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海外競馬ニュース
2012年05月10日  - No.20 - 3

広まる馬の胎児の早期性別判定テスト(イギリス)[生産]


 獣医師が通常の会話と見なす話題がディナーの席にはふさわしくないということがたびたび起こるということは、この仕事の危険の1つである。最近とある素晴らしい夜に、私が隣に座っていた女性に対して放った“まもなく性別判定テストが再開するだろう”という発言が会話の中断した静かな時と運悪く重なってしまい、眉を顰められた。

 過去数年かけて私は胎児性別判定テストの経験を増やすために、そしてそのテストに適切な名前を与えるために、一生懸命働いてきた。これは、テストを実施できる受胎後63〜67日という時期が近づいている2月15日以降間もないうちに生まれた仔馬にとって重要な管理ツールとなるからである。

 この技術はここ5年間で人気を増しており、現在では、高い価値を有する繁殖牝馬はしばしばセリで胎児の性別情報を提供される。この情報は、生産者が将来の生産計画について早い段階で選択することを可能にし、財政面においても有益な情報となる。

 性別に関する情報は、繁殖牝馬をセリに上場させるべきかどうかを決定するときに役立ち、セリにおいては予定価格や主取価格にも影響を与えるだろう。一方で、繁殖牝馬を上場せずに持ち続ける場合には、生産者がその牝馬の産駒を売るべきか、それとも競走用として所有すべきかに関する早めの決断に一役買う。また翌年種付けする種牡馬を選択するうえでも役立つ可能性がある。

 この技術は、生殖結節を見つけることと関わっている。生殖結節は、牡馬の陰茎あるいは牝馬の陰核へと発展するものである。これはわずか2〜3ミリで大変小さく、発見には最新の超音波器具、豊富な経験そして忍耐が必要となる。受胎後50〜55日頃で、生殖結節は牝馬の尾の下部あるいは牡馬の後肢の前部へ移動する。受胎後63〜67日頃には移動が完了し、胎児は簡単に撮像することができ、結節もはっきりと確認できるため、性別テストを実施するのに最適の時期となる。経験豊富な臨床医は99%の確度で判定でき、2度目の判定が必要なのは牝馬20頭のうち1頭ほどに過ぎない。受胎後70日以降は胎児を撮像することが難しくなるので、この技術の確度も落ちてしまう。

 これまでに私が感じたこのテストの短所と言えば、追加費用以外では前に述べた夕食会で決まり悪い思いをしたことと、残念なことにこの技術のことを妹に話したために彼女が自分の胎児のスキャン写真を私に見せようとしないことである。いまでもまだ出産後の性別のサプライズを心待ちにしている人もいるようだ。

By Charlie Pinkham

[Racing Post 2012年4月13日「Sex testing proving to be popular」]


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