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海外競馬ニュース
2011年11月24日  - No.47 - 3

所有馬の同厩馬が負ける方に賭けた馬主への罰則ルールが発効(イギリス)[その他]


 所有馬の同厩馬が負ける方に賭ける馬主は、BHA(英国競馬統轄機構)が導入する内部情報に関する措置に基づき、11月1日からは競馬施行規程に違反することになる。

 これまで馬主たちは、所有馬の同厩馬が負けるほうに賭けることを控えなければならないと規定する行動規範には縛られていたが、罰則はなかった。しかしこれからは新しい施行規程が発効し、自動的に罰則が科せられるようになる。

 BHAの公正・免許担当理事であるポール・スコットニー(Paul Scotney)氏は、行動規範が馬主、調教師、騎手、厩舎スタッフおよびバレットに対する具体的な基準を組み込んだ施行規程に取って代わったことで、より徹底した透明性が与えられるだろうと語った。

 同氏は10月18日、「これまでは行動規範を遵守しなくても施行規程違反にはならなかったので、違法すれすれの行為がありました。施行規程と免許の条件を活用する新しい方針により、対応はより一層明白かつ簡潔になるでしょう」と語った。

 そして、「所有馬の同厩馬が負ける方に賭けることは所有馬自体の負けに賭けることほど重大な事ではありませんが、馬主は調教師と交流があるので、もし彼らが情報を得て利用すれば、一般の賭事客にとって公平ではないということを言いたいのです」と付け足した。

 騎手については、免許を取得する条件として、たとえ直接的に報酬を得た証拠がなくても定期的に内部情報を知らせることはルール違反となっている。

 スコットニー氏は次のように続けた。「馬が負けるように騎乗した過去の事例において、騎手と馬券の買い手とが定期的に接触した証拠がありましたが、実際に報酬の授受があったかは証明できませんでした。今後は接触の証拠が紛れもないものであれば、報酬の授受を証明する必要はありません」。

「報酬を受け取った可能性に基づいて、憶測を立てることができます。人と交流することに関して、新しい免許条件の下では誰と親しいかに十分注意しなければならないことを注意喚起しています」。

「私たちは、これまでまったく問題の種にならなかった気楽な会話を禁止しようとは思っていません。私たちが言いたいのは、報酬なしならば内部情報を定期的に流しても差し支えないと考えないでほしいと言うことです。それは許されない行為です」。

 今回の規程変更により、情報が買収目的で使われることを騎手が認識した上で自身の騎乗馬が勝つ可能性について他の騎手を含む誰とも話してはいけない、という免許条件も導入される。

 スコットニー氏は、「施行規程に違反する方法で他人から接近された者は、そのことを報告しなければならなくなります。テニス、スヌーカーおよびクリケットのような他のスポーツは、競技者を守るためにこのようなルールを既に持っています」と語った。

 また、すでにレーシングポスト紙で報道されたように、騎手が主張して認められた規程変更によって、騎手たちもブログなどで賭事業者にオープンに情報を提供できることになる。

 スコットニー氏は、「騎手協会(Professional Jockey’s Association)は、調教師が賭事業者と話をすることができ広告にも出ることができるのに、なぜ騎手はそれができないのかと主張しました。私たちはそれに賛成しました」と説明した。

 このほか、懲戒審問のスピードアップを図るために、取調べ対象となった者は電話番号のような情報や記録を提供するよう強く求められることになる。

 そして意図的に審問手続きを遅らせていると懲戒委員に判断された者は、一時的に業務停止処分にされる。

 スコットニー氏は、「私たちは取調べの時間を短縮するためにできることはすべて行っています」と語った。

 そして、聞き取り調査時間に遅れた者に一時的な業務停止処分を与えることや電話の通話記録を手に入れるために裁判所を使うことも考慮していると付言した。

By Howard Wright

[Racing Post 2011年10月19日「Owners to be subject to tough new rules on lay bets」]


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