは、障害競走の看板イベントのタイトルスポンサーとして充実した9年間を過ごしました。この間にジョンスミスグランドナショナルは、テレビ視聴率と入場者数で記録を打ち立てました」。

 「しかし、今やビール市場の変化とジョンスミス社のブランドの進化を踏まえて先に進むべき時期だと考えました」。

 ジョーンズ氏は、競馬中継がチャンネル4に変わったことは関係していなかったと述べ、「私たちはいくつかの分野でチャンネル4と一緒に取り組んでおり、彼らがBBCから競馬中継を受け継いだことは私たちにとって決して懸念ではありませんでした」と付け足した。

 エイントリー競馬場のベーカー氏は、「チャンネル4はグランドナショナルを支援することになるでしょうが、そのことはジョンスミス社の撤退の決定とは関係ありません。同社は、チャンネル4が絶好の宣伝の場であると考えていましたので」と語った。
  

近年のグランドナショナルに関連する出来事
2009年10月 ジョンスミスが2013年までレースのスポンサー契約を2013年まで延長することを発表。
2010年4月 ドントプッシュイット(Don’t Push It)が優勝したこの年のグランドナショナルは、2005年以来初めて予後不良事故なしの開催となる。
2010年12月 ドントプッシュイットに騎乗したトニー・マッコイ(Tony McCoy)騎手がBBC年間代表スポーツ選手に選出される。
2011年4月 オーネイス(Ornais)とドゥーニーズゲート(Dooneys Gate)が予後不良となり、これらの事故に遭った馬を上から撮った写真が議論を呼ぶ。
2011年8月 BHAの見直しを受けて、1つの障害が低くされ、また踏切側の地面より着地側が低くなっていた2つの障害の着地側が嵩上げされる。
2012年1月 ジョンスミスがグランドナショナルの総賞金を95万ポンド(約1億3,300万円)から97万5,000ポンド(約1億3,650万円)に引上げ。
2012年4月 1,110万人の視聴者が観戦し2008年以来最高のテレビ視聴率を記録するが、チェルトナムゴールドカップ勝馬シンクロナイズドとアコーディングトゥピートの予後不良事故が暗い影を投げかける。
2012年9月 BHAの見直しにより、スタート地点から最初の障害までの距離を約100メートル短縮させるなど一連の安全措置が勧告される。
2012年11月 ジョンスミス社が2013年グランドナショナルをもってスポンサー契約を終了することを発表。 

 
By Mark Storey
(1ポンド=約140円)

[Racing Post 2012年11月25日「National blow as sponsor pulls out」]


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