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海外競馬ニュース
2012年11月01日  - No.45 - 3

多くの牧場や競馬関連団体がサラブレッドアフターケア協議会を支援(アメリカ)[その他]


 ケンタッキー州の主要生産牧場13場を含む数々の競馬関連団体は、サラブレッドアフターケア協議会(Thoroughbred Aftercare Alliance: TAA)がサラブレッドが引退後に過ごす施設を認定し資金を募るのを支援するため2013年から基金をスタートさせる計画を作成した。

 アデナスプリングス社エアドリースタッド(Airdrie Stud)キャッスルトンライオンズ牧場(Castleton Lyons)ダービーダン牧場(Darby Dan Farm)ダーレー牧場(Darley)ゲインズウェイ牧場(Gainesway)ヒルンデール牧場(Hill 'n' Dale)ミレニアム牧場(Millennium Farms)ピンオークスタッド(Pin Oak Stud)テーラーメイド牧場(Taylor Made)ヴァイナリー牧場(Vinery)ウォルマック牧場(Walmac Farm)およびウィンスター牧場(WinStar Farm)は、供用種牡馬の2013年向け公表種付料の25%をTAAに提供するとし、一方ジョッキークラブは2013年の産駒登録、馬名登録、輸入および輸出申請など登録手続き関連のほぼすべての手数料を25ドル(約2,000円)引き上げる予定である。

 米国ダーレー社の会長であるジミー・ベル(Jimmy Bell)氏は、「私が競馬産業で行っていることはすべて、馬に始まり馬に終わっています。今はサラブレッドの競走引退後のアフターケアに長期にわたって関与すべき時であり、ケンタッキー中部の13の牧場がまさにそれを実行したことに満足しています」と語った。

 カナダジョッキークラブと連携して、ジョッキークラブ(米)のカナダ人顧客から募った資金は、カナダのサラブレッド引退馬支援団体に拠出される。また、ジョッキークラブは2013年に、その関連会社からTAAに30万ドル(約2,400万円)を提供する予定である。

 ジョッキークラブ理事長でCOOのジェームズ・L・ギャグリアーノ(James L. Gagliano)氏は、「私たちはTAAを支援することを光栄に思っており、この使命の必要性を痛切に感じています。サラブレッドの生涯のさまざまなチェックポイントにおけるこうした極めて控えめな財政支援が、引退競走馬にふわさしい生き方と第2のキャリアに大きな変化をもたらすでしょう」と語った。

 ストロナックグループ(Stronach Group)とグループが所有する2競馬場、カリフォルニア州引退馬支援協会(California Retirement Management Account: CARMA)キーンランド協会(Keeneland Association)ファシグ・ティプトン社(Fasig-Tipton)バレッツ社(Barretts Equine Limited)およびオカラブリーダーズセール社(Ocala Breeders’ Sales Co.)も他の牧場に続いてTAAを支援する。

 ストロナックグループおよびその所有競馬場であるカリフォルニア州のサンタアニタパーク競馬場とフロリダ州のガルフストリームパーク競馬場は、TAAの認定基準を満たすカリフォルニア州とフロリダ州の団体に資金を提供することを発表した。2013年には、20万ドル(約1,600万円)を超える資金が付与されることが期待されている。CARMAもTAAの認定基準を満たすカリフォルニア州を拠点とする団体と施設に資金を提供することを発表した。2013年にCARMAは40万ドル(約3,200万円)を超える資金を付与する予定である。

 TAAはブリーダーズカップ協会(Breeders' Cup Ltd.: BCL)、ジョッキークラブおよびキーンランド協会から資金を受けており、それらによる基金の一部は最初の現場視察や2012年の残り数ヵ月間に計画されている認定のために充てられるだろう。

 TAAの専務理事マイク・ジーグラー(Mike Ziegler)氏は次のように語った。「生産とセリ上場から販売、競走までの馬の生涯およびその間の診療や輸送などあらゆる場面から持続的な財源を作り上げることが私たちの目標です。BCL、ジョッキークラブおよびキーンランド協会によって提供された資金およびNTRA(全米サラブレッド競馬協会)とジョッキークラブから現在受けている事務的および技術的支援によって、2013年の私たちの提供する資金はしかるべき馬にきちんと割り当てられるでしょう」。

 BCLは、すべての種牡馬オーナーからの手数料徴収を簡素化する予定である。またBCLは、11月2日〜3日にサンタアニタパーク競馬場で開催されるブリーダーズカップでファンからの資金集めを展開することとしている。

 キーンランド協会、ファシグ・ティプトン社、バレッツ社およびOBSは、2013年のセリ日程から、購買者およびコンサイナーがそれぞれ購入額あるいは総売上げの0.05%をそのまま自動的にTAAに寄付できるようにする予定である。

 これらのセリ会社は総売上げの0.05%も追加的な資金提供される。このプログラムに参加を希望しない者は、取りやめることができる規定も用意されている。

 キーンランド協会理事長兼COO(最高執行責任者)のビル・トマソン(Bill Thomason)氏は、「この取組みの背景にある基本原理は、競馬産業全体が馬にとって最善を尽くすべきであると言うことです。まさにこのことが弾みとなって私たちは、TAAへ資金を提供するだけでなく、私たちにとって非常に特別な存在の競走馬に対するアフターケア、新しいキャリアその他のプログラムに引き続き重点が置かれることになるようコンサイナーと購買者の広範囲なサポートを受けながら支援をするメンバーであり続けるのです」。

 ファシグ・ティプトン社のボイド・ブラウニング(Boyd Browning)会長は、「私たちはアフターケアに資金提供する自動的な仕組みを確立することは正しいことであり、資金提供を適切に行う唯一の方法であると考えています、私たちの顧客は売り手も買い手もサラブレッドに対して共通の愛情を持っています。したがってこの組織的なやり方によって、皆が公平で偏りのない方法で自身の役割を容易に果たすようになります」と語った。

 さらに、TAAの理事会は、この数週間において競馬産業の幅広い分野の団体と持続的な資金調達の戦略についての会合を持ったと発表した。その団体には、BCL、ニューヨークホースメン協会(New York Thoroughbred Horsemen’s Association)、ニューヨーク州、カリフォルニア州、フロリダ州に繋養されている種牡馬のオーナーが含まれていた。競馬場や他の事業者団体、代表的な騎手、調教師および馬主との会合は、できるだけ広範囲の人々に参加を促すために年内に開催されるだろう。

 TAA理事長のジャック・ウォルフ(Jack Wolf)氏は、「これは重要な第一歩であり、私たちはこれらの団体の多大な協力に対して感謝しています。競馬産業の他の利害関係者がこの重要な取組みの後に続くことを望んでいます」と語った。

 レキシントンを拠点とするTAAは、競走生活を終えたサラブレッドを世話するアフターケア施設の認定団体および認定施設を支える資金団体として設立された。TAAは、馬主、騎手、アフターケアの専門家および競馬産業の他団体で構成されている。

 BCLのCOOボブ・エリストン(Bob Elliston)氏は、「BCLはTAAの最初の資金提供者のひとつとして、引退競走馬の就職斡旋や第2のキャリアのための再調教に充てられる、産業全体での毎年の資金拠出プログラムの発展を全米規模で支援しています。サラブレッドはその生涯を通じて尊厳ある態度で扱われるのに相応しい動物です」と語った。

By Blood-Horse Staff
(1ドル=約80円)

[bloodhorse.com 2012年10月11日「Farms, Industry Groups to Support Aftercare」]


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